【日本原子力発電 村松社長】原子力事業の先駆者として期待される役割を踏まえ政府のGX方針に貢献
東海第二の工事進む 地域理解活動にも注力
志賀 東海第二の再稼働に向けた状況はいかがでしょうか。まずは安全性向上対策工事の進ちょくを教えてください。
村松 本体施設については18年度に新基準に基づく設置変更許可と40年超の運転延長認可を得ており、20年度から安全性向上対策工事を進めています。地震・津波、そのほかの自然現象、ケーブル火災、電源確保、原子炉などの冷却、放射性物質の拡散抑制、そして体制・運用面と、さまざまな観点から対策を講じていきます。
なお、特定重大事故等対処施設(特重)については21年度に設置変更許可を得て、現在は設計・工事計画認可(設工認)を4回に分け、3回目の申請をしています。そのうち最初に申請した内容に対する認可は得ていますので、可能なところから順次工事を始めていきます。
工事全体は24年9月の完了を目標に、一連の作業を安全に遂行するよう努めています。また、地域の皆さまに安全性向上対策工事の状況などをご説明し、ご理解をいただきながら進めていきます。
志賀 他方、地元の理解を得るためにどのような取り組みを行っていますか。
村松 敦賀では定期的に地域の皆さまの意見をお聞きしようと、福井県敦賀市内の全戸訪問に取り組んできました。東海でも21年秋に東海村での全戸訪問を始め、昨年秋には2回目を実施しました。2回目では、発電所から5㎞圏内の日立市やひたちなか市、那珂市にも範囲を広げています。コロナ禍で大規模な対面での活動は控えてきましたが、今後は全戸訪問に一層力を入れ、丁寧な説明とご意見をお聞きする場としていきたいと考えています。
そして30㎞圏内の皆さまには、安全性向上対策工事の状況や運転員の仕事の内容、対話活動などの取り組みについて発信すべく、地域の食などの情報も織り交ぜた広報誌を配布しています。さらに、これまでにも大雨による水害時には、ボランティア活動を積極的に行い、地域とのつながりを深めてきました。
地元企業として、引き続き地域貢献活動にも取り組みます。