【特集2 ライフライン強靭化】千葉商科大学が防災・エネルギーセンター設立 学生の人材育成に取り組む
キャンパス内の電力を自然エネルギーで賄う千葉商科大学。機関設立で防災とエネルギーへの知見を深める人材育成に動く。
インタビュー/手嶋 進(千葉商科大学人間社会学部教授防災・エネルギーセンター長)
―「自然エネルギー100%大学」を目指し取り組みを進めてきました。
手嶋 消費電力の全量を自然エネルギーで賄う趣旨の下、2017年から国内大学初の試みとして取り組んできました。キャンパス内施設の屋根に540kW程度の太陽光発電(PV)を整備するとともに、全照明のLED化などで消費量を減らした上で、年間消費電力量(350万kW時)の約18%を賄っています。当学野球場跡地にもPVを整備しましたが、FITを活用し売電しているため非化石証書を付けて買い戻しています。不足分を小売事業者から再エネメニュー電気を購入することで、キャンパス内電力の全量を自然エネルギーで賄うことができています。
地元小学校で出前授業 設備の自前運用で知見蓄積
―そうした取り組みを進める中、防災・エネルギーセンターを設立した狙いとは。
手嶋 防災や環境エネルギー分野の知識を持って行動できるような学生を育てる目的で、昨年9月に設立しました。災害時の電力確保や自然エネルギーの活用を体系的に学び、実社会で活躍できる実践的な人材育成を目的としています。例えば、当学の学生が中心となる「SONE」という環境団体があります。行政からいろいろな環境イベントに参加してほしいとの要請を受けますが、そうした活動を支援しています。また、地元市川市や鎌ヶ谷市の小学校へ地球温暖化に関する出前授業をしたりしています。体験型授業活動も活発です。手回し発電機を使ってLEDと白熱灯の照度を比べ「省エネ性に優れるLEDの方が手回しの労力は少ない」と、小学生に体験を通じてエネルギーを身近に知ってもらう取り組みです。現状ではこうした活動はボランタリーなものですが、将来的には学生の単位取得につながるカリキュラムを整備したいです。
―防災向けエネルギー設備はありますか。
手嶋 約2000人の学生が帰宅困難になることを想定し、一晩過ごせる設計で家庭用の蓄電池を設置しています。当学は設備の自前運用が特徴です。17年以降、設備を清掃した方がエネルギー効率が上がるのではないか、壁にフィルムを貼って断熱性を上げるべきではないかといった細かい議題含めて150回以上会議をしてきました。設備運用のノウハウを独自に蓄積しており、結果的にエネルギーに関する発言に説得力を持たせることができ、学生のエネルギーリテラシーが高まっていくと考えています。



