地場企業として復興に貢献 社会の変化にどう立ち向かうか

2020年11月4日

「街づくりに協力していきたい」と話す澤田常務

少子高齢化など課題山積 活路見いだし新たな活動も

同社は市のエネルギー高度化や、復興に向けた取り組みに協力するなど、市との連携強化に力を入れている。ただ人口減少が進んでいる地域でもあり、需要家の減少など課題は少なくない。

過去には津波対策として導管網のある区域で盛土工事が行われた関係で、計10㎞近い導管の再敷設を実施。また環境面も配慮して14年には岩手県で最初にLPガス(P13A)からLNG(N13A)への切り替えを行った。こうした投資は次世代につながるとはいえ、澤田常務は、「経営への負担も大きかった」とこぼす。

そのような状況でも、同社は地域住民の生活全般の困り事を解決できるよう手助けする巡回サービスを新たに開始した。澤田常務は「どのような多角経営を行っていくのかというのが当社の課題でもある。地域に根差したフェース・トゥ・フェースの業者として、巡回サービスによって『暮らしのことは釜石ガスに頼めば大丈夫』と思ってもらえるようにならないか、模索している」と展望を語った。

少子高齢化などに加え、最近はコロナ禍による需要減も影を落とす。「苦しいと言えば苦しい。しかし釜石は被災地の中でも比較的恵まれた環境にある。市の町づくりに寄り添いながら、協力していきたい」(澤田常務)。官民がスクラムを組み、困難に打ち勝つことができるか、重要な岐路に立たされている。

2014年にはN13Aに切り替えている

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