【コラム】「今時の成長志向論~官民投資期待の空ろな論理」
4、何が足りないのか~財政出動ばかりで企業の姿が見えない
政府の戦略に何が欠如しているのか。マクロ経済運営における経済の現実直視とマクロ的経済手法の効果と限界の見極めであろう。政府ができることは、経済変動の変調(外的ショック等)を緩和・抑制する程度である。経済成長は、あくまで民間企業の創意工夫による技術革新と企業化がベースである。勿論創意工夫を啓発する地道な研究・技術開発とその体制整備は政府の役割と言える。
その成果が、民間企業の技術革新に刺激を与え、企業活動を後押しする。昔の政府提唱の経済計画は、民間企業の動向を把握し、企業活動の隘路を打開することで成長の道筋を示すことにあった。つまり時の企業活動を代弁する程度のことであり、政府主導なら官製の机上論の限界にぶち当たることになろう。
企業活動の在り方で付言したいことがある。今日の企業は、短期の業績志向に振り回されすぎている。その所以は、株価偏重の経済運営にある。政府施策は、投資金融重視で、企業行動を制約している。例えば、株主代表訴訟、社外取締役等の法定、コーポレートガバナンスコード、証券取引市場等の運営の在り方等々である。成長戦略策定前に、まずそれらの見直し・廃止が必要である。
【プロフィール】経済地域研究所代表。東北大卒。日本開発銀行を経て、日本開発銀行設備投資研究所長、新都市熱供給兼新宿熱供給代表取締役社長、教育環境研究所代表取締役社長などを歴任。
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