【マーケット情報/2月2日】原油反落、需要減少に懸念強まる

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、前週から一転、主要指標が軒並み下落。米国で石油製品需要が弱まるとの懸念が台頭した。

米国の1月雇用統計が好調だったことから、米連邦準備理事会の利下げ踏切に歯止めがかかるとの見方が強まり、原油を買う動きが弱まった。また、同国では、寒波の影響で原油生産が低調だったにもかかわらず、在庫は増加を示しており、供給余剰感が強まったことも、下方圧力として働いた。

国際通貨基金が2日に発表した中国経済の年次報告で、同国の2024年の経済成長率(GDP)を4.6%としたことも、原油相場への重荷となった。中国の2023年のGDPは5.2%だったことから、経済成長が減速しているとの見方が強まった。

ただ、中東原油の下落幅は、欧米の先物価格と比べると小幅だ。イエメンを拠点とする武装集団フーシ派による紅海を航行する船舶への攻撃が激化しており、中東産原油の供給に対する不安が根強いことが下落をある程度抑制した。


【2月2日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=72.28ドル(前週比5.73ドル安)、ブレント先物(ICE)=77.33ドル(前週比6.22ドル安)、オマーン先物(DME)=78.99ドル(前週比2.57ドル安)、ドバイ現物(Argus)=78.81ドル(前週比2.78ドル安)

柏崎刈羽「運転禁止」解除 再稼働議論の舞台は県へ

12年ぶりの再稼働に向けて一歩前進だ。原子力規制員会は昨年12月27日、東京電力柏崎刈羽原発に出していた核燃料の移動禁止措置(事実上の運転禁止命令)の解除を正式決定した。

現地調査後、取材に応じる山中委員長(12月11日)

原子力規制庁は柏崎市の要望で今年1月22日、追加検査の結果などの説明会を市内で開催。東電はテロ対策の改善状況を報告する説明会を28日に刈羽村、30日に柏崎市でそれぞれ行った。

今後は経済効果の試算や新潟県技術委員会での議論、広域避難計画の策定などを経て、花角英世知事に「再稼働容認」の判断が委ねられる。関係者によると、経産省幹部が年内の再稼働実現をちらつかせる中、政権幹部の県庁訪問など国からの表立った要請は行われるのか、県民の意思確認のため「出直し知事選」の実施はあるのか。今後の注目点は多い。

地元同意の獲得に向け、立地自治体の関係者は「柏崎刈羽の電気を使う首都圏の経済界からの要望があってもいい」と指摘。地元からは「県議会の6月定例会がヤマ場か」という声が漏れ聞こえるが、「地元の皆さんのペースが早すぎる」(県政関係者)と再稼働への熱意は県内でも濃淡が見られる。ともあれ、再稼働議論のボールは新潟県に投げられた。

環境貢献や震災対応で実績 ガス業界は誇りと自信を

【業界紙の目】石井義庸/ガスエネルギー新聞 編集部長デスク

COP28での「化石燃料廃止」議論は、化石燃料の価値を改めて考える機会になった。

公害克服・低炭素化に貢献した都市ガス業界はもっと誇りと自信を持つべきだ。

昨夏、長めの休暇をとってカナダに旅行し、ユーコン川をカヌーで下る6日間のツアーに参加した。現地のツアー会社のガイド1人が1隻、参加者8人は2人乗りのカナディアンカヌー4隻に分乗、合計5隻で約300㎞を漕ぎ切った。携帯電話は通じない、電気もない。キャンプは許可されたサイトだけ。ほとんどの日のトイレはシャベルで掘った穴だ。そうした旅の中で、LPガスに大変お世話になった。

6日間9人分の食料、飲み水、テントなどと共に、LPガスの小型シリンダー(ボンベ)と調理器具をカヌーで分担して運んだ。キャンプ地では、ガイドの若者が手慣れた様子で、ガスとたき火を併用して調理してくれた。何時間も漕いできた体の疲れが吹き飛ぶほど、うまいキャンプ飯だった。

私は都市ガスの新聞記者だが、キャンプ飯の燃料としてLPガスは他の追随を許さないと本当に思う。キャンプ用のカートリッジ式ボンベや、カセットコンロ用の小型ボンベなど選択肢が多い。気軽に入手でき、取り扱いが楽で、火力は十分。値段もそこそこだ。持っていれば災害で電気やガスの供給がストップしても安心。これもLPガス固有の価値だ。

昨年の気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で「化石燃料廃止」が議論になったことから、化石燃料の価値について改めて考えさせられた。そこで個人的なキャンプ体験を思い出した。

