【記者通信】第2次高市改造内閣が発足 「サナエ色」封印に燻る火種

2026年9月17日

対米手腕評価の赤沢氏 環境・復興は火種も

エネルギー関連では赤沢亮正経済産業相を留任させた。エネルギー業界内では交代との噂も流れたが、赤沢氏と高市首相は「昵懇の仲。高市首相が本音で話せる数少ない閣僚だ」(官邸筋)との評価であり、留任は当初から決まっていたとされる。赤沢氏は米トランプ政権との関税交渉で合意した対米投資を推進している。流動的な対米関係を継続的に対応できることが買われたのだろう。

長引くホルムズ海峡危機などエネルギー問題でも継続性が重視される。ガソリン補助金の道筋や、電気料金の高止まりなど国民生活にも影響が出る難問への対応は新任大臣では難しいと判断したところもありそうだ。

環境相には笹川博義氏が就任した。笹川氏は副大臣も務めており「省内事情、環境行政にも精通している人物」(環境省関係者)と歓迎する向きが多い。

ただ復興相に細野豪志氏が入ったことにより「長年福島に携わっている細野氏との調整が必要で、しかも細野氏は福島には一家言ある人だけにあつれきが生まれやしないか注視する必要はある」(復興事業関係者)と不安を口にする。

留任者にも懸念材料 小泉防衛相を巡る問題とは

留任した大臣にも懸念材料がある。小泉進次郎防衛相だ。何かとお騒がせの人物ではあるが表だった失点は減っているが、その裏で閣僚として疑問視される行動もあるという。

小泉防衛相は通信内容を暗号化するアプリ「シグナル」のチャットを駆使して海外の防衛担当閣僚とやりとりしているというのだ。

シグナルは匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が犯罪に用いるアイテムで、トランプ政権の閣僚がシグナルのチャットで機密情報をやりとりし、それが外部に漏れるなど不適切な使用が問題視されたチャットだ。機密情報を扱う防衛相なら問題ないとの見方もできそうだが、一方で政治の透明性と公文書管理の観点からは議論の余地がある。

ある防衛省関係者は「突然、海外の要人との会談がセットされたり、指示が降りてきたりと経過がまったくわからないまま動かされる」と不満げだ。

防衛省の官僚がその内容を把握できていない状況は、まさに政策決定の混乱を象徴している。突然指示が飛んでくる状況は、国の安全保障に関する問題だけにあまりにも無責任といわざるを得ない。政治の透明性や公文書管理の側面から問題が噴き出すかもしれない。

片山さつき財務相には消費税減税法案の財源問題がのしかかる。12月中ごろまでには財源を示すと明言しているが、概算要求が膨らんでいることなどから、赤字国債なしに財源を示せるのかどうか未知数だ。国債発行となれば高市首相が重視する「政権公約」に反することになり、政権基盤が揺らぐ。

秋の臨時国会は二つの法案を巡り、大荒れになることが予想される。参議院で与野党協議や国会運営で実力を発揮していた石井準一参院幹事長を交代させた影響がどう出るか。

改造人事は、果たして吉と出るか凶と出るか。

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