【永田町便り】福島伸享/衆議院議員
10月23日、6月から続いた長い長い国会議員の夏休みがようやく終わり、岸田文雄首相の所信表明演説で臨時国会の論戦の幕が開いた。
この所信表明演説でエネルギー政策が論じられたのは2カ所だけ。冒頭「エネルギー政策の転換…をはじめ、時代の変化に応じた先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、結果をお示ししてきました」と胸を張ったが、原発の再稼働への道を開いただけで、現下のわが国の厳しいエネルギー供給構造を解決する何らかの結果が示されたわけではない。
もう一カ所は、「9月には、年内の緊急措置として、リッター175円をガソリン価格の実質的な上限とするため補助を拡大しました。この措置を電気・ガス料金の激変緩和措置と合わせて来年春まで継続します」とのバラマキ継続宣言だ。
エネ価格補助を追及 岸田首相は答弁できず
もとより、円安の流れは止まらず、ロシアとウクライナの戦争に端を発した世界的な物価高やエネルギー供給危機の状況は変わっていない。この岸田首相の所信表明演説の前には、イスラエルとハマスの間の戦闘が始まり、中東情勢ばかりか世界全体の情勢は極めて不透明になっている。かつてのオイルショック以上のことが起き得ると警戒しなければならない。そうした緊迫した日本のエネルギーを巡る環境の中で、岸田首相の所信表明演説はあまりにも能天気すぎるのではないか。
昨年11月の臨時国会の予算委員会で、私は岸田首相に「今回のこれ(エネルギー価格高騰)は、ある意味チャンスと捉えなくてはならないかもしれない。カーボンニュートラルにいく良いチャンスなんですよ。それを、電気代やガス代の補助によって潰してしまっている可能性もあるんです」と訴え、1973年の第一次オイルショック時の田中角栄内閣が、石油緊急対策で総需要抑制対策をやって、徹底した省エネをやることによって、日本は世界一の省エネ国家になり、原子力産業が発達したことを紹介した。
この議論に対して、岸田首相は「ちょっと答えるのが、なかなか難しくなってまいりました」とまともな答弁はできなかったのだ。岸田首相は、世界の情勢に照らしたわが国の抱えるエネルギーの困難な構造的な問題を、はなから理解しておらず、それを解決するための骨太の政策をつくる気がないのだ。
8月号の本コラムで私は「これまで見てきた政権では、一度解散のチャンスを逃した政権に二度目の解散のチャンスはやってこない」と書いた。今後の中東情勢次第では、近々ガソリン代補助のような的外れな政策では全く対応できないような荒波が襲ってくる可能性もある。
その時まで、果たして岸田政権が続いていいのか。われわれ与野党の国会議員は真剣に考えなければならない。