6日間の川下りで使った小型LPガスなどの調理用具

人材確保を阻む広大な過疎 北海道の「自然との戦い」

【電力事業の現場力】北海道電力労働組合

安定供給を維持すべく、現場は厳しい自然に立ち向かう。

万が一の事故に備え、冬場は特に気の抜けない日々が続く。

 「週末の大雪に備えて自宅待機の要請が……」

取材に出向いた金曜日の夕刻、北海道内各地に配属された北海道電力ネットワークの社員に自宅待機を要請するメールが送られた。各地の社員は札幌市など都市部からの単身赴任者が少なくないが、冬場はこうした要請で帰省など週末の予定をキャンセルせざるを得ないケースがある。

送配電部門の場合、冬場の停電事故復旧は自然との戦いだ。第一、吹雪などで事故現場にたどり着けるかどうかも分からない。それでも、復旧のためにはどうにか現場に足を運ぶ必要がある。時には資材や機材を抱えながら雪上車に乗り、さらに細い道ではスノーモービル、いざとなればスキーや徒歩で現場に向かう。吹雪で目的地の方向が分からなくなると、雪を掘り、風よけをつくって耐えしのぐほかない。到着後も長靴を履き、防寒着で着膨れした状態で鉄塔や電柱に登るのは一苦労だ。

泊原子力発電所での災害対応(参集)訓練

冬場の通常業務としては、鉄塔や電柱、がいし、電線に積もった雪を落とす「冠雪落とし」がある。人口密集地では電気設備から落雪し、住民や家屋に損害を及ぼす危険も。2022年12月には紋別市内の送電線の鉄塔が、大きな着雪が発達する非常にまれな気象条件と、着雪量のアンバランスによる過大な張力差が重なったことにより倒壊し、オホーツク地方で大規模な停電が発生した。

紋別市内の送電線の鉄塔が倒壊(2022年12月)

北電の原子力や水力の現場でも、寒冷地ならではの苦労がある。積雪や寒さなどの厳しい環境下での事故対応訓練や、いかなる状況でも社宅や寮などから参集できる訓練も実施している。また水力ではダムの取水口に氷雪が詰まるのを防ぐため、重機で取り除く作業が必要となる。


度重なる料金値上げ 魅力ある職場の難しさ

北海道はデータセンターの立地や国策半導体メーカー「ラピダス」の開業など、電力需要の拡大が見込まれている。さらに洋上風力の設置や海底直流送電の整備など北電グループが対応する範囲は広がるが、頭を悩ませるのが人材の確保だ。その要因の一つに「広大過疎」がある。

北海道は札幌市を除くと、全国の他地域に比べて人口減少のスピードが速い。中にはスーパーや病院が存在しない自治体もある。広大な土地での転勤に拒否感を持つ若者も少なくないといい、働く環境づくりが課題だ。

北電の販売部門も正念場を迎えている。昨年6月に規制料金の値上げを実施したが、これは11年の東日本大震災以降、旧一般電気事業者で最多の3度目。過去2度の値上げにより、規制料金は全国でも高い水準となっていた。22年には燃料費調整額が上限を超過し、電気を売れば売るほど経営を圧迫する状況に。販売部門のモチベーションに影響しかねなかった。

賃上げが叫ばれる中で、電力業界は値上げの度に経営効率化を求められている。だが、給与面を含めて魅力ある職場でなければ、人材確保は困難だ。北海道電力労働組合の山下則和本部執行委員長は「工事などを担う協力会社に人が集まらず、最悪の場合は電気が供給できなくなる可能性もある。危機感は大きい」と話す。

豪雪地で欠かせない「冠雪落とし」

人々の生活に不可欠な携帯電話や車などは機能が向上することもあり、製品価格が上がっても受け入れられる傾向がある。一方、電気は「あって当たり前」で、値上げへの反発が大きい。しかし、「当たり前」の裏には現場の努力や人手不足の現実があることを忘れてはならない。

能登半島地震の爪痕深く エネインフラの復旧に全力

元日の祝賀ムードを一変させた能登半島地震は、多くの人命や家屋などへの被害だけでなく、道路や水道、そしてエネルギーと、あらゆるインフラに打撃を与えた。エネルギー関連ではLPガスやSS(サービスステーション)などでも被害が出たが、特に甚大なのが電力設備だ。

北陸電力の松田光司社長は発災後、社員に対するメッセージを出し、「グループの総力を結集し、『こころをひとつに  能登』をわれわれのスローガンとし、お互いに協力し合い、この難局に対処していきたい」などと呼びかけた。関係者一丸となり、未曽有の災害に対し懸命の対応を続けている。

最大震度7の本震発生直後、石川県珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、志賀町、七尾市などで最大約4万戸の停電が発生したが、立ち入り困難などの一部地区を除き、1月中には概ね復旧する見通しだ(1月23日現在)。今回は高圧設備への被害も出てはいるが、主な被害は配電設備だ。電柱の傾斜が約1750本、折損が約460本、断線・混線を約1100カ所で確認。北陸電や協力会社に加え、他電力からの応援も含め総勢約1000人規模、電源車約100台などの態勢で日夜対応に当たっている。

