小笠原 アップルやグーグルといった大手テクノロジー企業は、RE(Renewable Energy Certificate/米国・カナダで発行される再生可能エネルギー電力証書)だけではなく、自社でも再エネを調達する方針です。電源選択で再エネのみのニーズが高まるのは、少し歪んだ構図かなと感じてしまいます。
荒金氏は「『高速道路がないとだめだよね』と実感してもらえるようなユースケース(活用事例)を増やしていきたい」とも強調。IOWNのグローバル展開に向けた仲間づくりも重視し、「企業が垣根を越えて連携し、エコシステム(生態系)を拡大したい」と述べる。そうした狙いでNTTはソニーグループ、米インテルなどの有力企業と20年に「IOWN Global Forum」を立ち上げ、6月時点で140を超える企業や団体が参加。この中で技術仕様の議論も進めている。ビジネスを加速させたいという声にも応えており、トヨタ自動車や日立製作所、中部電力などの主要企業が名を連ねる。
A 余力活用とは、発電事業者などが提出する発電計画に対して、計画に支障を与えない範囲で出力の運用上限~運用下限の間を調整力として使用することです。昨年度まで一般送配電事業者は、周波数調整・需給バランス調整、系統運用などを目的として、電源Ⅱなどの契約に基づきゲートクローズ後の余力を活用していました。今年度以降、容量市場の開設にあわせて、電源Ⅱなどの公募契約を廃止し、発電事業者などと送配電事業者で「余力活用に関する契約」を締結しています。
A 炭素制約が強まる中、日本のエネルギー企業も排出削減対策に取り組んでいますが、合成メタンもその一つです。合成メタンの導入は熱需要の脱炭素化、エネルギー調達多様化によるエネ安保への貢献などの狙いが期待されています。他方、パリ協定の下では全ての国が国別目標を設定し、排出量を管理するため、合成メタンの普及拡大には、そのCO2削減効果の帰属に関する国レベルのCO2カウントルールの整備が不可欠です。