【特集2 省エネ最前線】化石資源利用の課題再浮上 依存度減へ業界対応が加速
第三次オイルショックは日本の産業や生活に大きなダメージを与えている。省エネや化石利用を減らす取り組みがこれまで以上に求められている。
資源が乏しい日本は、1970年代に二度にわたるオイルショックに見舞われた際、エネルギーの供給側では電源種や調達地域の多様化を図り、需要側では省エネルギー政策へとかじを切った。その後、需要側、とりわけ産業分野では「絞った雑巾」と言われるほど徹底した取り組みを進めてきた。40年以上の時を経て、再び訪れたオイルショック。「省エネの余地はないのか」「化石資源の利用をさらに減らす手段はないのか」―。そんな課題が今、エネルギー業界や需要家に改めて突き付けられている。
需要側リソースを有効利用 制御・調整力などに効果
家庭用に目を向けると、蓄電池やエネファームといった新しい商材が登場した。東京ガスや大阪ガスなどの大手都市ガス会社は、こうした需要側のリソースを制御するVPP(仮想発電所)やDR(デマンドレスポンス)の新しい運用スタイルに取り組んでいる。
一日中電力を消費し続ける冷蔵庫のベースロード需要を電力の調整力に使うのは中部電力だ。庫内の冷蔵品の品質を保ちながら消費電力のタイミングを意図的にずらすことで、わずかな量ではあるが効率的な運用につながっている。
一般送配電事業者が全需要家に導入を進めてきたスマートメーターを活用した注目の取り組みが、30分値のデータから機器ごとの電力消費量を計測する技術を用いたサービスだ。この技術は、エアコンや照明などが消費する電力波形の細かな違いに着目したもので、機器単位での電力消費量を「見える化」できる。この技術を使い、伊藤忠エネクスはエネルギーの小売りと効率的な消費を支える、二兎を追う戦略を取っている。
産業分野や大型建築の分野では水素利用に着手する事例も。このほど運用が始まった東京・赤坂エリアでは、再生可能エネルギーから作ったグリーン水素による熱供給事業が始まった。ものづくりの製造業が集積する東海地区では、東邦ガスが水素バーナーの導入を進めている。こうした取り組みは、化石資源の利用を減らしカーボンニュートラル(CN)にも資する「一石二鳥」の戦略だ。
今回の特集では、家庭分野用から業務・産業分野まで、エネルギー業界の「終わりなき省エネ」に向けた取り組みを追いながら、改めて問われている日本の戦略を考える。



