【フォーラムアイ】多様な電源の組み合わせで貢献 安定供給と脱炭素化へ総力挙げる北海道電力

2026年10月4日

北海道電力は、安定供給と脱炭素化の両立を実現するべく総力を挙げ取り組んでいる。

泊3号機の早期再稼働を目指しながら低・脱炭素火力への転換を推進。CCUSなど新基盤も整備中だ。

北海道では、半導体工場やデータセンターなどのGX産業立地に伴い、中長期的な電力需要の増加が見込まれている。また、2050年カーボンニュートラル(CN)の実現や脱炭素と経済成長の両立を目指す「ゼロカーボン北海道」の取り組みも進められている。こうした中、北海道電力は「ほくでんグループ経営ビジョン2035」の下、多様な電源を組み合わせながら、安定供給と脱炭素化の両立に取り組んでいる。

CNの実現に向けて、北海道電力は、脱炭素電源である原子力発電と再生可能エネルギーを最大限活用する。特に重要な取り組みとして位置付けているのが、泊発電所の早期再稼働だ。

石狩湾新港発電所の建設予定地

原子力発電は、発電時にCO2を排出せず、燃料供給や発電コストの安定性にも優れ、北海道の安定供給と脱炭素化を支える重要な電源だ。泊発電所3号機は原子力規制委員会による審査への対応を進め、昨年度には原子炉設置変更許可を取得。27年早期の再稼働に向け、現在は設計・工事の計画の認可や保安規定変更認可の審査、使用前事業者検査、防潮堤などの安全対策工事に総力を挙げて取り組んでいる。再エネについては、35年度までに300万kW以上の開発を目標に掲げ、風力、太陽光、バイオマス、地熱など幅広い電源開発を進めている。

国内随一のポテンシャル 洋上風力整備に注力

北海道が国内随一の導入ポテンシャルを持つ洋上風力発電は、「第7次エネルギー基本計画」において、再エネ主力電源化の重要な柱として位置付けられているほか、「GX戦略地域制度」においても、脱炭素電力の供給源としての役割が期待されている。同社は、昨年9月に石狩湾新港洋上風力発電事業に参画するとともに、檜山沖などでの開発検討を進めている。加えて、今年6月には齋藤晋社長をトップとする「洋上風力推進本部」を設置。北海道における洋上風力発電の実現に向け、全社を挙げて検討の強化と事業環境整備を推進していく構えだ。

また、洋上風力関連産業の育成を目的として「道南洋上風力プラットフォームズ株式会社」を設立した。同社は洋上風力の保守・運営を担う人材育成などを通じて、地域産業の発展と洋上風力の早期実現を支える役割を担っていく。

また、再エネの中でも出力が安定した重要な電源である水力については、既存設備を有効活用するため、上川、昆布、藻岩、志比内などの各発電所で経年化した設備の更新を計画的に進め、さらなる効率向上と長寿命化を図っている。

25年度の長期脱炭素電源オークションでは、京極発電所3号機(揚水発電)が落札。31年度の運転開始を予定しており、再エネの導入拡大に伴う調整力確保にも貢献することが期待されている。

アンモニアサプライチェーンのイメージ

脱炭素火力へ転換 CCUS供給網を構築中

一方、天候によって出力が変動する再エネの大量導入を進めていく上で、電力系統を安定的に運用するための調整力として欠かせない火力発電についても、脱炭素電源への転換を着実に進めている。

LNG火力では、石狩湾新港発電所2・3号機が長期脱炭素電源オークションで落札。それぞれ30年度、33年度の運転開始を目指し、増加する電力需要に対応すべく建設を進めていく。運転開始時はLNG専焼だが、将来的には水素への燃料転換を進める計画だ。

石炭火力では、苫東厚真発電所4号機におけるアンモニア20%混焼(30年度)、40%混焼(32年度)について、長期脱炭素電源オークションで落札。将来的にはCCUS(CO2回収・有効活用・貯留)を併用した脱炭素化も視野に入れている。

また、苫小牧・厚真地域においてアンモニア・水素・CCUSのサプライチェーンの構築を進めており、北海道内や全国各地へ燃料供給を視野に、CN実現に向けた新たなエネルギー基盤作りに取り組んでいる。

さらに、同地域では35年度をめどに新たなトランジション(移行期)電源であるLNG発電所と基地の建設構想を進めている。将来のさらなる需要増加への対応に加え、再エネ導入拡大に伴う調整力として活用する。

水力発電所リプレース工事の様子

同社は、原子力発電の安全性確保を大前提とした安定的な運転を追求するとともに、再エネのさらなる活用、脱炭素火力を組み合わせた最適なエネルギーミックスの実現に取り組んでいく。そして、北海道におけるCNの実現と安定供給の確保に向け、引き続き果敢に挑戦を続けていく。