【東京ガス代表執行役社長 笹山晋一】技術とノウハウを武器に 迅速かつ低価格に 燃転の価値を提供する

2026年10月1日

ガス再評価を追い風に 地元と協調し需要開拓

井関 第7次エネルギー基本計画やGX戦略といった国の方針において、天然ガスは不可欠なエネルギーとして再評価されています。国内の需要開拓やガスインフラ整備にどう関わっていきますか。

笹山 現実的なGX(グリーントランスフォーメーション)を推進する上で、天然ガスは非常に重要なエネルギーであると再評価されていることは非常に歓迎すべきことです。地方都市や工業団地においても、石炭や重油からの燃料転換によるCO2大幅削減の動きが活発化しています。これらに対し、既存パイプライン供給に加え、LNGタンクローリーや大型基地、内航船など多様なロジスティクスを駆使してお届けするとともに、コジェネや蓄電池、電気のソリューションを組み合わせた高度なエンジニアリングサポートを全国規模で展開しています。また、首都圏ではデータセンター(DC)の開設が急速に進んでおり、当社には、系統電力網の容量制約からスピード重視で電力を確保したい事業者よりコージェネレーションシステムの早期導入に関する引き合いが非常に多く寄せられています。

井関  東京ガスの既存エリア内での需要開拓の余地はありますか。

笹山 当社エリア内においても、需要開拓のポテンシャルは依然として大きいです。例えば栃木県の清原工業団地で実施しているような、複数の工場をエネルギーネットワークで結び最適化を図るモデルは、自治体首長や企業から非常に高い関心を集めています。既存の工業団地の活性化や環境対応策として同様の取り組みを行いたいという声が多く寄せられています。また、短期間での立ち上げが求められるDCなどに対しても、既存インフラを活用した提案を行っており、新たな需要のニーズが出て来ていると感じています。

複数の工場をネットワークでつなぐ清原工業団地


井関 エリア外では他社との需要獲得競争があるのでしょうか。

笹山 当社が地方やエリア外で展開する際の基本スタンスは、単独で進出するのではなく地元のことを熟知している地元事業者と組み、Win-Winの体制を構築することです。現在の資材価格高騰や人手不足といった環境下では、不必要な競争よりも協調して取り組む方が、迅速かつ低コストでお客さまに価値を提供できます。関東周辺では90を超える自治体と包括連携協定を結んでいますが、意欲があってもノウハウや担い手が不足して困っている地域が多く存在します。当社の技術・ソリューション力と地元の事業者の知見を融合させることで、互いにメリットのある地域貢献モデルを広げていきたいと考えています。

井関 23年に立ち上げたソリューション事業ブランド「IGNITURE(イグニチャー)」の浸透状況はいかがですか。

笹山 BtoBを中心にお客さまへの浸透が進み、提供できるソリューションのメニューが着実に揃ってきました。企業のお客さまとお話しする際、「イグニチャーでこうした課題解決ができる」と説明すると具体的な相談につながるケースが増えています。一方で、一般的な認知度にはまだ課題があるとの認識です。単に名称をアピールするだけでなく、実際にサービス内容を体感・体験しながら一緒にソリューションを検討できる拠点の展開を現在、準備・検討しているところです。

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