【業界スクランブル/火力】
非効率石炭火力のフェードアウトに関し、国の委員会での検討が始まった。
国からの説明によると、全部で140基ある石炭火力のうち114基が非効率石炭火力とされ、そのフェードアウトについてはエネルギー基本計画に明記されているという。確かにエネ基には「非効率な石炭火力発電(超臨界以下)のフェードアウトに向けて取り組んでいく」という記載がある。
2000年以降に建設されている大型設備は、ほぼ高効率の超々臨界圧発電(USC)となっており、「超臨界圧(SC)以下は非効率」という定義は、新設の規制としては分かりやすく、エネ基の「新設の制限」という文言にも合致している。しかし今回の検討で、この定義をいきなり既設にも当てはめようとしたことが大きな混乱の元となっている。
USCは、SCの中で蒸気温度が593℃以上のものを指すとJISで決められているが、両者にそれ以外の差異はない。実際、事業者からのヒアリングでも設備構成の違いや改造により熱効率が逆転する場合があると報告されており、国からも「非効率」石炭火力の定義を型式から熱効率ベースに見直すという方針が示された。この方針転換は、極めて妥当なものであるが、ではなぜ最初からそうしなかったのだろうか? 性能差はほとんどないにせよ、型式として区別されるSC20基余りを非効率とすることで「100基超フェードアウト」というインパクトを優先させたのではと邪推してしまう。
さて、指標を熱効率にしたとしても、バイオマスや副生ガスの混焼、熱の利用などをどのように補正するか、また再エネ拡大のための出力抑制による熱効率低下を正当に評価できるのかなどについて、以前から省エネ法の議論で指摘されていたにもかかわらず結論を出すに至っていない。
立ち止まらず前に進んで行けと言われても、過去の議論を蒸し返すばかりでルールすら決まらないのでは、事業者として対応のしようがない。 (M)







