【記者通信】高市首相のメディア対応に批判 内閣記者限定で質問制限も ※期間限定無料公開

2026年6月4日

高市早苗政権のメディア対応が物議を醸している。高市首相が大手メディアと直接対応する回数が極端に少ないためだ。しかも質問数を制限し、質問者も官邸詰めの内閣記者会加盟社の記者に限る方法を採っている。外遊時には海外メディアを締め出した経緯もある。首相周辺は「高市総理の体調や公務との兼ね合いで調整がつかない場合もある」と釈明しているが、大手メディア関係者は「実際はフリーランスやネット系、海外メディア、週刊誌記者などから予期せぬ質問攻めに遭うのを避けるためだ」と指摘する。官邸は5月から試行していた内閣広報室のXを6月2日から本格運用し、記者とのぶら下がり取材の回数を増やすことでメディア側からの批判をかわすことに躍起になっている。

幹事社1社しか質問できなかった補正予算案に関する高市首相の会見(5月25日)※首相官邸ホームページより

極端に少ない取材対応 質問も多くて3問

「質問は全社で一度だけですので幹事社からまとめてお聞きします」。2026年度の補正予算案がまとまった5月25日、官邸で開かれた高市首相のぶら下がり会見の一幕だ。

冒頭、高市首相は会見時間22分のうち12分もの長い時間を割いて補正予算についての説明。しかし記者からの質問は幹事社1社でわずか4問に限られたのだ。それも内閣記者会加盟社の記者にしか事前告知せず、記者クラブに属していないフリーやネットメディアは参加できない限られた会見だった。年度予算が始まって間もない時期での3兆円超の大型補正予算という極めて重要な案件にもかかわらずである。予算成立後など節目で時間を割いて記者会見を開いてきた歴代政権と比べるとメディア対応は雲泥の差だ。

ただこうした対応は今に始まったわけではない。高市首相は就任以来、メディアからの質問を極力避けている。例えば26年度の予算審議が大詰めを迎えている2月から3月にかけてのぶら下がり取材の回数はわずか4回。しかも質問数は多くて3問、大抵は1、2問というありさまだ。これにはさすがに記者団から「国民の知る権利に影響を与えている」との指摘が出たが、高市首相は対応を改めていない。

あまりに連れない対応に怒りを露わにしたのは海外メディアだ。5月29日の木原稔官房長官の定例会見で「(高市首相の)直近の記者会見は記者の人数も限られ、事実上質問の制限があった。高市首相は記者会見をどう思っているのか。国民向けの発言だけと思っているのか、それとももっと幅広く、海外メディアも含めて自由に質問されたことに答えることなのか。高市総理になってから海外メディアに答えたことはほぼないと思うが、それは異常ではないか」と迫った。

木原官房長官は「政府としてはあらゆる機会を通じ、国民の皆様に対して、政府としての考え方をお伝えしていくということがまず重要だと考えている。このため高市総理は、年頭であるとか、国会の閉会時、外国訪問時など、そういった節目節目に記者会見を行っている」と通り一遍の回答に終始した。

そして当の高市首相本人も6月2日の国会で「多様な方法をどう組み合わせてコミュニケーションを図るのが好ましいか、試行錯誤しながら見いだしてまいりたい」と、開き直りに近い答弁で煙に巻いた。

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