しかし、余震の多さや降雪の影響、また津波被害が深刻な地域がある。何よりも、道路の警戒がなかなか解除されず一部立ち入り困難な地域が長く残ったことが、復旧のスピードアップを妨げた。半島の特徴である、一方向からしか出入りできない交通網が機能しないという課題が、エネルギーに限らず自衛隊による災害救助などあらゆる活動に波及した。

厳しい寒さの中での高所作業(写真提供:北陸電力)

復旧拠点テント内での打ち合わせ(写真提供:北陸電力)

他電力も応援に駆け付けた(写真提供:北陸電力)

「1.5℃」の難しさが鮮明に COP28経てどうなるエネ基議論

COP28では、日本の従来の主張のように、各国の国情を踏まえた多様なアプローチの必要性を掲げた。

ただ、1.5℃目標を追求する方針は継続しており、第7次エネ基議論にどう波及するかが焦点となる。

「今回の合意文書は、EU(欧州連合)と産油国が対立する中での妥協の産物。ただ、日本にとっては満足のいく回答となった」(手塚宏之・日本鉄鋼連盟エネルギー技術委員長)。昨年末、UAE(アラブ首長国連邦)・ドバイで開催された温暖化防止国際会議のCOP28。日本の一部メディアは、「化石燃料からの脱却」など、産業革命前からの温度上昇を1.5℃に抑えるために踏み込んだ成果などと報じたが、これは一部の切り取りに過ぎない。

化石燃料に関する記述は、各国の対策の進捗を評価するGST(グローバルストックテイク)決定の中に出てくる。ただし、日本の政府見解は「脱却」でなく「移行」だ。そして表現を巡る齟齬以上に重要なのは、多様なオプションを示したこと。また、1.5℃目標などの必要性を述べつつも、各国の国情や異なるアプローチを考慮するよう強調した点にある。

具体的には、先述の化石燃料や、2030年までの再生可能エネルギー3倍・省エネ2倍などのグリーン系は当然登場しつつも、原子力やCCUS(CO2回収・利用・貯留)、低炭素水素、ローエミッション車などの多様な対策も併記した。「COP26のグラスゴー気候合意では1.5℃目標に向けた直線的なアプローチしか認めなかったが、パリ協定本来の姿に先祖返りした」(手塚氏)のだ。

さらに別の段落では、「移行燃料は、エネルギー安全保障を確保しつつエネルギー転換を促進できる」とし、その重要性を記した。移行燃料が何を指すのかまでは触れないものの、欧米主導では出てこないような「画期的な概念」(同)を示した。これらは日本のこれまでの主張に概ね合致する。

ただ、存在感を示したのはグローバルサウス、とりわけ議長国の巧みな交渉術だ。今回、ロス&ダメージ(損失と損害)の議論の前進が焦点の一つであり、事前の案では先進国と途上国が対立する項目があったが、ふたを開ければCOP初日にあっさり決着した。

実は、UAEが率先して1億ドル拠出すると表明し、一気に合意の流れを作ったのだ。これにEUも同調せざるを得ず、切り札にしたかったカードを先に切らされる形となり「化石燃料のフェーズアウト」は断念した。「(UAE産業・先端技術相でアブダビ国営石油CEOの)ジャーベル議長は優秀なビジネスマン」(現地参加の日本関係者)といった評価が出ている。

COP28では化石燃料フェーズアウトを盛り込めなかった

【特集2】初のアウトドア用COアラーム開発 家庭用ガス警報器の知見を生かす

【新コスモス電機】

コロナ禍を経てブームとなったキャンプでの一酸化炭素中毒による死亡事故が発生している。

新コスモス電機は家庭内にとどまらず、アウトドアでの安全にも貢献していく。

たき火は冬のキャンプの醍醐味だ。暖をとりながら、料理を楽しむこともできる。テント内を暖めるためにストーブを使用する人もいるだろう。こうした楽しい冬のアウトドアに潜む危険がある。それは一酸化炭素(CO)だ。

COは無色無臭で毒性が強い、危険なガスだ。吸い込むと頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れ、最悪の場合は死に至る。近年、キャンプや車中泊中にCO中毒事故が発生し、死亡するケースもある。たき火やストーブなどの不完全燃焼で発生したCOが原因だ。

こうした状況を深刻に捉え、新コスモス電機はアウトドア用一酸化炭素アラーム「COALAN(コアラン)」を発売した。一酸化炭素の「CO」と警報の「ALARM」を掛け合わせて命名。同社初のアウトドア用製品だ。

