【東京ガス代表執行役社長 笹山晋一】技術とノウハウを武器に 迅速かつ低価格に 燃転の価値を提供する
過去に高い目標を達成してきた経営体力を基盤に、成長投資を成果と利益に結びつける取り組みを進める。
GXの推進における天然ガスの再評価を糧に、他社と協業し国内外の脱炭素化を着実に前進させ、「東京のガス会社」にとどまらない企業価値を伝えていく。
【インタビュー:笹山晋一/東京ガス代表執行役社長】

井関 今夏は令和8年熊本地震や千葉県豪雨など、自然災害が相次ぎ発生し、エネルギーインフラの災害対応の重要性が改めて認識されました。
笹山 ガス業界内では元々、相互に応援・連携する体制が整っています。10年前の震災の際には当社も復旧応援隊を派遣しましたが、今回の熊本地震では西日本エリアのガス会社が中心となって担い早期に復旧することができました。これまで、当社が大規模な応援を受けるような事態はありませんでしたが、首都直下地震などの大規模災害が発生した場合には、われわれが全国から応援を受ける立場になります。そうしたさまざまなケースを日頃から想定して準備しておくことが重要だと考えています。
7月27日には、大規模な地震の発生とともに想定以上の停電が重なるなど、非常にシビアかつ過酷な状況を想定した防災訓練を実施しました。歴史的にも、関東大震災の際には台風による火災が複合的に発生しました。そのため、最近の訓練ではテーマを都度定め、複合的で極めて過酷な条件を想定した備えを行っています。これで全てが万全と言えるわけではありませんが、各地で起こるさまざまな事象の要素を取り入れながら、当社グループとして安定供給を確実に担保できるよう取り組んでいます。
井関 ガスの全面自由化や導管部門の法的分離など経営・事業体制が変化していますが、災害時の対応に影響はないでしょうか。
笹山 災害や緊急時には行為規制などのルールも緩和・一部適用除外される仕組みとなっています。大規模災害時には当社グループ単独だけでは対応に手を取られることも多いため、一定の体制を確保されている新規参入事業者の方々にもお力を借りながら対応します。そうした新規参入者も含めた形で防災訓練を行っており、業界全体として強固な体制を組めるようにしています。また、ガス業界内にとどまらず、東日本大震災時には他社へLNGを融通しましたし、過去に千葉県で台風による長期間の停電が発生した際には東京電力さまに非常用発電機をお貸ししました。「困ったときはお互いさま」という意識で、業界を超えた相互安全・レジリエンスの担保を図っています。


