【特集2 動き出した柏崎刈羽】柏崎市民にようやく笑顔戻る 信頼回復に向けた努力を評価
地元経済界が待ち望んだ再稼働がようやく実現した。
西川会頭は「正常化への第一歩」と喜びをにじませた。
インタビュー/西川正男(柏崎商工会議所会頭)
―6号機が営業運転を再開しました。
西川 東日本大震災の後、私たちは「原子力発電所の『正常化』」という言葉を使い、早期再稼働を求めてきました。発電所は運転状態が正常だと考えるからです。再稼働は正常化の第一歩でとても喜んでいます。同時に街の雰囲気が変わったと感じています。市民の表情にも笑顔が増えた気がしますね。
―東京電力の取り組みはどうでしたか。
西川 信頼回復に向けて地道に努力してきたと思います。テロ対策を巡る不適切事案の後には、担当者が会員企業を1社ずつ回りました。最初は厳しい声も多かったようですが、何度も顔を合わせるうちに、最後には期待の声を掛けてもらえるようになったと聞いています。発電所入口での稲垣武之所長のあいさつ活動も、いつしか東芝や日立といった関連企業も一緒に取り組むようになり、構内では東電社員以外もあいさつをしてくれるようになりました。「笑顔が増えた」というのは、東電や関連企業の皆さんにも言えることだと思います。震災後、社員の皆さんには何となく後ろめたさが付きまとっていたはずですが、ようやく元気を取り戻したように感じます。
―地元経済への期待は。
西川 再稼働によって今後は定期検査が行われます。運転が止まって以降、定検に携わっていた方々は、福島第一原子力発電所や青森県六ヶ所村に出向いてしのいできました。今後、他号機が動き出すことで、常にどこかの号機で定検を実施している状況になることを望んでいます。また来年には、柏崎駅前に東電の原子力部門の本社機能を備えた事務所が完成します。約200人が勤務するとのことで、地域経済にとっては確実にプラスです。
経済界主導で協議体を発足 街づくりデザインを官民で共有
―7月17日には新たな地域振興のための協議体「柏崎刈羽地域共創イニシアティブ」が設立されました。狙いは。
西川 発電所の正常化を求める活動に注力せざるを得ませんでしたが、もう一度、発電所を活用した地域振興を考える時です。地域全体の街づくりのデザインを共有しながら動いていくために、柏崎市、刈羽村、新潟県、国、東電も加わる形で協議体を立ち上げました。青森県や福井県にも同様の枠組みがありますが、それは国主導です。私たちが目指すのは地元主導です。若い世代が「自分の発言で街が動く」と実感できれば、柏崎はもっと元気になります。その道筋を描きたいですね。