付属のカラビナで吊り下げて使う


日本語音声での警報 使用者自身による点検も

開発の背景には、コロナ禍を経たキャンプ人口の増加がある。同社ではこれまでの家庭用ガス警報器の知見を生かしたアウトドア用COアラームの開発を検討していた。そうした中、顧客やキャンプで有名なユーチューバーなどからも要望が寄せられたという。

3年ほどの開発・試験の後、コアランは昨年12月12日に発売された。1万3000台の限定販売だ。販売は住設機器などを扱う専門商社の山善が手掛ける。山善を通じて、家電量販店やアウトドア用品店、ホームセンターなどに流通するほか、楽天市場や山善の直販サイト「山善ビズコム」などネットでの購入もできる。

楽天市場では発売前の段階でランキング入りし、発売日以降は山善がコアランを卸したストアが1位から3位までを独占。山善ビズコムにおいても、週間ランキングで1位を獲得するほどの人気ぶりだ。日本製のセンサーを搭載していることや、同社の家庭用ガス警報器メーカーとしての確かな実績が購入者からの反響につながっている。コアランには4つの特徴がある。①保護等級IP54 相当の防塵・防滴構造、②厳しい試験をクリアした耐衝撃・耐振動性、③日本語音声による警報、④使用者自身による機器点検――だ。

特に注目すべきは③と④だ。海外製のCO警報器はアラーム音のみで、何がどう危険なのか分かりにくいこともあるという。その点、コアランは日本語の警報を発し確実に危険を伝える。

またコアランには専用の点検用スポイトが付属している。カセットコンロなどからCOを採取し検知部に吹きかけることで、正しく反応するかを確認できる。これが④だ。この点検用スポイトには使用者を守る工夫が施されている。

COはわずかな量でも人体に影響を及ぼすため、とても危険だ。ゆえに万が一の事態にも備え、スポイトのパイプ部分にあえて穴をあけることで、濃度が高くならないよう設計されている。点検方法を分かりやすく説明する動画もあり、自分の命を守る機器を使用者自身が点検できる。

「ガス事故をなくしたい」という思いのもと、ガス警報器の開発・販売を手掛けてきた新コスモス電機。家庭内にとどまらないアウトドア向け製品で、ガス事故の犠牲者減少に貢献していく。

【特集2】電事法改正で用途が拡大 広がるスマメデータの利活用

【GDBL】

一般送配電事業者が国内8000万軒にも及ぶ全需要家を対象に導入を進めてきたスマートメーター。全国で約5000万軒の家庭向けを含め、ほぼ導入が終わりつつある。整備してきたこのインフラとそこから生み出されるデータを、電力使用量の計測以外で有効に活用できないか―。そんな思いの下、東京電力パワーグリッド、中部電力、関西電力送配電、NTTデータの4社が共同で出資し、2022年4月に設立したのがGDBL社だ。

前身のグリッドデータバンク・ラボ有限事業責任組合が行ってきた「スマメデータ活用」の本格展開に向けて立ち上げた株式会社でもある。

「スマメから読み取れるデータは計器ID(位置情報)や1日48コマで区分する30分間隔の電力使用量情報だ。スマメ導入以前は、月単位による総電力消費量しか把握できなかったが、30分値となったことで情報の精度が高まった」。同社の芦谷武彦データ活用事業部長はこう話す。

例えば世の中には、住民票を移さないまま生活するケースもある。住民基本台帳では把握できないことなど、スマメデータで経済活動をよりリアルな傾向として把握できる。

昼間の在宅傾向、通勤・通学から帰宅ピークの時間帯といった世帯活動、過去データと比較することで生活パターンの変化や異常を検知するなど、活用方策は多岐にわたる。これらは、統計データとしても活用できる。近年、社会問題となっている空き家対策にも有効だ。

異業種データと組み合わせることも可能だ

こうした展開は、電気事業法の改正により、電力事業用途以外にもデータを利用することが可能となったことが背景にある。需要家の同意を前提とし、国の認定を受けた一般社団法人電力データ管理協会がこれらデータの提供・利用を厳格に管理する。この仕組みの下で、電力データを需要家の許諾を得た第三者へ提供したり、統計加工されたデータを利用できるようになった。


自治体向けにデータ活用 脱炭素へ行動変容促す

同社では今、個人や世帯、あるいは自治体・法人などに向けて「ZeroCa」という脱炭素の活動を支援するサービスを打ち出している。スマメデータは電気の使い方や生活者の環境活動の可視化が可能になる。例えば節電要請を行った断面で、X地区とY地区では、そこに住む人たちの行動にどんな差が生じたか。比較することで住民の行動変容を促し、結果的に脱炭素につなげるといった利用が考えられる。

