【論考】懸念される「複合石油危機」 中東情勢の現況を徹底解説

2026年7月21日

6月17日に米・イラン首脳が「イスラマバード覚書」を交わし、その約1週間後に戦闘が再開した。争いの焦点はホルムズ海峡の支配にある。イランは覚書第5項で事実上認められたホルムズ海峡支配の実現を図り、米国がこれに抵抗して争いとなった。

戦闘はまずイランが米軍支援の代替航路を通航する商船を攻撃して始まり、米軍によるイラン軍事拠点への報復攻撃と、イランによる湾岸諸国内の米軍施設への再報復攻撃、という形で展開している。双方の軍事攻撃の強度・範囲は増大・拡大し続け、また米側の対イラン海上封鎖も再開され、再び、ホルムズ海峡封鎖・対イラン海上封鎖という「経済的相互破壊」とイラン・湾岸諸国の「軍事的相互破壊」との間で揺れ動く、危険な状況となっている。

6月25日、イランはオマーン沖を航行中の貨物船をドローンで攻撃した。この船舶は23日にオマーンが国際海事機関(IMO)と調整して設定した「脱出回廊」の航路を通っていた。「ペルシャ湾海峡庁(PGSA)」を通じた一元的管理を主張するイランは、自らが一方的に設定したイラン領海内の北側航路の通航を、全商船に強要していた。この対商船攻撃を機に、米軍によるイランの軍事施設攻撃と、イランによる湾岸諸国内の米軍拠点などへの空爆とさらなる対商船攻撃という、報復・再報復の応酬が数日間続いた。

IMOはいち早く「脱出回廊」計画を中断したが、6月27日に米国主導の合同海事情報センター(JMIC)は東向きの「脱出回廊」の北にペルシャ湾に入る西向き航路を設定して双方通航とする、オマーン沖航路の拡張を発表。当航路の通航を米海軍が秘密裏に支援し、船舶自動識別装置(AIS)の電源を切った夜間航行を、駆逐艦からの交信で誘導した。6月下旬以降に南側航路の通航量は急増し、7月初めにかけて北側・イラン領海内航路を凌駕した。

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