エネルギーと食を支える企業として 未来を見据えCNLPG導入

2024年7月6日

【安田物産】

神奈川県大和市に本社を構える安田物産は、1955年に練炭や石炭などの家庭用燃料店としてスタート。現在ではLPガス販売を中心としたエネルギー事業、保育園・幼稚園や学校、介護施設などの給食事業を展開する。それゆえ、エネルギーの「供給者」と「消費者」という二つの面を持つ企業でもある。

CNLPG取扱店証明書

同社の調理工場は神奈川県内に3カ所ある。このうち、海老名市にあるクッキングセンター湘南工場、ライスセンター湘南工場の2工場でカーボンニュートラルLPガス(CNLPG)を使用している。このCNLPGはジクシスがレモンガスに提供し、レモンガスが安田物産に卸販売しているものだ。

これまでもさまざまな環境保護活動を推進してきた同社の安田幹仁社長は、レモンガス主催のCNLPG勉強会に参加。中小の企業でも取り組みやすいと感じ、導入を決めた。2023年11月の導入開始から24年3月までの5カ月間で、23tのカーボンクレジットを購入・使用し、76tのオフセットを実現した。「努力が具体的数値となって可視化され、活動継続へのモチベーションになる」と語る。

しかし、コスト面を含め、手放しで喜べることばかりではない。現状、入札で有利に働くとまでは言えず、給食に関しても環境に配慮した製造工程は特に求められていない。それでもCNにこだわるのはなぜか。


環境保護、自社の人材確保 仕事に自信を持てるように

安田社長は理由を三つ挙げる。第一は、子どもたちに美しい自然を残したいためだ。「環境保護まで手が回らない企業がある一方で、当社が手掛けているのは子どもたちの食事。であれば、率先して子どもたちの未来を守る企業でありたい」

第二は、自社の人材確保のためだ。子どもたちは小学生の時からSDGs(持続可能な開発目標)について学んでいる。彼らが社会に出る頃、企業の環境活動は、入社の判断基準の一つになると捉えている。

第三は、職員に自信を持ってほしいためだ。エネルギーと食を支える企業の一員として、環境に配慮しながら日々業務にあたっていると胸を張って言える人材に育ってほしいという。

現在横浜市都筑区に建設中の工場は、25年春から同市立中の給食専門工場として、1日当たり1万8000食を調理する。また今夏、同市の学童保育でも昼食提供を開始予定で、多くの保護者から歓迎されている。仕事や育児に忙しい現代女性の支援という社会インフラとしても、今後が期待される企業だ。