スマメデータの扱いは、まだ緒に就いたばかり。とりわけ家庭用の多様なサービスの創出や社会貢献に資する取り組みがこれから本格化していく。

【特集2】スマートリモコンで電力使用を最適化 家庭用エネマネで脱炭素社会目指す

【Nature】

自然との共生をテクノロジーでドライブする―。Natureが掲げる企業理念だ。スマホで家の外からエアコンなど電気機器の操作ができる「ネイチャーリモ」やスマホHEMS「ネイチャーリモE」の開発・販売を行う。これらを利用し、電力の需要をコントロールする機器制御型のDRにも対応ができるようになっている。2022年の夏には関西電力にDR支援サービスを行った。関電への支援サービスは、昨年からの冬のDRプロジェクトでも採用されている。

ネイチャーリモの使い方は簡単だ。家電のリモコンのボタンをネイチャーリモに向けて押すだけでいい。するとネイチャーリモがリモコンの代わりに赤外線で家電を操作する。赤外線方式の家電ならば、メーカーや型番・年式などに関係なく使用できる。

ネイチャーリモEは設置工事が不要

帰宅前に、エアコンを猛暑の時は冷房、厳寒期は暖房のスイッチを入れる―。家庭でのより快適な生活をもたらすものだ。


進化したネイチャーリモE 電気利用を最大限効率化

ネイチャーリモEは、家庭での電力使用の状況をスマホでリアルタイムに確認することが可能だ。またエコキュート、太陽光発電(PV)やEV、蓄電池などエネルギー機器と連携し、スマホからの操作や自動制御もでき、電気の利用を最大限効率化できる。

その使い方はさまざま。例えば、エコキュートで指定した時間帯にPVの余剰電力が設定値を超えたら、自動にたき増しし、逆に買電量が設定値をオーバーしたら自動的にたき増しを止める。また、EVや蓄電池の残量を確認し、余剰電力の様子を見て充放電が可能になる。

塩出晴海社長は、大手電力などと協力してDRを行うのは、「まだHEMS活用の初期段階」と話す。視野に入れているのは、電力システム改革の進展により誕生した容量市場、また低圧電源の参入の検討が始まった調整力市場への参加が可能となるようなエネルギーマネージメントのプラットフォーム構築だ。「家庭のエネルギーリソースをつなぎ、火力発電に代わりDRで柔軟な調整力を実現し、クリーンな電力への移行に貢献していきたい」と考えている。

【特集2】スマメ普及で一変する家庭用 サービス内容の進化に期待

大手電力が導入を進めてきたスマートメーターは家庭用をどう変えるのか。

神奈川工科大学の一色正男特命教授にスマメ導入の意義や今後の展望を聞いた。

【インタビュー】一色正男/神奈川工科大学 研究推進機構特命教授

―スマートメーター(スマメ)の導入が進んでいる。

一色 旧一般電気事業者が頑張ってきた。約5000万軒の家庭用では導入が終わりつつある。家庭用のHEMSとつなぐBルートの無線方式としては現在Wi-SUN通信方式で国際標準通信規格であるECHONET Liteを採用している。どの家でも細かい電力使用量のデータを標準化された通信プロトコルで取れるようになったことは大変意義深い。

また2025年度から導入が始まる次世代スマメではWi-Fi通信も可能になるため、今後活用の幅が広がると期待している。

―スマメによって、家庭用のエネルギー利用の在り方、機器の使い方はどう変わるか。

一色 月1回だった検針値が、スマメによって30分値を取得できるようになった。住宅サービスを深める上で重要だ。「これぐらいの電気を使ってる」や「過去との比較」といったデータを提供することで、電気の使い方を評価したり反省を促したりすることも可能になる。また、次世代スマメでは、さらに細かい時間分解能のデータ取得が可能となる。これまでと比べてもきめ細やかなサービスが可能になるだろう。「高齢者見守り」といった生活支援や「エアコン温度を最適にする制御」といった省エネサービスが進む。そうしたサービスは、エネルギー事業者が直接手掛けることもあるだろうし、ハウスメーカーのケースもある。自治体と連携する動きも出るだろう。スマメによっていろいろなモデルが生まれていく。

―電力会社からするとデータが増え、運用が大変だ。

一色 細かいデータを全部サーバーにためていく考えと 、エッジ側(家側)で処理(減ら)して上側にためる。そんな2つの考えがある。恐らく有用なデータのみをためる制御の仕方が必要になっていくだろう。


ZEHへ果たす役割り インフラ輸出への期待

―省エネ法改正でZEHが進む。

一色 エネルギー資源が乏しい日本としてはエネルギー自立化を考える必要がある。しっかりと資源を調達し、同時に上手にエネルギーを消費することが大切だ。その意味でスマメとHEMSを組み合わせてZEHへ取り組むことの意義は大きい。

―ガスメーターのスマート化は?

