進む革新的低炭素石炭火力の技術開発 カーボンリサイクル実証研究拠点化も

2021年2月9日

カーボンリサイクル技術実証 研究拠点化も本格化

CO2を資源と捉え、分離回収して化学品や燃料などに再利用するカーボンリサイクル技術。気候変動対策として早期実用化が求められる中、大崎上島のカーボンリサイクル技術の実証研究拠点化が決まり、NEDOは拠点の整備と実用化に向けた技術開発のテーマ6件を採択した。

これらのうち、OCGは拠点化に向けた土地の整備や分離回収したCO2の供給を受託。そして、整備された研究拠点で、企業や大学などがカーボンリサイクルの技術の開発や実証を行う。

カーボンリサイクル実証研究拠点の整備予定地

この中で中国電力が関わるのが「CO2有効利用コンクリートの研究開発」と「Gas-to-Lipidsバイオプロセスの開発」だ。「CO2有効利用コンクリートの研究開発」では、鹿島建設や三菱商事とともに、CO2を吸収させる環境配慮型コンクリート「CO2- SUICOM」を鉄筋コンクリート製品などに適用させるための技術開発を行う。実は、「CO2- SUICOM」は基礎ブロックなどとして既に商用化されているが、現段階では、鉄筋を腐食させる可能性があるなどの課題を抱えている。このため、幅広く建設資材として適用できるよう研究開発を進め、20年代中頃の商用化を目指す。

また、広島大学と取り組む「Gas-to-Lipidsバイオプロセスの開発」では、微生物が持つ発酵機能を活用し、水素とCO2を用いて、高度不飽和脂肪酸やカロテノイドなど、化粧品や健康食品などの原料となる付加価値の高い脂質を生産する技術開発に取り組み、30年頃の商用化を目指す。

久保田部長は「第2段階終了後に拠点化整備の土木工事に着手し、22年度には第3段階の実証試験とカーボンリサイクルの技術開発が並行して行われることになる」と新たなステップに期待を寄せる。

CO2の排出量を90%以上も減らせる革新的低炭素石炭火力とCO2を有効利用するカーボンリサイクル。この二つが両輪となってこそ、地球温暖化問題解決の一つの糸口となりそうだ。菅義偉首相が目指す、50年までに温室効果ガス排出実質ゼロとするカーボンニュートラル。ここ大崎上島で、持続可能な未来に向けた強い意気込みを感じた。

「Gas-to-Lipidsバイオプロセスの開発」イメージ

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