6月中旬、マレーシア国営石油会社ペトロナスが主催するEnergy Asia 2025、および若手人材向けの脱炭素をテーマとした相互交流型のサイドイベントFuture Energy Leaders(FEL)が実施され、筆者も参加する機会を得た。両イベントへの参加を通じて得られた二つの気づきについて述べる。
B 全体では動きが少ない中、ポイントといえるのがGX(グリーントランスフォーメーション)のラインだ。藤木氏の後任で、畠山陽二郎氏(92年)が産政局長に就き、首席GX推進戦略統括調整官を引き続き兼務。畠山氏の後任で、龍崎孝嗣氏(93年)が資源エネルギー庁次長に。そして脱炭素成長型経済構造移行推進審議官兼GXグループ長は、龍崎氏から伊藤禎則氏(94年)が引き継ぐ。
参院選を経て大混乱が予想される永田町。翻って経産・環境省は堅実な体制に衣替え
意外な省新部、ガス室の人事 再稼働など要所人材は動かず
C 資源エネルギー庁では、電力・ガス事業部長や資源・燃料部長が留任で、省エネルギー・新エネルギー部長に小林大和氏(96年)が就任した。個人的には中小企業庁経営支援部長となった山崎琢矢氏(96年)が省新部長でもおかしくないと思った。山崎氏は省新部も長く、洋上風力政策の初期に法案を作り上げた人だ。
B 確かに山崎氏の人事は驚きだった。ただ、今回退官した奈須野太氏(90年)のように、かつて同じポストを務め中企庁でのキャリアを積み、その後産業技術環境局長や内閣府の要職を務めた人もいる。
A 小林氏と共に、省新部政策課長の那須良氏(2001年)は電ガ部主要ポスト経験者。こうした人を省新部に配置したということは、電力政策全般を俯瞰しまともな再エネ政策を強力に進めていく、とのメッセージかもしれない。
B 原子力政策課長に就いた多田克行氏(01年)も順当で、原子力に強い人材を持ってきた。そして新潟などで地域対策を担ってきた山田仁・資源エネルギー政策統括調整官(92年)や、佐々木雅人・エネルギー・地域政策統括調整官(95年)も留任。本来は部長にしてもおかしくなかった。村瀬長官にとっては柏崎刈羽の再稼働が最大のミッションであり、自身の仕事に直結するポストの人材は課長級も含め変えたくなかったのだろう。とはいえ各人の受け止めは気になる。