経済産業省は5月19日、北海道電力、東北電力、東京電力エナジーパートナー(EP)、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の7社による規制料金の値上げ補正申請を認可したと発表した。各社の標準モデル家庭で見た上げ幅は12.9~41.1%。大手7社は昨年11月から今年1月にかけて、27~43.5%の値上げを申請していたが、今年に入り石炭やLNGなどの燃料価格が大きく下落。電力・ガス取引監視等委員会の審査や経産省と消費者庁の協議、政府の物価関係閣僚会議による査定方針の決定などを経て、7社は5月16日に補正申請を行っていた。値上げは6月の使用分から実施し、7月の請求分から反映される。

北海道と東京を除く5社は当初、4月1日からの料金見直しを想定していたが、実施時期が6月にずれ込んだことだ、事業者によっては収益面で数十億円規模の影響が出ているとみられる。一方、対象エリアの利用者にとっては、例え2カ月のずれ込みとはいえ、相応の負担軽減にはなっているもようだ。これとは別に、電気料金に上乗せされている「再エネ賦課金」が今年4月から標準家庭で月額800円強ほど引き下げられたほか、政府の負担軽減策によって家庭向けで1㎾時当たり7円が補助されている。このため、実際の負担はさらに軽くなる見通しだ。
電力7社のトップは16日に相次いで会見。東電EPの長﨑桃子社長は「電気がお客様の暮らしやビジネスの基盤であると認識し、徹底した経営効率化に取り組み、事業運営を推進する」と述べた。また、東北電力の樋口康二郎社長は「大幅な値上げとなり、大変なご負担をおかけすること、誠に心苦しい限りだが、ご理解くださるようよろしくお願いしたい」と料金値上げに理解を求めた。
中でも沖縄電力、北陸電力の2社は値上げ幅が大きく、標準家庭の場合、沖縄電力が2771円、北陸電力が2548円の値上げとなった。沖縄電力の本永浩之社長は「燃料がこれまでにないぐらい高騰した。それを料金で回収できない状況が去年の4月からずっと続いていた」と苦渋の決断であることを明かし、北陸電力の長高英常務執行役員は「石炭を中心とする化石燃料価格の高騰の影響が大きく響き、結果として料金の値上げ幅が大きくなってしまった」と説明した。
電力大手7社の規制料金(標準家庭)の値上げ状況は、次の通り。
【北海道電力(従量電灯B、契約電流30A、使⽤電⼒量230kWh/⽉の場合)】現行料金:8391円、値上げ後の料金:1万287円、当初申請時の料金:1万1229円、値上げ額:1896円(22.6%)、当初申請時の値上げ額:2838円(33.8%)
【東北電力(従量電灯B、契約電流30A、使⽤電⼒量260kWh/⽉の場合)】現行料金:8032円、値上げ後の料金:1万142円、当初申請時の料金:1万1282円、値上げ額:2110円(26.3%)、当初申請時の値上げ額:3250円(40.4%)
【東京電力EP(従量電灯B、契約電流30A、使⽤電⼒量260kWh/⽉の場合)】現行料金:6809円、値上げ後の料金7690円、当初申請時の料金:1万1737円、値上げ額:881円(12.9%)、当初申請時の値上げ額:2611円(28.6%)
【北陸電力(従量電灯B、契約電流30A、使⽤電⼒量230kWh/⽉の場合)】現行料金:6200円、値上げ後の料金:8748円、当初申請時の料金:9098円、値上げ額:2548円(41.1%)、当初申請時の値上げ額:2696円(43.5%)
【中国電力(従量電灯B、契約電流30A、使⽤電⼒量260kWh/⽉の場合)】現行料金:6053円、値上げ後の料金:7720円、当初申請時の料金:1万428円、値上げ額:1667円(27.54%)、当初申請時の値上げ額:2399円(29.88%)
【四国電力(従量電灯A、契約電流30A、使⽤電⼒量260kWh/⽉の場合)】現行料金:7382円、値上げ後の料金:9537円、当初申請時の料金:1万120円、値上げ額:2155円(29.2%)、当初申請時の値上げ額:2818円(27.85%)
【沖縄電力(従量電灯、契約電流30A、使⽤電⼒量260kWh/⽉の場合)】現行料金:8314円、値上げ後の料金:1万1085円、当初申請時の料金:1万2320円、値上げ額:2771円(33.3%)、当初申請時の値上げ額:3473円(39.3%)

















