法改正が起爆剤? LP業界の合従連衡
「コンサルタント会社に持ち込まれるLPガスのM&A案件が急激に増えていると聞く。今後、相当なスピードで業界再編が進んでいくのではないか」
こう語るのは、エネルギー業界通のK氏だ。かつて3万を超える販売事業者が存在していたLPガス。現在は1万6000社程度と半減したものの、今も全国津々浦々、都市ガスが行き届かない地域のエネルギー供給を担っている。その業界にM&Aの嵐が吹き荒れる背景には、過疎化や他エネルギーとの競争などで需要が減り続けていることもあるが、「液石法改正が起爆剤になっている」(業界関係者D氏)との見方も。

資源エネルギー庁は今年4月、LPガス業界の不透明な商取引の是正に向け液化石油ガス法を改正した。第一弾として、7月にはガスの契約を獲得するための過大な営業行為が制限された。問題は来年4月に施行を控えた、第二弾の「三部料金制の徹底」だ。
三部料金制には、ガスの消費とは関係ない設備の費用が料金に上乗せされている現状を是正する目的がある。だが、システムの変更やマニュアル作りなど大掛かりな対応に迫られるため、「特に零細事業者にとっては困難。廃業の引き金になってもおかしくない」(業界紙記者A氏)。これを機に、業界再編が加速しそうな情勢となっている。
目下、LPガスの大規模M&Aの案件として業界関係者が注視するのが、M銀行系の投資専門子会社Sが全株式を取得したR社の行方だ。「Sは1年以上R株を保有する気はない。新たな買い手を探しているはずだ」と前出のK氏。事業規模を考慮すると、業界最大手の一角を担うN社が最有力といったところか。
津波想定が25mに どうする浜岡の防潮堤
中部電力浜岡原発の防潮壁が、さらにかさ上げを迫られることになりそうだ。原子力規制委員会は10月11日の審査会合で、南海トラフ地震で巨大津波と海底地滑りが重なった場合、浜岡に到達する津波の高さが最大で25・2mに達するとの中電の評価を概ね了承した。現在の防潮壁の高さは22mのため、中電では壁のかさ上げも含めて対応を検討するとしている。
2011年の東日本大震災以降、中電は浜岡の防潮壁について当初は標高18mで工事に着手。しかし国の有識者会議が想定津波を最大19mとしたことを受け、22mに引き上げ15年12月に完成した。ただ、想定津波はその後も21・1m→22・5m→22・7m→25・2mと段階的に引き上げられてきた格好だ。
中電はさらなる追加工事を行うのか。専門家K氏は「既存の防潮堤(20mの鉄筋コンクリートの上に、さらに2mの鋼板を載せている)で、さらに3m以上のかさ上げは、構造的にも強度的にもさすがに無理があるのでは」と指摘する。
「既存の防潮堤の前面に津波の高さ、津波力を弱める構造物を造る方法も考えられるが、相当な費用が必要になり、新たに造った構造物が既存の防潮堤に悪さをしないなどの実証試験が必要となる。最も現実的な手段は、現行の審査基準である『ドライサイト』をやめることだ。敷地内に津波が流入しても、重要施設に津波が侵入しない構造とすることで対応するべきだ」
今後、新たな知見が出て津波想定がさらに引き上げられる可能性もある。そのたびに、「ドライサイト」の判断基準で防潮堤の引き上げを行うことは非現実的といえよう。すでに地元住民からは、浜岡を守るための防潮壁ばかりに津波対策の関心が向かう風潮に疑問の声が聞こえている。
「25mといえば7階建てのビルくらいの高さだよ。そんな巨大津波が押し寄せてくれば、遠州灘沿いどころか静岡県は壊滅状態になる。その時、われわれ住民を津波から守るための対策を、国や自治体はどう考えているのか。正直言って、浜岡原発がうらやましい。現状では浜岡だけが津波から守られ、避難所となるのは想像に難くない」(浜松市内に住むS氏)




















