【住宅】第三者の所有形態 多彩なPVプラン

【業界スクランブル】

固定価格買い取り制度(FIT)の認定対象から外れた自家用太陽光発電(PV)設置者は、新たな買取先と売電契約して余剰電力を買い取ってもらうか、自家消費に利用する必要がある。自家消費を優先するには、発電時間帯(午前10~午後4時)と需要時間帯(午前6~9時、午後5~10時)がずれているので、工夫なしでは自家消費比率は高まらない。

その方法としては、太陽光の電力で昼間に温水を作って蓄熱したり、蓄電池や電気自動車に充電して夜間・早朝に利用することが挙げられる。自家消費する電気代は現在、1kW時当たり約24円である。これから一般家庭でFITの活用(20年度の住宅用売電価格は1kW時当たり21円)で利益を上げようと太陽光発電を設置するケースは考えにくい。

現在は、コロナ禍によるテレワークで、家庭の電力依存が進んでいる。できれば自宅に太陽光発電を設置したいという人は多いのではないだろうか。そうした中、最近、電力自由化後の小売り電気事業者のPRに、太陽光発電の第三者所有モデルを呼び掛ける内容が見受けられる。このモデルの形態は、例えば屋根貸し顧客に対して電力供給サービスを志向するアグリゲーションビジネス形態で、一般住宅のほか商店、工場、公共施設なども含まれる。

また、太陽光発電に有利な一般住宅向けの10年間リース方式なども挙げられる。一般住宅が多く含まれる屋根貸し供給形態は10年間の供給契約で、その後は設置住宅に無償提供される。メニューを見ると、特定メーカーのパネルを設置して、太陽光発電分の30%までは電気代が割安になり、それを超えると少し割高で設定されているようだ。

さらに別の例として、自動車会社による電気自動車の割引販売とタイアップした小売り電気事業者による電気供給のメニューも見受けられる。このメニューには卒FIT家庭も対象に含まれると考えられる。住宅用太陽光発電の普及・活用を目指した、さまざまなメニューが出始めている。(K)

【原子力】六ケ所工場「合格」へ まず再稼働に全力

【業界スクランブル】

六ヶ所再処理工場の原子力規制委員会による安全審査は正式合格が近づいている。だが、その後の設工認や使用前事業者検査は事実上、原子力規制庁との共同作業であり、ガラス固化など過去の作業のやり直しなど膨大な作業発生も予想される。梶山弘志経済産業相はその六ヶ所工場を7月1日視察し、幹部・社員約100人に行った訓示で、「政府としては核燃料サイクルの方針を堅持していく。そのためにも再処理工場やMOX燃料工場の関係は極めて重要」と述べ、万全の態勢で完工を目指すよう求めた。

翌2日、梶山大臣は経産省内で大手電力10社と日本原電、日本原燃、電源開発の各社長と会い、関電問題に対応してコンプライアンス徹底に向けた電力業界全体の取り組みについて意見交換するとともに、プルトニウムの具体的な利用計画を可能な限り速やかに策定するよう要請した。特に、六ヶ所工場については完工が業界全体の重要な課題と述べた上で、「回収されるプルトニウムがしっかりと利用されていくことを国内外に示すことが重要」と指摘。日本が約45.7t(2018年末)保有するプルトニウムの利用計画の早期策定を求めた。

しかし、具体的アクションとして現実の課題は少なくない。電源立地地域の地元事情や国の原子力政策、国会運営に精通するある有力代議士は、「ガラス固化などでさんざん苦労した六ヶ所村での再処理が労苦を重ねた上でいよいよ許可を見通せる状況となり、竣工のゴールが見えてきた今日、軽水炉の再稼働を本気になって強力に進めないといかんなあ」と語っている。

既存の原発は9基が再稼働したが、訴訟リスクやいわゆる特重問題などのため、そのうち4基が停止中で足踏みをしている。現状はプルトニウム利用の実を挙げておらず、いわば魂が入っていないことの証拠ではないか。立場やスタンスの違いを超えて再稼働に強力に取り組むことが、資源小国わが国の進む道であり、エネルギーの安定供給、地球環境保全のためにますます重要になっている。(Q)