【永田町便り】福島伸享/衆議院議員
2024年元日に起きた能登半島地震を受けて、通常国会の冒頭は震災対応が議論の中心となった。私も、国会開会前の1月24日の予算委員会閉会中審査で質疑に立ち、災害時における原子力規制委員会の情報発信の乏しさを指摘した。これを受け、岸田文雄首相からは「規制委員会において審議をし、対応について見直しが行われることになる」という前向きな答弁を得ることができた。
開会後の衆議院の本会議では、震災とエネルギー政策に絡めた二つの質疑がなされた。
一つ目は、日本共産党の「地震、津波など自然災害によって原発事故が起きたら、住民は避難することさえできない。それでも再稼働せよというのが政府の方針ですか。とりわけ深刻なトラブルが発生した志賀原発、柏崎刈羽原発は、直ちに廃炉の決断をすべき」というものだ。
今回の震災で震源地に近い志賀原発では一部の電源系統でトラブルなどが発生したが、原子炉の機能そのものに深刻な影響はなかったのが実態だ。原子力規制委員会が規制当局としての立場から、起きた事象を確認し、リスクを評価して国民に伝える積極的な情報提供を行わないから、共産党のような論調がまかり通ることになる。地震、津波などとの複合災害については、今回のことも教訓として、防災計画などを不断に見直し、必要なインフラを整備していくべきであろう。
もう一つの質疑は、国民民主党の「能登半島地震では、北陸電力と北陸電力送配電会社、そして他の電力会社や送配電会社が応援に駆けつけて、一体となって取り組んだことで早期の停電解消につながりました。有事も想定し、これまで進めてきた電力自由化について、冷静な検証と見直しが必要ではないでしょうか」というものだ。
自由化との因果関係は? 共通する「牽強付会」
趣旨は、電力自由化が進むとレジリエンス(回復力)が低下して災害対応ができなくなるということなのだろうが、「冷静な」思考をすれば、電力自由化が進めば進むほど災害対応が弱くなるなどと、その因果関係を合理的に説明することは困難だろう。どのような電力システムであっても、そのシステムに応じた危機管理体制を法令などに基づいて作るべきであり、どの電力システムにすればレジリエンスが強化されるのかという議論にはならないだろう。
これら二つの議論は、全く別の観点からのものではあるが、災害にかこつけて自らの実現したい政策の土俵に持っていくという「牽強付会」であることは共通している。
私たちはこうした時こそ、こうした火事場泥棒的な議論に付き合うのではなく、災害を通じて明らかとなった現実のリスクに向き合い、そのリスクを極小化するために必要な体制や対策を構築していく、地道な作業を積み重ねていくべきであろう。











