【フォーラムアイ】エネ事業縮小に危機感 ニチガスがインフラ工事サービスに着手

2026年8月4日

【ニチガス】

 総合エネルギー事業者を目指すニチガスが、電力、都市ガス、LPガスの「全方位」販売にとどまらず、新たなサービス提供に乗り出している。

北関東で空調設備工事や給排水工事を手掛ける北斗管工を今年1月に完全子会社化したほか、生活関連サービスを担うニチガスホームアシスト社の事業を本格展開している。狙いについて土屋友紀専務執行役員はこう説明する。「エネルギー販売だけではシュリンクするため、新たな商材やサービス開拓が必要だ。北斗管工を仲間にしたことで、ガスに加え空調や水道を含めた工事を一手に担える。一方で水回りの配管洗浄や修理に困っているお客さまが数多くいることがわかった。そんな問い合わせ先の一社になりたい」

ユーザーの困りごとに対応する

北斗管工は1971年に栃木県で設立以来、北関東中心に地場の工事会社として実績を重ねてきた。このグループ化で、ニチガスグループの日本瓦斯工事が持つガス工事技術と融合させ、ガス・空調・電気・水道などの生活回りのインフラ工事を一手に提供できる。一方、配管洗浄などの生活関連サービスを担うのがニチガスホームアシストだ。

特に配管洗浄は価格の設定が難しく、見積金額と実際の工事金額との乖離から、消費者とのトラブルが絶えない。そこで同社が展開する配管の洗浄作業は、「5万円を超えるケースもある中、『一律3万8500円』とシンプルに設定している。作業時間も90分から120分程度で終わらせるようにしている」(同)。緒に就いたばかりだが、実績を聞きつけて最近では他のLPガス事業者から「当社のお客さまにも対応してほしい」との声が寄せられているそうだ。

顧客基盤の強化にも注力 LPガス難民を防ぐ

加えて、顧客基盤の強化にも注力する。昨年3月には、千葉・茨城で約3000件にLPガスを販売し、100年以上の歴史を持つ老舗の門倉商店を完全子会社化した。

電力、都市ガス、LPガスの全200万件の契約数を持つニチガスにとって3000件は小さな数字だ。とはいえ、配送員不足などの課題を抱え事業継続が困難だった販売店の事業を引き継ぐことは「LPガス難民」を生み出さないためにも意義がある。ニチガスが得意とする配送の「合理化プラットフォーム」に乗せることで業界の課題解決に結びつける。「事業基盤を固めるためにも、お客さまの数を増やしサービスを開拓する必要がある」と土屋氏は強調する。