エネルギーシステムの最適解 東京ガスグループの技術を結集

2021年1月1日

社会貢献果たすスマエネ 系統安定化にも寄与

松本 改めてスマエネにはどのような意義があると考えていますか。

菱沼 一つはエナジーベネフィットという視点。省エネによる経済効果、あるいはお客さま側の負担の軽減。エネルギー供給を担う設備は当社が管理するわけですから、お客さま側の設備投資や設備メンテナンスは不要になります。二つ目はノンエナジーベネフィットという観点です。分散型による災害に強い街づくりによって地域の価値を高める。地域経済の活性化や雇用の創出につながると考えています。

松本 なるほど。

菱沼 それだけではなく、社会全体への貢献という視点もあると考えています。

松本 どういうことですか。

菱沼 コージェネが大規模であればあるほど、全体の電力需要のピークカットに貢献しているということです。

松本 ピーク時における発電効率の悪い火力発電所の稼働を抑えることができる。

菱沼 そういうことです。ですので、社会全体のコストを下げる意味でも、そういった調整電源を使わないことに越したことはありません。将来的にはVPP(仮想発電所)によって系統全体への安定化に貢献するような取り組みも考えられます。あともう一点、社会貢献としての視点を加えるならば、防災拠点としての機能です。災害時に帰宅難民を受け入れるなどの機能を果たせば、大きな地域貢献となり得ると考えています。

松本 地元・栃木県からの期待も大きいのではないでしょうか。

菱沼 そう思います。災害時の停電などを経験することによって、工場が海外移転などを検討されてしまうと、自治体としても税収面や雇用面でも影響が生じてしまいます。そうした中で、分散型システムによってエネルギーの強靭化が担保されるのなら、行政のニーズも捉えた今回のプロジェクトにはそれなりの意義があると思っています。

エネルギーフロー図

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