【電源開発 加藤社長】大間の工事本格再開へ 現実的トランジションで 次代エネルギーを支える
中東情勢を機にエネルギー安全保障の重要性が改めて浮き彫りとなった。
既存電源の活用も含めた現実的なトランジションを模索しつつ、最大の課題・大間原子力を次の段階へ進める。
【インタビュー:加藤 英彰/電源開発社長】

井関 4月に社長に就任されました。故菅野等前社長からどのような思いを託され、経営に臨みますか。
加藤 菅野前社長とは、企画担当役員として日頃から経営課題について共に悩み、経営戦略や計画について議論してきました。そのためか、社長という職責を託される際には特に具体的な指示はなく、ただ「あとを頼む」と言われ「頑張ります」と答えました。当社の事業領域は時間軸が極めて長い設備産業であり、扱う商材は公共性の高い電力です。それにもかかわらず、ますます短期的な意思決定を求められる状況にあり、このジレンマをどう共存させて経営のかじ取りをしていくかが難題です。覚悟はしていたとはいえ、社長を支える立場と全責任を負う立場では重圧が全く違うと実感しています。きちんと課題に向き合い、的確に経営判断していきたいと考えています。
井関 これまでの会社人生で印象に残っていることは。
加藤 新入社員として最初に配属されたのが、松浦火力1号機の建設最終段階の現場で、とても活気のある現場でした。まさに「電源開発」という社名を体現する仕事を入社早々体験できたことが印象深いですね。その後、豪州の炭鉱権益取得、2004年の完全民営化、そしてカーボンニュートラル(CN)に向けた「BLUE MISSION2050」の策定など、会社の重要局面でさまざまな仕事に携わってきました。
井関 事業環境が不透明さを増す中で、どのような会社を目指していきますか。
加藤 当社は、他の電力会社ができないことに取り組むことを目的とする特殊会社として設立されたという経緯があります。だからこそ、さまざまな国・地域でバランスの取れた設備構成と事業ポートフォリオを築くことができました。先行きは不透明ですが、AI社会は電気がなければ成り立ちません。どのようなアセットの持ち方をすれば、発電の価値を最大化できるかは、国や地域によって異なりますので、先進国ではアセットの新陳代謝を追求し、東南アジアではPPA(電力販売契約)付きのガス火力や水力開発に取り組むといった具合に、それぞれの環境にとって最適なアセットを選択することが求められます。


