【東北電力NW、北陸電力送配電など/AI技術で労働災害を未然に防ぐ共同を実施】
東北電力ネットワークと北陸電力送配電、SWCCの3社は、AI技術を活用して労働災害を未然に防ぐための共同検証を行う。送配電2社はこれまで、作業手順や安全ルールの順守、経験に基づく危険予知活動などにより、送変電設備の保全業務や更新工事に伴う労働災害防止に努めてきた。同検証では、SWCCのAIが過去に発生した労働災害時の作業内容や環境などを解析し、労働災害の発生リスクが高い作業を抽出。作業員の経験則によらない、より客観的な注意喚起を可能とする。また、2社の労働災害データを共有し、今後、データの拡充を図ることで、より高精度な労働災害予測AIの実現を目指す。
【東京ガス、TGESなど/パッケージ型の水素バーナーで幅広いニーズに対応】
東京ガスと東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)、加藤鉄工バーナー製作所の3社は、水素燃焼式のパッケージバーナーを共同開発し販売を開始した。窒素パージ機能や水素対応遮断弁を搭載した水素燃焼の安全対策を含めてパッケージ化。これにより、バーナー交換が容易になるため既存の設備を有効に活用できる。また、バーナー内部のノズル形状などを最適化することで高温になりすぎることを防ぎ、天然ガス仕様のバーナーと同程度の低NOX化を実現した。100℃以下から500℃まで幅広い温度帯で対応可能で、さまざまな加熱設備の熱源として活用できる。
【住友商事/単機容量で世界最大規模のNZ地熱発電所が運開】
住友商事は、ニュージーランド(NZ)の大手発電事業社、コンタクトエナジーから建設工事を請け負っていたタウハラ地熱発電所が完工し、安定稼働に入ったと発表した。同発電所の発電機単機容量は世界最大規模の18万4000kWを誇り、年間発電量はNZの総発電量の約3.5%、約20万世帯の電力使用量に相当する。同社は、2030年までに再生可能エネルギー利用率100%を目指すNZにおいて、08年から地熱発電所の建設に携わってきた。タウハラ発電所の完工により、同社が建設や機器供給に携わった地熱発電所の総発電設備容量は、世界シェアの17%に当たる270万kWに達した。
【商船三井/風力推進装置を搭載したLNG船の設計承認】
商船三井は、韓国のハンファオーシャンと開発・設計する風力推進装置を搭載したLNG船について、基本設計承認を取得した。同装置を備えたLNG運搬船の承認は世界初。現在、実搭載に向け新造船を対象に詳細設計を実施中だ。世界中のLNG基地に入港可能な汎用性の高い船型で、同社は2030年までに25隻、35年までに85隻投入する計画だ。
【JFEエンジニアリング/バイオガス発電の燃焼排ガスからCO2を分離回収】
JFEエンジニアリングは、自社開発のCO2分離回収設備により、バイオガス発電設備の燃焼排ガスから高濃度のCO2回収に成功した。膜分離法と物理吸着法のハイブリッド型で、低濃度CO2を低消費エネルギーで99.5%という高濃度に分離・回収することができた。回収能力は1日当たり3t。小型の燃焼ガス排出設備に適しており、今年度中の商品化を目指す。
【清水建設/国内最大の陸上風力用タワークレーンの施工性確認】
清水建設は、大型陸上風車の施工に向け自社開発した移動式タワークレーン(SMTC)を北海道豊富町で建設中の風力発電所に実証施工として初めて適用した。最大揚程152m、定格荷重145tと、楊重性能は国内最高。7月には、風車施工の一連の作業を4日で消化し、想定通りの施工性を確認した。大型化が進む陸上風力。SMTCの提案で受注拡大につなげる。