A 塚脇氏と秋本氏の関係は有名な話だ。政府は現在審査中の公募第二ラウンドからルールを見直したが、さらに年末ごろに公募受付開始予定の第三ラウンドを巡り、再度のルール変更があるかがポイント。そしてエネルギー政策そのものへの影響を心配している。洋上風力は再生可能エネルギー主力電源化の切り札で、着実に事業開発が進んできたが、これでブレーキが掛からないか。特に今回の疑惑を受け、立地に前向きだった自治体が方針転換しないかが気がかりだ。
B 確かに、事業者と距離を置く自治体が増えることを懸念している。日本版セントラル方式の行方はどうなるのか。そして政府はこれまでも公募の審査プロセスを慎重に進めてきたが、今回の事態を受けて一層慎重に取り組むことで、事業者が開発に着手できないようになることが、最も憂慮すべきリスクになると思う。
公募を巡る競争が激化する一方、国内での産業育成は課題に直面している
協会は疑惑との無関係を強調 一方で日風開関係の代表理事が退任
C 塚脇氏は風力協会が2000年代前半に発足した当初からの主要メンバーだ。協会は安倍政権時代から、菅義偉官房長官(当時)らに「日本も洋上風力を本気でやらなければ」とたびたび政策提案を行ってきた。超党派議連ができ、さらに国土交通省所管から経産省との共同推進マターとなり、一般海域の利用に向けた公募ルールができた。議連の中心メンバーだった秋本氏も、当初から純粋な気持ちで普及を目指し、北から南まで全国津々浦々に足を運んでいた。
D 商社出身の塚脇氏はリーダーシップがあり、日風開に資源エネルギー庁幹部OBや、(10月18日に協会代表理事を退任した)三菱重工出身の加藤仁氏を呼び寄せるなど人脈も豊富だ。一方、危うい面もあった。協会の活動を加藤氏に任せた後、塚脇氏は自社事業に専念。日風開は案件開発後、事業継続よりも案件の売買で収益を上げるビジネスモデルで、これには大株主のベインキャピタルの意向もあったと思われる。塚脇氏はそうした視点で、自民党内外や金融庁などへの働きかけに奔走していた。
―協会は塚脇氏とは一線を画していた、と。
C 協会は9月に「贈収賄疑惑への関与はない」とHPに見解を載せたが、正直なところだと思う。協会としても第一ラウンドで三菱商事グループが総取りしたことへの懸念を示し、評価では運開時期早期化と地域共生をより重視するよう要望していたが、最終的に価格重視などの方向性は大きく変わらなかった。協会加盟社は本件とは一線を画して、開発環境の一層の整備に取り組まなければならない。
―10月18日、協会は日風開の退会と、同グループ所属の理事・役員の退任を発表した。
D 少し前の段階では、協会主要メンバーの中から、加藤氏の進退などについて何か言う人はいなかったと思う。ただ、経産省の指導は重かった。協会のマンパワーも限られる中、対外的な面から組織をどう変えていくかは大きな課題。特に秋田県知事や北海道の自治体関係者からマイナスな意見が出始めた中、協会の活動への理解をどう広めるかも重要だ。