【LPガス大変革時代に挑む】岩谷産業が果たすエッセンシャルサービスの役割 27年度に直売130万件目指す
電化からガスへの再転換 避難所での活用働きかけ
―家庭用では、かつてオール電化との競争がありましたが、昨今は電気や都市ガスの小売り全面自由化で状況が様変わりしました。
間島 エネルギー間競争の中で、電化されたケースは多々ありますが、逆に戻ったケースもあります。オール電化の戸建てに住むお客さまが「再びガスを使いたい」「一部の機器にガスを使いたい」といった要望が寄せられることがあります。例えば衣類乾燥機は、やはりガスを使った方がお客さまの満足度が高いわけです。
また、家庭用ではありませんが、当社を含め業界としてLPガス導入に力を入れている分野として災害時における避難所でのエネルギー対策があります。災害時、避難所となる地元の小学校や中学校への供給です。

ただ、冷暖房設備が整備されていないことがあり、その際、仮に電気式の設備だと停電時には対応できませんし、都市ガス式だとガス導管が整備されているエリアでなければ対応できません。
そこで業界として、非常用のエネルギーをLPガスにしようと働きかけているわけです。冷暖房だけでなく煮炊きにも対応できますし、LPガス式の発電設備を整備すれば電気も使えます。LPガスという分散型ならではの特長を発揮できると考えています。こうした考え方は各地で少しずつ浸透してきていますね。
―岩谷産業が販売に力を入れているカセットコンロ、カセットガスも災害時に役立つかと思います。
間島 18年6月の大阪府北部地震では都市ガス供給が一部止まりました。その時、復旧までのつなぎとして、カセットガス製品を活用していただきました。有事の備えとして日頃からストックしておくことをお勧めしています。

三部料金制の徹底 自覚を持った対応が必要
―昨年、液化石油ガス法の省令改正がありました。1年が経過しましたがどのように受け止めていますか。
間島 それに関連して、大きなインパクトがあったのが昨年12月の最高裁判決です。
―LPガスの契約を巡り、途中でガス会社を切り替えられた場合、事業者は「無償で設置した配管や設備の費用」をユーザーへ請求できるかが争われた裁判ですね。最高裁は事業者による設備費の請求を認めないとの判断を下しました。
間島 業界の抱えている問題がクローズアップされたと思います。LPガス事業者はお客さまへ供給する際、配管や設備などいろいろな供給設備に投資しているわけですが、判決のポイントはそうした投資コストを「事業全体で回収しているのが今の実態」であり、切り替えられたからといって「その家から投資コストを回収してはならない」といった趣旨でした。
液石法改正に則ってしっかりと基本料金、従量料金、設備料金を区分した三部料金制を徹底することで、お客さまが支払う料金の内訳がどうなっているのか分かるように透明性のある体系にしていくことが今後、一層事業者に求められているということです。LPガス事業者はエッセンシャルサービスを提供していることを自覚した上で、対応していく必要があると考えています。


