NEWS 01:革新炉WGが1年ぶりに再開 ロードマップの具体化に着手
次世代革新炉の開発に向けた政府の動きが活発化してきた。10月3日、総合資源エネルギー調査会革新炉ワーキンググループ(WG)が約1年ぶりに開催され、技術ロードマップの具体化への議論に着手したのだ。
同WGは「わが国の炉型開発に係る道筋を示す」ことを目的に、関係者へのヒアリングを通じて、研究開発を進める上での目標時期を設定する技術ロードマップの策定作業を進めていたが、第7次エネルギー基本計画の策定を前に一時停止していた。エネ基の内容や海外での小型軽水炉開発の進展などを踏まえ具体化に向けて再始動した形だ。

この日は、次世代革新炉のうち実用化が近いとされる革新軽水炉と小型軽水炉に焦点を当て、開発を進める各メーカーが技術開発の進ちょくや今後の見通しを説明。三菱重工業はSRZ―1200について、基本設計がおおむね完了しており、立地が決まれば詳細設計に移行可能な段階にあることなどを報告した。
委員からは期待の声が寄せられた一方、5種類の革新炉は開発段階が異なるため、技術ロードマップの精密化が必要といった課題も指摘された。
関西電力が美浜原発の適地設置に向けた自主的な現地調査を再開したことで、業界の期待感は高まっている。こうした新設の機運を後押しするためにも、政府が次世代炉の開発に道筋を付けることが重要だ。
NEWS 02:ガス保安を巡る議論が再燃 新規参入側が課題提起
「ガス小売り全面自由化前にけりが付いた論点ではないのか」
10月7日に開催された総合資源エネルギー調査会ガス事業環境整備ワーキンググループ(WG)の第2回会合後、大手都市ガス会社の関係者はこう漏らした。新規事業者から、ガス保安に関する業務負担が参入伸び悩みの一因との意見が出たことを受けての発言だ。
同WGは、ガスシステム改革の検証を目的に、ガス小売り自由化を含む9項目について、各事業者へのヒアリングを実施することになっている。その初回の同日は、小売り全面自由化がテーマだった。既存事業者として大阪ガスと広島ガス、新規事業者として東京電力エナジーパートナー(EP)とENEOSパワーが参加した。
既存事業者は、燃料転換を後押しするための需要家設備投資支援や、導管・供給設備の新増設につながる環境整備の必要性を主張。一方、新規参入者側からは、保安体制の確保に関する意見が相次いだ。東電EPは、開栓作業や大規模災害対応に必要な要員の確保に苦慮していると説明。ENEOSパワーも、都市ガス小売り事業の参入者が約40社と、電力の約700社と比べ少ない実態を挙げ、保安要員や災害対応要員の確保の難しさが、参入のハードルの一因になっているとの見方を示した。
全面自由化前、「保安は参入障壁ではなく覚悟」と語った審議会委員がいた。実際、これまでに保安に関わる重大な事故は発生していない。新規事業者が保安責任を着実に果たしてきたためであることは明らかであり、これを制度改革の成果と評価することもできる。保安業務の負担の大きさから、参入者側は緩和を要求した形だが、WGでガス保安のあり方がどんな着地を迎えるか、注目される。
NEWS 03:火力の廃止ラッシュ 需要家は電源確保に危機感
火力発電事業者が老朽火力の廃止を立て続けに発表している。JERAは9月30日、5基合計325・4万kWの廃止を公表した。同社は新設・リプレースの実施状況を踏まえて廃止しており、電力安定供給への影響はないとしている。
ただ、排出量取引制度の開始で一層のCO2削減圧力がかかる中、データセンター(DC)などの需要増を満たすべく必要なエリアで必要な規模の設備投資がタイムリーに行われるか、見通せる状況とは言えない。
同社が廃止するのは千葉県の姉崎5・6号機(LNG)、袖ケ浦1号機(LNG)、愛知県の知多5号機(LNG)、福島県の広野2号機(石油)で運転開始から45~51年の設備だ。廃止と並行して2020年以降、731万kWの新設・リプレースを実施している。さらに29年度運開予定で知多7・8号機(約132万kW)を新設し、32年度以降の運開に向け袖ケ浦新1~3号機(約260万kW)の新設を検討している。いずれもLNG火力だ。
他社からも火力廃止の発表が相次ぐ。関西電力は26日、和歌山県にある石油火力の御坊1号機を来年6月末、2号機を今年10月末までに廃止すると発表した。合計で120万kWの設備が役目を終える。
そして東北電力は10月1日、新潟5号系列(天然ガス、10・9万kW)を28年3月に廃止予定と発表した。これで新潟火力は全設備がなくなり、地点としても廃止する見込みだ。
こうした状況下、最近ではDCなどの新規大口需要家が電力調達への危機感を示し、脱炭素電源に限らず、ガスエンジンなど自家発の検討の可能性を口にし始めている。日本でも需要家が電源新設にコミットする時代が近づいている。
NEWS 04:再エネ対応で省庁連絡会議 乱開発の歯止めとなるか
北海道釧路市などのメガソーラーを巡る乱開発が大きく報じられる中、さらなる地域共生と規律強化に向け、政府が新たに関係省庁連絡会議を設立した。幾度のFIT法改正を経ても一向にトラブルは収まらないが、新たな会議体は有効な手立てを示せるのか。

9月24日に初会合を開いた。文部科学省・文化庁、農林水産省・林野庁、経済産業省・資源エネルギー庁、国土交通省、環境省の担当課・室長らが参加。環境省とエネ庁が事務局を務める。初回は、釧路の問題に関する現状や課題、環境省や文化庁、林野庁所管の法令での対応状況の報告があった。事務局からは、全国の太陽光発電事業に関する地域共生上の課題や、自治体での規制条例の策定、地域共生の取り組み状況を共有した上で、各省庁に対し法令での規律強化などの対応の検討を求めた。
浅尾慶一郎前環境相は26日の会見で、「しっかりと地域と共生しながら、促進するところは促進し、抑制すべきところは抑制することが重要であると考えており、制度的な対応の要否も含めて関係者間で速やかに議論してまいりたい」と意気込んだ。
太陽光トラブルに悩む自治体関係者からは「自然環境の改変を伴う開発は国が責任を持って禁止するほどの意気込みを見せてほしい」といった意見が出ている。こうした切実な声に今度こそ政府は応える必要がある。(覆面ホンネ座談会に関連記事)




















