【記者通信/7月4日】東ガスがe-メタン実証設備公開 地産地消モデルを構築

2024年7月4日

東京ガスは7月1日、横浜テクノステーション(横浜市鶴見区)にあるe-メタン製造実証設備の進捗状況を報道陣に公開した。2022年3月に運用を始めた同施設は、市内のごみ処理工場で生じる排ガスから回収したCO2と、再生可能エネルギー電力で水を電気分解して得た水素を主原料に製造する。今年度は、市内の下水道センターで発生するバイオガスの一種「消化ガス」や下水を処理した「再生水」を原料にe-メタンの地産地消を実現。環境負荷の低い資源を活用し、環境面を重視した地域実証モデルの構築を目指している。

横浜市鶴見区のe-メタン製造設備を報道陣に公開する様子

6月27日には、燃焼しても大気中のCO2を増やさないガスの環境価値を証明する「クリーンガス証書」制度の認定を取得した。e-メタン製造設備が同制度の認定を取得するのは日本で初めて。今年度にも製造したe-メタンの環境価値を証書化する方針で、ガスの脱炭素化に取り組みたい事業者に販売するかを検討する。

また、7月中にMW級水電解装置の稼働、早ければ今年中にCO2を直接回収するDAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)の導入も計画しており、敷地内の太陽光発電設備を増強し、全設備の電力供給をまかなうことで全量グリーンのe-メタン製造設備を実現する。

他方で、東京ガスは高効率にe-メタンを製造できる革新的メタネーション施設の早期社会実装に向けた取り組みも加速させている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携で開発した「ハイブリッドサバティエ方式」は、水電解装置とメタネーション装置が一体となった構造。メタン合成時に生じる熱を、吸熱反応である水の電気分解に利用することで、水素の調達からメタン製造にかかるトータルのエネルギー効率を現行の50%から80%まで引き上げることができる。

同社執行役員の矢加部久孝・水素・カーボンマネジメント技術戦略部長は、製造業者などの熱需要家から「ハイブリッドサバティエ方式を現地で早く使用したいとの声が寄せられている」として、20年代後半にも需要家敷地内への小型実証機導入を視野に入れていることを明かした。