一色 もちろん期待している。水道メーター含め一括検針に関する検討も次世代スマメでは行われている。

―日本のこうしたインフラ構築の仕組みは、世界に誇れるものなのか。

一色 われわれの研究所には海外の新興国などからも多くの見学者が訪れている。電力供給が不安定な国の政府関係者の見学もあり、スマメを通じてより詳細に電力使用実態を把握したいというニーズは海外でも関心が高いと感じている。日本の技術を海外に展開する「インフラ輸出」につながり、ECHONET Liteが海外でも活用されるきっかけになることを期待している。

いっしき・まさお 1982年東京工業大学卒、東芝入社。空調機器の省エネ技術開発、世界初のネットワーク家電システムの実用化に従事。2009年慶応大学特任教授、12年神奈川工科大学教授。22年同大特命教授。

【特集2】買い替えるだけで省エネ 家電の性能向上を制度が支援

高効率な現行製品を超えることを目指すトップランナー制度。

消費者にとっては家電の買い替えそのものが省エネにつながる。

近年、省エネ家電がめざましい進化を遂げている。その背景には、コロナ禍を経た在宅勤務の普及や「おうち時間」の充実、燃料費高騰による光熱費の値上がり、環境意識の高まりなどがある。


高効率な最新家電 便利な機能も多数

資源エネルギー庁の資料によると、家庭における電気の使用割合は、夏季はエアコンが38・8%、冷蔵庫が12・0%、照明が14・9%、冬季は暖房が32・7%、冷蔵庫が14・9%、給湯が12・6%となっている。空調の温度設定や不要な明かりの消灯、追いだきが必要ないよう間隔を空けずに入浴するといった省エネ行動も重要だが、高効率な家電への買い替えが省エネとなるケースもあるという。10年前と比較して、エアコンは約15%の省エネ、年間電気代は約4120円の節約、冷蔵庫は約35~42%の省エネ、年間電気代は約4560~6110円の節約になると算出されている。

省エネだけでなく空気清浄や自動掃除機能も充実

エアコンの省エネには温度設定のほか、フィルターの掃除も有効だ。掃除の際は長期使用製品安全表示制度の「設計上の標準使用期間」の確認もしておきたい。同制度は経年劣化による事故が多い製品に標準使用期間や注意事項の表示を義務付けたもの。期間が過ぎた場合は異常な音や振動、臭いなどがないかに注意し、買い替えも視野に入れたい。

冷蔵庫は24時間365日稼働することから、消費電力量が多い家電の一つだ。購入の際は家族の人数や買い置きの量など、生活スタイルに合ったものを選ぶことが省エネにつながる。また設置スペースに対し、本体サイズだけでなく放熱スペースの加味も大切だ。

家電の省エネ性能の向上に資する制度の一つに、トップランナー制度がある。同制度はエネルギー消費効率の決め方の一つで、現在商品化されている機器のうち、最も効率の高い機器の性能を超えることを目標としている。定められた基準を目標年度までに達成することが求められる。1998年に改正された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」の中で、民生・運輸部門の省エネ施策として採用された。

対象となるのはエアコンや冷蔵庫、照明、テレビ、温水機器など全31項目だ。トップランナー制度は事業者側の義務のため、消費者の買い替え自体が省エネとなる。

最新家電には便利な機能も数多く搭載されている。エアコンには気流制御のほか、空気清浄機能や除菌機能が付いたものもある。冷蔵庫では湿度・温度設定による鮮度維持、急速冷凍などの機能が人気だ。省エネだけでなく自宅で快適に過ごすため、一度家電の見直しをしてみるのもよいだろう。

【特集2】エコキュート&エネファームが進化 脱炭素促すエネルギー有効利用

【電力・ガス業界】

電力業界が推し進めてきたエコキュート、ガス業界によるエネファーム―。両アイテムが市場に投入されたことで家庭用の給湯事情は大きく変わった。

2000年代初めにエコキュートが登場した頃、電力各社は深夜の割安な料金メニューを打ち出しながら、オール電化住宅とともにエコキュートを普及させていった。

片やガス業界は10年前後にエネファームの本格普及に向け本腰を入れてきた。11年の東日本大震災以降はレジリエンス性を強調し、停電時でも動くエネファームの普及に注力した。

これまでの累積導入台数はエコキュートのおよそ1000万台に対し、エネファームは50万台。イニシャルコストに差があるため普及に温度差があるのは仕方ないが、それぞれ高効率ヒートポンプ式給湯器、家庭用コージェネレーションという新しい市場を生み出した点で、電力・ガス業界が果たした役割は大きいだろう。

1000万台程度普及したエコキュート

今後、家庭用の脱炭素時代に向けた次世代への展開はどうなっていくのか―。電化の流れを受けエコキュートは再エネとの親和性を追求していくことになるだろう。戸建て住宅の屋根に設置した太陽光発電の自家消費を促していくような運用の仕組みだ。それを訴求していく電気料金メニューも生まれている。

