政情より私情? 石破人事に疑念の声
7月20日に投票を迎える参議院選挙。記事執筆の7月中旬にはまだ結果が出ていないものの、自公連立政権には厳しい結果になりそうだ。そして選挙中から自民党で話題になったのは、石破茂首相の度量のなさだ。その表れの一つが人事だ。
現在の政権の重要課題は米国のトランプ政権との関税・貿易交渉だ。7月時点でトランプ大統領は、日本からの輸入品に対して8月1日から25%の関税を課すことを自身のSNSで明らかにした。実は、自民党内や霞が関の官僚団で「交渉を担当すれば」と期待されていたのが、かつて石破派にいたS議員だ。経産官僚出身、同省大臣も務め、米国との通商交渉の経験も長い。しかし石破首相は、担当者に側近のA大臣を選び、主担当であるM大臣も飛ばした。もちろん米国側の主張が不当とはいえ、交渉は難航した。コメ価格の高騰でも、農水相を務めたS氏の登場を期待する声があったが、首相は小泉進次郎氏を担当大臣にした。
内政でも選挙公約で突如、自民党は「違法外国人ゼロ」を掲げた。しかし党内で厳しい外国人管理政策を主張したY元法相を、政府の要職に就けていない。S氏、Y氏とも岸田文雄首相が選ばれた2020年の総裁選で石破首相への支持を見送った。それをいまだ根に持っているらしい。
また以前、支持をしたK元経産相、旧石破派のT議員などにも政府の重要ポストを渡していない。自民党関係筋は「首相の器の狭さでは必ずいつか大きな失敗をするし、党もまとまりがなくなる」と懸念する。エネルギー政策に悪い形で波及しなければいいが。

東電・原電の社長人事 再稼働後に同時交代?
日本原子力発電の村松衛社長の後任に、東京電力ホールディングス(HD)執行役副社長の永澤昌氏が就くのではないかとの観測が、電力業界関係者の間で広まっている。
永澤氏は、旧東電の企画畑のエースで、優秀な人物との評。22年から東電リニューアブルパワーの社長を務めていたが、去る6月の人事で東電HDに副社長の立場で戻ってきた。代表執行役副社長の酒井大輔氏と並んで、小早川智明社長の後任候補と見る向きもあるが、永澤氏が原子力事業に精通していることや東電役員を巡る諸事情を踏まえると、「個人的には村松氏の後継になるのではないかと考えている」(元東電企画畑出身のA氏)。同じく東電の有力OBであるB氏も、同様の見立てだ。
村松氏は旧東電の企画部長などを経て、14年に日本原電の副社長、翌15年に社長に就任。以来、交代説がささやかれながらも、「村松社長の代わりになる人材が見当たらない」(原電関係者C氏)といった事情から、10年以上にわたって社長職を務め続けている。
「もし交代するにしても、原電にとっての最重要課題である東海第二原発の再稼働にメドを付けてからではないか」(C氏)との見方も根強くある中で、電力事情に詳しいジャーナリストは「今年度中に、東電の柏崎刈羽原発6号機の再稼働が無事実現すれば、それを花道に、社長9年目に突入している小早川氏が交代する可能性がある。これが原電においてもトップ交代のタイミングになるかも」と予想する。
東電、原電ともに長らく現社長体制が続いていることに加え、長期停止中の原発の再稼働という重要イベントが、トップ交代を左右するカギとなりそうだ。
省内の実力者を暗示 「右ルート」再来あるか
霞が関の各省庁の役人トップは事務次官だが、実態はそうではないケースがある。例えばかつてのK省だ。10年ほど前、K省の次官はX氏。そして官房長は実力派として知られたY氏だった。隣り合った二つの部屋の左が事務次官室、右が官房長室。そのうち官房長室の「右ルート」は常に渋滞するようになり、記者が話を聞こうとしても待たされるケースがたびたび発生するように。当時、同省で取材していた記者は「省内の意思決定を実際に担っているのは右ルートの人」と察したという。
Y氏はその2年後、次官に就任。それまでは他省と対立していたような案件でも協調路線を重視し、K省が融和型に脱皮する下地を作った。ただ、X氏も貴重な人脈を持っていて、当時の政権で要職を務め、権威を振るった政治家と長年の付き合いがあった。重要政策を巡り最後は、この政治家との直通ルートで決定を仰ぐことがあったという。
さて、7月の人事で各省は新たな布陣となったわけだが、先述のような現象のデジャブがあるのか、注目して見てみるのも面白いかもしれない。















