トランプ米大統領の来日が注目を集めた10月27日、新たに就任した赤沢亮正経産相と石原宏高環境相がそれぞれ専門紙誌記者会と初の会見に応じた。自民党と日本維新の会は連立合意書でメガソーラー規制や次世代革新炉・核融合の推進などを盛り込んだが、政策を実行する両大臣のエネルギー観はいかに……。
赤沢氏は石破政権で日米関税交渉を担当した。日米首脳会談に合わせて来日した米国のラトニック商務長官と浅草散策や歌舞伎座見学に出向くなど、独自の友好関係を築いている。両氏はお互いを「ラトちゃん」「赤ちゃん」と呼び合っているといい、就任会見では「(経産相として商務長官の)カウンターパートになれた」と喜んだ。飾らない性格の持ち主で、28日もインタビューの前には記者に気さくに話しかけるなど、そうした一面をのぞかせた。

石原氏は環境副大臣や衆議院環境委員長などを務めた環境族で、岸田文雄政権では岸田氏のライフワークである核軍縮・不拡散問題担当の首相補佐官を務めるなど政策を磨いてきた。故・石原慎太郎元東京都知事の三男で、自民党幹事長を務めた次男の伸晃氏に比べると「影が薄い」との声もあるが、顔つきや声質は慎太郎氏の弟・石原裕次郎氏に似ており、独特の存在感がある。

アラスカLNGに積極的な意義
メガソーラー規制を巡って政府は9月、地域共生と規律強化に向けて関係省庁連絡会議を設立した。赤沢氏は「社会問題化している不適切なメガソーラーに対し、地域共生を確保するため16本の関係法令を含む規律強化を図る」と語り、石原氏は連立政権合意の趣旨も踏まえ、具体的な対応策について速やかに検討を進める意向を示した。特に地域との共生が上手くいっていない事例の対応について議論を深めるといい、「釧路市のメガソーラーを抱える北海道庁からよく話を聞くように事務方に指示を出した」(石原氏)という。
東京ガスが調達を検討する米アラスカLNGについて赤沢氏は、「競争力の高いLNGが地理的に近接するアラスカから供給されることは、供給源の多角化に貢献し積極的な意義が認められる。今後も官民で米国企業などと協議を継続して適切な方策を講じる」と述べた。
このほか、洋上風力については「三菱商事の撤退要因や影響を分析した上で、後続案件の実現と国内サプライチェーン構築のために公募制度の見直しを含む事業環境整備を急ぐ」、原子力は「安全性の確保と地域の理解を大前提とし、既存発電所の再稼働を進める。廃炉決定済みサイト内での次世代革新炉への建て替えを進める方針だ」と従来の方針を踏襲した。関税交渉のテーマだった自動車分野などは熱っぽく語っていたが、エネルギー政策は手元のペーパーに目を落とす場面が多かった。
脱炭素技術が国家繁栄の鍵
一方の石原氏は環境族らしく、自らの言葉でのやり取りが目立った。トランプ政権のパリ協定離脱については「トランプ氏の任期は憲法上定められており、次の政権が協定に戻ることを信じたい」とした上で、「日本は、米国の動向に関わらず、脱炭素の技術革新に注力することが国益と繁栄に結びつく。それを世界に輸出する戦略を推し進めることが、政治家として目指すところだ」と強調した。
来年度に本格導入されるGX排出量取引制度(GX-ETS)については「環境副大臣の時に中井徳太郎さんが次官会見で炭素税と排出権取引に触れて炎上したが、あまり批判のない中でスタートしようとしているので期待している」と導入の経緯を振り返りながら語った。
高市首相は24日の所信表明演説で、物価高対策として冬の電気ガス料金補助の復活と、ガソリン税の旧暫定税率廃止する考えを示した。またエネルギー安全保障分野などの「危機管理投資」を成長戦略の肝として打ち出したが、具体策は見えていない。巨額の予算が必要となるだけに、歳出改革や赤字国債保発行額など財源確保策に注目が集まる。

