エネファームはどうか。「エネファームは数万にも及ぶ部品から構成され、これまでに部品のブラッシュアップが進んだ。もしコストが高いからと諦めていたら、まともな部品も調達できず、現在の水素ブームに完全に乗り遅れていた」「停電時や災害時のエネルギー供給などレジリエンス性の観点からもニーズは大きい」。メーカーや業界関係者はこう口をそろえる。水素社会の本格到来を見据えた戦略商材になっていこう。

水素社会を担うエネファーム


VPP運用への期待 電力需給調整の役割も

また、両アイテムともにVPP(仮想発電所)といった新しい運用を支えていく分散型リソースとしての活躍が期待されている。

最近は、火力発電所側での燃料調達懸念や火力電源の減少、さらには電力需給のバランスを乱す再エネの大量普及など、電力不足や電力系統の不安定化が生じる機会が増えている。そうした際の電力需要の「上げ・下げ」の調整機能としての役割も期待されている。エコキュートには、再エネ余剰電力の吸収源としての役割もある。

新しい市場をつくり、そして進化してきた給湯アイテム。これらは、メーカーの協力も得て電力やガス業界が互いに切磋琢磨してきた成果でもある。今後も両技術開発の進展が期待される。

【特集2】二つの新モデルがラインアップ 省エネと豊かな生活を実現

【リンナイ】

昨年9月、リンナイが展開する「ECO ONE X5」シリーズに新モデルがラインアップされた。屋外コンセント対応のプラグインモデルと、マンション向けの集合住宅専用モデルだ。

一般的なヒートポンプ式給湯機は、設置するときに専用電源配線や基礎工事が必要だ。これに対し、プラグインモデルはシステム全体の電力を監視しヒートポンプ運転時の消費電力を抑えることで、既設の屋外コンセントを使用可能にした。設置のハードルを下げることで、従来の給湯器からの交換を促し、既築住宅の省エネを後押しする。

集合住宅専用モデルは、バルコニーや玄関横など限られたスペースへの設置というマンション特有の事情に対応したコンパクトな設計だ。マンションのZEH化促進に貢献する。

また同社のエコワンは高い省エネ性能が認められ、昨年から国の補助金の対象となっている。昨年の支給額は5万円だったが、今年は15万円が支給される予定だ。補助金の効果で、販売台数も大きく伸びているという。施工店や販売店などからの評判も上々だ。営業本部営業企画部の伊藤敬一次長は「エンドユーザーにとって補助金で初期投資を抑えられるのは重要。ガス代や電気代などもお得になり、月々の負担が軽くなっていく」と話す。

既設の屋外コンセント使用で工事は不要だ


独自のバブル技術を搭載 生活の質を向上していく

リンナイが提供するのは、省エネ性能による経済性だけではない。お湯に微細な泡を溶け込ませる独自技術「エアバブルテクノロジー」により、豊かなライフスタイルも実現する。

同技術ではウルトラファインバブルとマイクロバブルの2種類の泡を作り出す。二つの泡の違いは大きさとお湯の見た目だ。ウルトラファインバブルは1マイクロメートル未満と細かく、目視できないためお湯の見た目は透明だ。マイクロバブルは少し大きい1~100マイクロメートル未満で、お湯は白く濁って見える。

「ECO ONE X5」の上位モデルにはウルトラファインバブルを発生させる装置が組み込まれており、キッチンや浴室など家中にバブル入りのお湯を送ることができる。通常のお湯と比べてバブル入りのお湯は洗浄効果が高く、水垢や排水溝の汚れなどが付きにくい。そのため、日々の掃除の負担軽減につながる。

さらに、マイクロバブル内蔵モデルの場合は、マイクロバブルのお湯で毎日入浴することができる。バブル入りの白いお湯は浴室を非日常的な空間に演出。また気泡が体を包むことによる温浴効果や肌がしっとりするといったうるおい効果、毛穴にたまった皮脂などの汚れを落とす洗浄効果が高く、1日の終わりに癒しをもたらしてくれる。

伊藤氏は「われわれは地球環境問題への対応と生活の質の向上の両立を目指している。『リンナイの給湯器にはエアバブルが付いているから欲しい』と思ってもらえるよう、エアバブルテクノロジーをさらに展開していきたい」と抱負を語った。

【特集2】「コト売り」で付加価値を希求 省エネと快適性の両立を実現

【パーパス】

家庭内でも省エネ意識が高まっている中、節水型シャワーヘッドやカランなどを取り入れるユーザーが増えている。パーパスは、こうした消費者のニーズを取り入れて、エコジョーズのブランド「AXiSシリーズ」に「AXiSシリーズ FLash」を新たにラインアップ。給湯暖房用熱源機のリニューアル新製品を発売した。

