【特集2 産業用ヒートポンプ】脱炭素の先の電化策 産業用途を再設計
2026年10月3日
データ収集・分析が肝心 社内エンジニアの存在鍵に
甲斐田 産業用ヒートポンプは、残念ながらポンと置いて使える技術ではありません。工場内のどこから熱を回収し、どこへ熱供給すべきかといった事前の検討が必要です。これまでの省エネ活動とは求められるデータやスキルが異なります。
特に高効率なヒートポンプを導入しようとすると、生産プロセス周辺のデータが必要になりますが、外部に出せない情報が多いです。そのため、ベストは、社内エンジニア自身がデータの収集から分析、立案までをできるようになることです。
―政策的な要望は何ですか。
江原 産業用向けの割安な電気料金メニューがあればよいと思います。メリットが大きくなれば、設置は進むはずです。以前の蓄熱調整契約のように、特定の時間帯の電気料金を安くする仕組みを参考に、設備導入を促す価格帯を作ることを切に望みます。
甲斐田 欧州の電化行動計画のように、電力とガス、あるいは燃料の価格比の抑制につながる政策を期待したいです。
―ありがとうございました。

えはら・まこと(左) 1987年前川製作所に入社以来、各種市場の熱エンジニアリングに携わる。近年はヒートポンプ技術を用いた新しい熱の使い方を提案している。
かいだ・たけのぶ(右) 九大大学院工学府機械工学専攻修了。2011年電中研入所。IEAヒートポンプAnnex58委員などを歴任。


