【特集2 省エネ最前線】エレクトロヒートセンターが加熱分野で電化を積極推進
産業界の電気利用による加熱・冷却システムの技術向上と普及拡大を図る日本エレクトロヒートセンター(JEHC)。省エネの余地が大きい加熱分野ではヒートポンプ、アークプラズマ、赤外線などのアプローチがある。中でも同センターがさらなる省エネに期待するのが、産業用ヒートポンプだ。
産業用ヒートポンプの一般的な導入スタイルは、既存の燃焼ボイラーとの組み合わせによるもの。給水された水をヒートポンプで60~90℃程度まで昇温し、その予熱によってボイラーの負荷を軽減するハイブリッド方式だ。同センターによると、年間で400台程度の産業用のヒートポンプ設備が導入されているそうだ。本来であればヒートポンプのみで対応するほうが省エネの効果は大きい。ただ、高温度帯への開発や大容量化など、産業用途の本格的な利用にはまだまだ技術的な開発に課題を残しているのが現状だ。
同時に生産プロセスを担う設備の改良も期待されている。その一例が、洗浄機などの設備メーカーが開発した、あらかじめヒートポンプを組み込んだ「プロセス一体型ヒートポンプ」だ。こうした設備によって、ユーザーは生産品の品質リスクを抑えつつ、汎用的な設備として取り入れやすくなる。
最適な提案・設計が必要に 専門人材の育成が課題
技術開発だけでなく、今後の省エネを進める上で欠かせない取り組みが、現場への導入を支援する人材育成だという。JEHCの関係者は「エネルギー供給事業者、設備メーカー、そしてユーザーの間をつなぎ、産業現場全体の生産プロセスを最適に仕上げる設備提案や設計をするインテグレーターが必要だ。残念ながらそういった人材はまだまだ少ない」と話す。
そうした状況を少しでも改善しようと、JEHCでは現在、用途や目的に応じた導入を解説するガイド本を販売中だ。また、定期的にセミナーなどを開催し、エネルギー事業者やメーカー、ユーザーの知見を広く共有しながら、産業用途の省エネに向けた取り組みを進めている。



