
カンボジアでの紛争解決活動、松下政経塾を経て政界へ進出した。
立憲民主党のイメージ刷新へ、若手・中堅議員と連携。マクロな視点での政治を訴える。
実家は静岡県内で「源馬の塩辛」として愛される老舗塩辛屋。浜松市で生まれ育ち、成蹊大学法学部を卒業。当時は国連などの国際機関で働きたい思いがあった。アメリカ留学で国際関係学を専攻すると、国際平和と紛争解決学に関心を持つようになり、帰国後は紛争予防に関わるNGO、日本紛争予防センター(現・REALs)に入社した。外務省からの外部委託専門家としてカンボジアに赴き、小型武器回収プロジェクト立ち上げなど平和活動に尽力してきた。
「1万2000丁を超える武器を回収し、活動に自信を持っていた。しかし武器はそれ以上にカンボジアに入ってきた。世の中の仕組みを変えなければ、平和な社会は実現できない」。世の中の仕組みを整える政治家を志すと、松下政経塾に入塾。静岡県議を経て国政に打って出た。静岡8区は文部科学相、自民党総務会長などを歴任した塩谷立議員が、長年にわたり議席を守っていた。12年の衆院選立候補から有権者一人ひとりに声をかけ続け、少しずつ支持を広げると、17年には比例東海ブロックで初当選。21年には小選挙区で勝利を果たした。「私の世代は企業での働きに加え、子育てや親の介護を抱えるど真ん中の世代。同じ課題を持った有権者から思いを託してもらった」と自身への期待を分析。日本の中核を担い、社会のリーダーとして働く同世代の声を届けたいと話す。
国会議員としては予算委員会に所属。党首討論と並んで与野党における国会論戦の花形だが、批判によるパフォーマンスではなく、政策による論戦が重要だと語る。これまでの海外経験を生かし、政府外交の考え方も野党として追求。NGO活動を行ってきたカンボジアを例に挙げ、公正な選挙が行われないカンボジア与党独裁政権に対し、日本政府がODAによる多額の支援を続けていると苦言を呈した。日本外交について「はっきりしたスタンスを示さず、間違ったメッセージを与えかねない場面がある」と警鐘を鳴らす。
洋上風力公募の入札疑惑を追及 政治との癒着を痛烈に批判
エネルギーについては「自前のエネルギーを確保すること」「環境にとって持続可能なエネルギーであること」の2点を重視する。エネルギー確保の観点では、多様な供給先の確保と安全保障の重要性を指摘する。22年には立憲民主党国際局長としてドイツ大使館と面談。欧州のエネルギー政策について意見交換を交わしてきた。「再生可能エネルギーの活用を優先するドイツ『緑の党』でも、原子力発電所の再稼働を認めるなど、現実的なエネルギー政策を行っている」。ウクライナ情勢によるエネルギー危機を前に、環境政策を重視するドイツが、ロシアからのエネルギー依存脱却に原発再稼働という現実的な選択肢を取った点を評価。エネルギーを一国に依存せず、バランス良く確保する政策は日本も見習うべきだと話す。
サステナブルの観点では、浜松市が日本全国でもトップクラスの日照時間を誇るため、太陽光発電に注目、期待を寄せている。また、車社会である浜松市出身として、日本が技術的優位性を持つハイブリッド車(HEV)、合成燃料の活用推進を呼びかける。そのほか、2月の予算委員会では、洋上風力発電の入札制度に関する疑惑を追及。衆議院議員の秋本真利容疑者による入札の評価基準見直しまでの流れを問いただした。洋上風力事業は自国産エネルギーの確保につながるとして、企業参入を推進する考えで、一連の騒動については「政治家が介入し、ルールを勝手にねじ曲げることはあってはならない」と痛烈に論じた。今後は洋上風力で利益を得る国民、消費者がどう受け止めるかが大事だとして、マイナスのイメージを払しょくするために、政府による丁寧な説明が重要になると話す。
座右の銘は「一燈照隅、万燈照国」。天台宗の最澄が説いた言葉として知られており、隅を照らす小さな光でも、集まれば国全体を照らすことができるという意味を持つ。その座右の銘を具現化するのが、自身が事務局長を務める立憲民主党内の派閥「直諫の会」(会長・重徳和彦衆議院議員)だ。
党内の若手・中堅議員が集結し、将来世代のため医療制度改革、年金制度改革などの政策を提言する。先日、メンバー15人による共著「どうする、野党!?」の出版を発表し、批判ばかりと言われがちな立憲民主党イメージの刷新を訴えた。
「現在の立憲民主党は、旧民主党系列ではない4期生以下の議員が全体の6割を占める。政策で与党と対決できるよう、野党第一党として立て直しを図りたい」。保守・リベラル、改憲・護憲と言った色分けにとらわれず、マクロな視点で政治を行うことが目標だ。確かな実務で党の未来を担う政治家として、これからも愚直に政策を訴えていく。



