【特集2 ライフライン強靭化】防災庁が担う新たな役割 国全体の防災司司令塔に
災害大国の日本において防災力の強化が求められている。新たに設置される防災庁が果たす機能について聞いた。
インタビュー/大山璃久(内閣官房防災庁設置準備室参事官補佐)
―防災庁を設置する背景は何ですか。
大山 現在も内閣府に防災担当部局があり、関係省庁が連携して災害に対応しています。一方で、今後想定される南海トラフ地震、日本海溝地震、首都直下地震、富士山噴火などに備えるには、今まで以上に政府全体の防災体制を強化する必要があります。そこで、防災庁を2026年中にも新たに設置します。防災対策推進における司令塔機能を強化するため、防災大臣が各省庁に対して勧告権を持つ仕組みも導入します。
―主な役割は。
大山 主に三つあります。一点目は、国の防災力を俯瞰的に捉え、中長期的な視点で基本政策や国家戦略を立案すること。二点目が、事前防災の推進です。平時から地域レベルでさまざまな主体が行う防災対策について調整役や支援役を果たします。三点目が、発災時から復旧・復興に至る災害対応の司令塔を担うことです。
各地域の災害リスク評価に注力 スマメによる早期復旧に期待
―注力していくことは何でしょうか。
大山 二点目の事前防災に関連する、地域ごとの災害リスク評価です。今後、大規模な地震も想定されていますが、それに限らず、各地でどういう災害リスクがあり、どのような対策が効果的なのか、科学的な知見やシミュレーション技術を使って評価していきます。例えば、地震が起きた場合、山間部には土砂崩れ、沿岸部には津波のリスクがあります。地域ごとに災害に対する弱点をクリアにして、それを踏まえた対策の漏れや進行具合をフォローアップしていきます。また、被災者に寄り添った支援体制の構築も重要です。避難所の生活環境をより良くするために「TKB」、つまりトイレ、キッチン、ベッド・バスといった各種資機材を確保していくために、自治体とも連携しながら整備したいと考えています。
―エネルギー業界に期待することは。
大山 ライフラインを担っていただく業界です。災害が起きたとしても、できるだけエネルギーを供給し続けられるようにインフラの強靭化を図っていただきたいです。それから電力会社やガス会社は現在、スマートメーターを整備しています。早期復旧には被災状況をいかに早く正確に把握するかが非常に重要です。普段使いしているスマートメーターが有事でもシームレスにそうした役割を果たせることを期待しています。



