NEWS 01:伊豆諸島沖に大規模風力整備 COP29で小池知事が発表
東京都の小池百合子知事が、アゼルバイジャンで開かれた地球温暖化防止国際会議・COP29の会合で、伊豆諸島沖に大規模浮体式洋上風力発電(1GW級)の整備方針を表明した。突然のことに、業界からは「小池知事らしい」との声が上がっている。
実はこの発表には前段がある。昨年9月、都が開催した専門家会議「再エネ実装専門家ボード」で、伊豆諸島の海域が洋上風力に適しているとの見解が示された。技術的専門家として出席した東京電力リニューアブルパワーの池ノ内岳彦風力部長代理は「伊豆諸島周辺はおおむね風速が毎秒9mを超える好風況の海域」と紹介。「洋上風力ポテンシャルが高い」と評した。

こうした意見をもとに都が発注した「再エネポテンシャル等調査委託」および「都の海域における洋上風力発電事業ゾーニング調査委託」を航空測量サービス大手のパスコが受託。今年 4月に当該海域における共同調査の基本協定を締結した。
伊豆諸島沖は水深が深く、大型台風の通過も多い。気象庁によれば、台風接近数は2021年7回、22年4回、23年3回、24年はこれまでに3回だ。また、離島という立地上、資機材の輸送・調達も課題だ。
小池知事はこれまでも新築住宅への太陽光設置義務化で物議を醸してきた。今回の洋上風力整備計画もまた、新たな議論を呼び起こしそうだ。
NEWS 02:電気ガス代補助が再開へ 野党の主張がまだましか
エネルギー関係者の懸念が現実になった。政府は11月策定の経済対策で、電気・ガス代への補助金を来年1~3月に再開する施策を盛り込むことを決めた。
具体的には、1、2月使用分について今年10月の補助と同水準で、電気は家庭向けで1kW時当たり2・5円、都市ガスは1㎥当たり10円を助成。3月は補助額を縮小し、電気1・3円、都市ガス5円とする。また、年末で終了することになっている燃料油補助については、来年1月以降も継続するが、段階的な終了に向け補助額を縮小させていく方針だ。
先の衆院選の公約の中で、自民党は〈電気・ガス料金、燃料費高騰対策と併せて、物価高が家計を圧迫する中、国民の皆様の生活を守るため(中略)物価高への総合的な対策に取り組む〉と、継続の方向を提示。公明党も〈家計を圧迫している電気・ガス料金、ガソリン等の燃料費への支援を続ける〉とした。それだけに特段の驚きはないが、業界内外では「何も生み出さない筋違いの巨額の国費投入をいつまで続けるのか」「市場の価格決定機能をゆがめる愚策は、もういい加減やめてもらいたい」といった批判の声が渦巻いている。
一方、日本維新の会は、事業者への補助金投入ではなく需要家への直接給付、最終消費者の省エネ・節電へのインセンティブが働く激変緩和制度の導入を提起。国民民主党は、再エネ賦課金の一時停止による電気料金の引き下げを求めている。ただ、同党はトリガー条項の凍結解除も訴え、これは補助金以上の「悪手」との評がある。
十数兆円に上るエネルギー料金補助の投入が、国民経済にどの程度の具体的効果をもたらしたのか。政府による検証が不可欠だ。
NEWS 03:四国で大規模停電の真相 背景に同期協調の難しさ
四国エリアで11月9日夜、約1時間半にわたって最大36万戸超の大規模な停電が発生した。発電所のトラブルや、自然災害などによる送電設備の損かいがあったわけではない。なぜこのようなことが起きたのか。
本州と四国をつなぐ連系線は、交流の本四連系線(本四)と直流の阿南紀北直流幹線(DC)の2カ所4回線。四国電力送配電によると同日、本四とDCそれぞれ1回線が作業停止していたところ、午後2時20分ごろに運用中だった交流回線が事故で自動停止し交流連系が途絶した。DC1回線でエリア内の周波数を制御するという、危うい状態に陥ったのだ。
そこで同社は、作業停止していた交流回線の復旧を開始。午後8時ごろ、本州側との同期運転に戻そうと試みたものの、位相が大きくずれたままうまくいかなかった。DCがエリアの周波数を制御している状態では、位相のずれを修正することが難しかったと考えられる。
自ら位相調整を行うため、四国送配はDCを共同運用する関西電力送配電に周波数制御と潮流制御を止めるよう要請した。だが意図が正確に伝わらず、関西送配が周波数制御のみを止め潮流制御が生きたままになったところ、四国から関西への潮流が急増。四国内の供給力が不足したことで、需給バランスを維持する周波数低下リレー(UFR)が働き大規模停電に至った。
停電の要因は、両送配電会社の連携ミスだ。とはいえ、電力業界関係者は「位相がずれると潮流の乱流があることは分かっていても、実際に経験したのは日本の電力業界としても初めて」と、極めてまれな事象が起きていたことを強調する。改めて、同期協調の難しさとその意味を知らしめることになったと言えそうだ。
NEWS 04:GXに若干の石破色 年末にビジョン案提示へ
GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議が10月31日に開かれ、石破茂首相はGX2040ビジョン、エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画の案を年内にまとめることなどを改めて指示した。GX加速への当座の取り組みをまとめ、経済対策に盛り込むことも求めたが、ここで若干の石破カラーが出た。

再エネ関連では、以前より地熱や中小水力が目立つ立て付けとなっている。石破首相はあいさつで「地域の森林資源の活用などにも効果的な脱炭素先行地域の拡大や、地熱、中小水力の開発は、地域経済にGXの恩恵をもたらす」などと強調。GX実行推進担当相が提出した資料でも、当座の取り組みの中で再エネ関連は「地熱などの再エネ拡大」とくくり、「地域が高いポテンシャルを持つ地熱や中小水力の開発加速」をまず掲げた。
ある有識者は、今年初めのとある研究会で地球温暖化問題などについて講演した際、当時無役の石破氏がすっと手を挙げ「地熱と中小水力で賄えないのか」と質問。これを聞き、「石破さんは個人的に地熱などが好きなのだと感じた」と振り返る。
とはいえ、GXは基本的にはこれまでの路線を踏襲する方針だ。事務局は、「地域経済の成長に資する再エネや省エネは、総理の経済対策の指示の中でもフォーカスされているが、LNGの確保や原子力などが不要ということではない」と説明する。





















