格付け機関が公表する評価ポイントでは、極めてプレーンな太陽光開発プロジェクトの場合、スポンサーの想定するキャッシュフローをベースに、DSCR(Debt Service Coverage Ratio=元利返済前のネットキャッシュフローを元利金返済額で除したもの)の要求水準は、格付けAレンジで1・5前後、BBBレンジで1・3台の前半と考えられている。もちろん、個々のプロジェクトのリスクによるが、この水準のキャッシュフローを生み出せるかが焦点だ。
A まず「功」として、やはり原発の安全性を圧倒的に向上させたことは事実だ。厳しい規制基準を作り、安全審査では、炉心溶融などの重大事故が起きてもセシウム137の放出が100テラベクレルを超えないことを「合格」の基準とした。さらに安全目標として、放出量が100テラベクレルを超える重大事故が起きる頻度を100万炉年に1回程度としている。
A 死亡確率は、「原発にはこれだけのリスクがあります」と世の中に知らしめて、自動車・飛行機事故や自然災害などと比較して、原発事故のリスクが低いことを理解してもらうための指標だ。これを明らかにしないと、膨大な費用をかけて安全対策をしながら、それが何のためだったのか国民は理解できない。事業者も、安全対策の設備などによって「これだけ安全性が向上しました」と、確信を持って言うことができない。
―なぜ定めないのか。
B 田中俊一前委員長に決める考えがなかった。田中さんは新規制基準ができた後、最初に稼働した川内原発について、記者から「安全になったと言えるか」と問われて、「安全だとは私は言わない」と答えている。死亡確率という究極の安全目標がグレーだからそう言うほかなかったのだろう。自ら棚上げにしておきながら、こんな無責任な発言はない。