【記者通信/10月7日】武藤経産相「脱炭素電源への投資拡大へ」 次期エネ基は岸田前政権の路線踏襲


「脱炭素エネルギーへの投資拡大に向けた事業環境整備に取り組んでいく必要がある」――。
石破茂内閣で経済産業相に就任した武藤容治氏は10月3日、専門紙の合同インタビューに応じ、次期エネルギー基本計画の策定を巡り、岸田前政権の路線を踏襲する意向を示した。グリーントランスフォーメーション(GX)やデジタル化の進展に伴い、電力需要の増加が見込まれることを強調し、国内外の情勢変化をつぶさに捉えて議論を進めていく姿勢を見せた。

専門紙の合同インタビューに挑む武藤経産相(10月3日)

2021年10月に策定された第6次エネ基から「日本を取り巻くエネルギー情勢は大きく変化した」と指摘した。ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の深刻化などで地政学リスクは高まり、エネルギー価格の高騰や供給面の不安定化につながった。
こうした中、岸田政権下では「エネルギーの安定供給や、脱炭素に向けたエネルギー構造の転換を経済成長につなげるための産業政策が強化されてきた」と説明。海外動向については「各国がカーボンニュートラルに向けた野心的な目標を維持しつつも、多様かつ現実的なアプローチを拡大している」と分析した。
こうした変化を踏まえつつ、24年度中に策定を目指す第7次エネ基について、「引き続きぶれずに議論を進めていく」と述べた。石破政権が「現実的なトランジション」をどうエネ基に落とし込むのかが注目される。