【北陸電力】
太陽光パネル廃棄ガラスの課題解決のため開発された「インターロッキングブロック」。
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)のパビリオンでお披露目となる。
現在、カーボンニュートラルの取り組みの一環で、太陽光発電の建設が進んでいる。一方で、発電の役割を終えた太陽光パネルが2030年代には年間50万~80万t程度発生すると見込まれており、社会問題となりつつある。
北陸電力は、この課題を解決すべく太陽光パネルの廃棄ガラスと、石炭火力発電所で石炭を燃やしたあとに発生する石炭灰「フライアッシュ」を混合してつくる「インターロッキングブロック」を開発した。このインターロッキングブロックの品質や開発の背景が評価され、25年に開催される大阪・関西万博の電気事業連合会のパビリオン「電力館 可能性のタマゴたち」において、構内舗装約1000㎡(約5万個)にインターロッキングブロックが採用されることが決まった。

火力発電の廃棄物混合 ASR抑制で耐久性アップ
コンクリート製品は、大きく分けてセメント・水・骨材(砂・砂利)でつくられている。コンクリートの原料として、砂部分をガラスで代用する製造方法があるが、ガラス質が増えることで、骨材とアルカリが反応し、骨材が膨張する。これにより、コンクリート表面にひび割れが発生してしまう劣化現象「アルカリシリカ反応(ASR)」のリスクが高まる。
フライアッシュにはASRを大幅に抑制する効果があり、コンクリート製造時に混合すると耐久性が上がることが確認されていたことから、同社産のフライアッシュを混合したインターロッキングブロックの開発に至った。
北陸地方で採れる砂利にはガラス質が含まれていることが多く、コンクリートのASRが起きやすいといわれている。同社は、水力発電比率が高く、発電に必要となるダムなどのコンクリートにもフライアッシュを利用しており、土木工事におけるフライアッシュの利用拡大に向けて、ASRを抑制する研究を以前から進めてきた。
11年1月には同社の声掛けにより、産学官連携による「北陸地方におけるコンクリートへのフライアッシュの有効利用促進検討委員会」を設立。ASR抑制と、地域で持続可能な廃棄物の利用方策という双方の観点から、フライアッシュの有効活用を進めてきた。


インターロッキングブロックの仕様は、長さ20㎝×幅10㎝×高さ6㎝。ガラスの混合率は、表層で砂の50%、基層で砂の10%、フライアッシュの混合率は、セメントの20%としている。一定の強度を維持したまま、太陽光パネルの廃棄ガラスを混合したコンクリート二次製品が誕生したのだ。
土木建築部土木技術チームの参納千夏男統括課長は、「大阪・関西万博のパビリオンで当社が開発したインターロッキングブロックが採用されることは大変意義深い。今回、ブロックに使用される廃棄太陽光パネルは約700枚、廃棄ガラスとしては約8tを有効活用することができる」と話す。
廃棄ガラスの使い道 SDGsにも貢献
インターロッキングブロックは美観に優れており、表層部に顔料を混合することで色味の変化も楽しめる。家のエントランスや公園の歩道などにも最適だ。
「インターロッキングブロックは、廃棄ガラスの有効活用という社会課題の解決を図るとともに持続可能な社会構築にも寄与できることから、非常に大きなポテンシャルを持っている」(参納氏)
30年代に入ると、12年の固定価格買い取り制度(FIT)開始に伴い導入された太陽光パネルが一斉に寿命を迎える。北陸電力は太陽光パネルの大量廃棄を見据え、同製品のさらなる品質を向上するとともに、商用化を目指すとしている。