本製品は従来品と同様に、特許も取得している同社の独自技術「高温水分配方式」を採用。快適に利用しながら省エネを実現する機能はそのままに、本機の魅力がより伝わりやすくなるよう「FLash」と名称を改めた。

本体色もフラッシュゴールドに変更


湯量に左右されない給湯技術 省エネ商材の機能引き出す

本製品の主な特徴は四つある。①最小給湯能力0・1号/最低作動流量毎分1・9l、②給湯加熱速度約2秒、③体脂肪測率※などが簡単に測れる「カンタンヘルスチェック」機能搭載、④塗装が耐重塩害試験基準をクリア―だ。

①では、少ない湯量でガス給湯器を使用する際、安全機能が働いてお湯が冷たくなる課題を解決。シャワーを利用している時に、台所でお湯を使うと湯量が変わり、安定した温度で供給できないことがあるが、独自技術によって低温・少流量の出湯でもガスの燃焼が止まらないため、いつでも安定したお湯を供給し続けられる。

また②により、水栓を開けるとすぐに給湯器本体からお湯が出るので、捨て水が少なく経済的だ。これらの機能で節水はもちろん、ユーザーが導入した商材の性能を存分に引き出せる。

③では、水中体重秤量法を基にした技術を使用。「体脂肪率測定」「消費カロリー計算」「半身浴モード」など、入浴するだけで簡単に健康チェックが可能だ。④は、海に面した地域でもサビが発生しにくい塗装により実現した。

鈴木孝之営業企画部長は「給湯器はお湯が出ればいいというものではない。いかに付加価値を付けて『コト売り』として販売していくかが重要だ」と話す。時代とともに移りゆく消費者の要望。パーパスはユーザーの目線に立って、求められている製品をこれからも提供していく。

※ 体脂肪率測定機能はGX/GHシリーズのフルオートタイプのみ利用できる。

【特集2】冬期の節電プログラムを開催 独自の特典など創意工夫

【東急パワーサプライ】

東急パワーサプライは昨年12月1日~3月31日の4カ月間、「冬の節電プログラム2023」を実施している。同プログラムは、需要家にメールやLINEを通じて節電を要請し達成した場合、ポイントを付与するもので、22年冬期、23年夏期に続いて3回目の開催となる。

22年冬期の1回目は、国内の電力需給ひっ迫などを背景に国が節電要請を行った時期と重なる。節電対策を促進するため、経済産業省と東京都は冬季の節電達成特典に対する補助金事業を行った。このため、同社の節電プログラムでもウェブサイトからエントリーすると、2000円分のポイントが給付された。これが多くの需要家の参加につながったという。

23年度は経産省の補助金事業が終了。このタイミングで節電プログラムを終える事業者もあったが、同社は続ける決断をした。カスタマーリレーショングループの千葉悠子チーフは「継続するか、さまざまな角度から議論があったが、節電プログラムによって需要家の行動に関し多くの知見を得ることを重視した」と背景を語る。

ウェブサイトから簡単に参加できる


朝と夕方に節電要請 効果次第でポイント獲得

需要家にはウェブサイトからプログラム参加のエントリーを行うと、節電要請が実施日時の前日夕方と当日朝にメールなどを通じて送られてくる。節電時間には「スーパー節電タイム」と「節電タイム」の2種類があり、スーパー節電タイムは獲得ポイントが10倍。参加者は要請時間に節電すると、経産省のERAB(エネルギー・リソース・アグリゲーション・ ビジネス)ガイドラインの「High 4of5」(DR実施日の直近5日間のうち、DR実施時間帯の平均需要量の多い4日間)のベースラインに基づき、節電効果があると判断されると、ポイントが付与される。この獲得ポイントに応じて、QUOカードPayを最大2000円分もらえる。さらに東京都の需要家は期間中に5日間以上の節電達成で2000円分、合計で最大4000円分を受け取ることができる。

同社ではグループの東急ストアと共同で、日々の買い物でポイントを獲得できるキャンペーンも用意した。1月9日から3月31日の間、節電時間中に同店舗で買い物すると、「TOKYU POINT」がたまる「まる得ポイント+eco(プラスエコ)」を実施している。同西田実佳氏は「外出することで家庭の節電につながる。またポイントを付与することで行動変容を促進できると考えている。当社と需要家の双方にメリットがある」と話す。

節電プログラムで得た知見はさまざまな角度から検証し今後の事業運営に活用していく方針だ。「23年夏期は17万3264kW時の節電効果があった。今後は、需給調整市場などに生かせるかどうかなどを検証する」(西田氏)

東急パワーサプライは「新しい生活体験を、エネルギーとともに。」というスローガンの下、エネルギーと暮らしの関係を考えた新たなサービスを今後も展開する。