【特集2 省エネ最前線】3年間で7000億円の予算確保 非化石転換の設備更新を支援
中東危機や電力需要の増加などに、国はどう対応するのか。第7次エネルギー基本計画に基づく政策方針を聞いた。
インタビュー/福永佳史(資源エネルギー庁省エネルギー課長)
―第7次エネルギー基本計画を踏まえた省エネの位置付けを教えてください。
福永 化石燃料の大半を海外から輸入している日本において、徹底した省エネが必須です。特に今後、DXやGXの進展による電力需要の増加が見込まれる中では、再生可能エネルギーや原子力など脱炭素電源の確保を進めると同時に、最先端技術を活用し、エネルギー消費効率を改善していく必要があります。また、エネルギー安全保障や脱炭素の観点では、電化や非化石転換も従来以上に重要です。
―家庭部門における課題や取り組みについて教えてください。
福永 住宅は一度建築すると長期ストックとなる性質上、速やかに省エネ性能の向上を進める必要があります。2050年にストック平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準の性能を目指しています。目標達成に向けて現在、国土交通省や環境省とも連携し、断熱窓への改修や高効率給湯器などで省エネ化を支援しています。また、30年までに建築物省エネ法における適合基準(義務基準)を引き上げます。加えて、大幅な省エネ引き上げと、自家消費型太陽光発電の促進が重要です。ZEH基準の水準を大幅に超える「GX ZEH」制度を創設しました。
中小企業の脱炭素化への一歩 専門家による診断などを促進
―業務・産業部門はいかがでしょうか。
福永 中小企業にとって、省エネは脱炭素の第一歩となる取り組みです。「具体的に何をすればよいか分からない」という声もあります。そこで、経産省では3年間で7000億円規模の大型予算により、中小企業をはじめとする事業者の省エネや非化石転換のための設備更新支援、専門家による省エネ診断を促進しています。金融機関・省エネ支援機関と連携し、中小企業の省エネを支援する省エネ・地域パートナーシップを立ち上げました。サプライチェーンが連携し、省エネの実現を目指す取り組みの支援も開始しています。
―中東情勢などを踏まえると、省エネに一層注目が集まりそうです。
福永 中東情勢にかかわらず、中長期的に省エネを進めることが重要です。経済活動を低下させることなく、徹底した省エネを加速させる予定です。昨年11月に発表した「省エネパッケージ」では数千億円規模の予算により設備投資を支援します。官民が連携し、エネルギー危機にも耐え得る需給構造への転換を目指し、省エネを推進していきます。



