〈業界人編〉電力・石油・ガス
今年も国内外で大きな変化があった。日本のエネルギー政策は荒波を乗り越えられるか。
─初の女性首相誕生から1カ月が経過した。安全保障や財政を巡る国会答弁が話題を呼んだが、エネルギー政策はどう見ているか。
石油 正直、まだよく分からない。原子力は再稼働と次世代炉開発の推進、メガソーラーは規制すると言っているが、具体的な方策はまだ出てきていない。
電力 原子力には前向きなので、大手電力会社は期待しているだろう。一方、自前の再生可能エネルギーを展開する新電力などは、どんな規制になるのかと懸念を抱いている。いま表に出ている話は、核融合やSMR(小型モジュール炉)、再エネ国産化、メタンハイドレート開発といった中長期的な話ばかり。どれも重要だが、任期中にどんな成果を上げられるかは未知数だ。ガソリン税の旧暫定税率の廃止や電気・ガス料金補助を実施するが、これは「物価高対策」としての位置付けだ。
石油 暫定税率の財源問題はどうなるのか。今年は埼玉県八潮市で痛ましい道路陥没事故があった。インフラの修繕費用は足りていない。恒久財源を赤字国債で賄うのはあまりに無責任だ。
ガス 赤沢亮正経済産業相はエネルギーの専門家ではないが、政策の飲み込みがかなり早いらしい。それにアメリカのラトニック商務長官との関係性を見て分かるが、冗談を言って場を和ませるのも得意だ。まずは原発再稼働をしっかりと進めてほしい。それが物価高対策にもなる。
石油 柏崎刈羽原発の再稼働が秒読み段階に入ったが、朝日が11月7日に1面で県民意識調査の結果を報じた。3面には「柏崎刈羽、県民意思とは 30キロ圏内、『拒否感が強い』」とあったが、この見出しはおかしい。確かに野党系県議は再稼働に「拒否感が強いことが分かった」と言っているが、調査結果は拮抗している。再稼働に反対という「意思」を強く感じさせる見出しだ。毎度言っているが、再稼働させない場合にどう安定供給を実現するのか、現実的な対案を出してほしいね。
サハリン2は大丈夫か NOと言える日本
─2025年度上期の中間決算が出そろった。皆さんの業界はどうだった?
石油 堅調だが先行きの不透明さは増している。ENEOSは合成燃料(eフュエル)の商業化計画を一時的に見合わせた。1ℓ当たり700円では採算が合わないからだ。『選択』11月号の記事で話題の宮田知秀社長はその辺りの判断がシビアだ。
ガス 電力・ガスは為替や期ずれの影響で好決算が目立つ。ただ、余力が生まれたところで、投資先がなかなか見当たらない。水素もアンモニアも収益化が見えてこない。





