【四国電力社長 宮本喜弘】社会の潮流を追い風に 新たな事業の柱を育て 企業価値向上を目指す

2026年10月2日

新たな中計スタート 三つの領域に再構築

井関 「中期経営計画2030」のポイントは何でしょうか。

宮本 ポイントは、大きく二つあります。一点目は事業ポートフォリオの再構築です。新たな中計では、「脱炭素化」や「デジタル化」の進展を背景に、将来的に電力需要が増加に転じる可能性が生じたことに加え、低・脱炭素の電気に対するニーズの高まりを新たな収益機会と捉え、電気事業・情報通信事業を「コア事業」と位置付けて成長をけん引するとともに、国際事業などを「拡張領域」、脱炭素電力の供給やエネルギーソリューション事業を「挑戦領域」と位置付け、事業領域の拡張・価値創出を目指していく考えです。特に、「挑戦領域」に関しては、企業の脱炭素化ニーズの高まりを背景に、PPAや高効率な空調・給湯設備等への更新など工場向けのエネルギーソリューションに対する引き合いが増加しています。これまでは営業活動の一環として無償で提供してきた提案を、高度なコンサルティング価値として適正に評価いただき、将来の新たな事業の柱へと育成していきたいと考えています。

二点目は、経営基盤強化策の一つとして「よんでんグループ人材戦略」を策定したことです。グループが持続的に成長していくためには、最大の原動力である「人」の力を高めることが何より重要です。定年延長などを通じてシニア層の力を生かすとともに、多様な価値観を持つ社員一人ひとりが自社で働く喜びややりがいを感じられるよう、人事制度やエンゲージメント施策を抜本的に見直していく必要があります。そこで、「会社と従業員が共に成長しながら持続的に価値を創造する」ことを基本方針に人材マネジメント施策を推進し、「組織としての収益力・創造力・総合力の最大限の発揮」と従業員の「充実した人生の実現」を目指していくことにしました。その実現に向け、会社と従業員が相互に期待することとして、従業員のアクション(CREDO)と、会社からの約束(PROMISE)を定め双方向でコミットしながら日々の業務や事業運営に取り組むことで、共に成長し続ける好循環を生み出していきたいと考えています。今後5年間で具体的な制度運用を定着させていきます。

井関 自家発の更新やオンサイト電源サービスのニーズはかなりありますか。

宮本 工場の自家発設備は、老朽化や脱炭素化の要請から大きな転換期を迎えています。当社としても、お客さまの蒸気・電気需要に応じて、最新のガス火力への更新や、設備を当社が所有・保守するオンサイト電源サービスの提案を積極化しています。オンサイト電源サービスは、初期投資を抑えつつ、信頼性の高いエネルギー供給と環境負荷低減を両立できるサービスとして高い評価を頂いています。

井関 他社とのアライアンスについてはどう考えていますか。

宮本 かつてはガスや石油会社は完全な競合相手でしたが、顧客のニーズが多様化している現在では、お互いに連携してお客さま対応を行う場面も増えています。例えば高温の蒸気を大量に必要とする工場などでは、電化だけにこだわるのではなくガスを組み合わせた方が最適なケースもあり、地元のガス会社と連携し、共同でお客さまに最適なエネルギー提案を行うといったコラボレーションを日常的に行っています。

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