エネ庁幹部罵倒の過去 河野太郎氏の本音は?
「じゃあ、北朝鮮のミサイル攻撃に無防備だと、原子力は。日本は、使用済み核燃料を捨てる場所も狭くてありませんと、全部書けよ!」「再エネ最優先と言っているのに、そんな恣意的な記載を認めるわけないだろうが。いい加減にしろよ!」―。
2021年8月24日、第6次エネルギー基本計画の素案を巡るオンライン会議の場で、説明する資源エネルギー庁の幹部X氏らに罵声を浴びせた河野太郎・規制改革担当相。それがここにきて一転、原子力政策への理解を口にし始めた。
去る7月31日、日本原子力発電の東海第二原発や日本原子力研究開発機構の高速実験炉・常陽を視察した河野氏は、記者団に対し「電力需要の急増に対応するため、原発の再稼働を含め、さまざまな技術を活用していく必要がある」と述べたのだ。
これを受け、大手メディアは一斉に次のような報道を展開した。〈河野太郎氏、電力は「原発再稼働しても足りない」〝脱原発〟を封印、支持拡大狙う〉(産経新聞)、〈河野氏、「脱原発」から転換、自民総裁選へ支持拡大狙う〉(日本経済新聞)、〈「脱原発」イメージ払拭へ、河野大臣原発視察などで現実的なエネルギー政策進める姿勢〉(テレ朝ニュース)―。

いずれも、9月に行われる自民党総裁選への出馬をにらみ、支持層を拡大すべく持論の脱原発を封印してきたという内容だ。一部報道によれば、6月下旬の時点で、所属派閥の親分である麻生太郎・自民党副総裁との会食の席上、自らのエネルギー政策の修正を伝えたとみられている。
8月13日、岸田文雄首相が9月の総裁選に出馬しない意向を表明したことで、行方は混とんしてきた。永田町関係者Ⅹ氏が言う。
「河野首相誕生の可能性もそれなりに高まった格好だが、かつての暴言が物語るように、河野氏の本音は脱原発・核燃料サイクル反対だ。いくら総裁選前に表面を取り繕ったところで、いつか馬脚を現すだろう」
現在は、原子力推進を基軸とする第7次エネ基議論の真っ只中。もし首相となった暁には、冒頭のエネ庁関係者に謝罪してもらいたいところだ。
石丸氏の都知事選躍進 裏にエネベンチャーの影
東京都知事選で168万票を獲得し旋風を巻き起こした石丸伸二氏が、大物支援者から不興をかっている。電力業界の異端児で、再生可能エネルギーベンチャー企業の創業者Y氏が、「石丸は一人で168万票を獲ったと勘違いしている。底の浅さも露呈しており、先行きが不安だ」と公言しているのだ。
もともとは小池百合子都知事と親しく、自民党にも影響力を持つY氏が石丸氏を支援した経緯は、親交のあるドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏に協力を要請されたからだという。Y氏は「裸一貫で出てきた石丸氏のような挑戦者が政治には必要だと考えた。ソーシャルメディアを駆使した手法でこれまでの選挙に風穴を開けるのが目的だった」と語る。
Y氏はもともと大手通信事業者の社員だった。石丸氏と同じ40代で独立して通信ベンチャーを立ち上げた。今やその通信ベンチャーは古巣の通信事業者と肩を並べる一流企業に成長した。Y氏は「石丸氏は大学の後輩になるし、私と境遇が似ているところにシンパシーを感じた」とも話していたという。
都知事選では投票日の10日前に支援に入り、小池、蓮舫両氏の支援票を石丸氏に移させたというから、躍進の立役者といっても過言ではない。しかしそんなことはどこ吹く風と言わんばかりの石丸氏は、あるメディアで支援者のことを聞かれると「168万分の1に過ぎません」と語り、石丸構文がさく裂した。これを聞いたY氏をはじめ大物支援者は「図に乗りすぎだ」と怒り心頭だったという。
メディアへの露出が増えて、知名度も全国区になった石丸氏だが、今後の動向については依然謎のままだ。Y氏をはじめ支援者は次の一手を模索しているというが、石丸氏自身の底の浅さが露呈してしまい一時の勢いを失いつつある。恩をあだで返すような彼の人間力の欠如が、重要な支援者ですら石丸離れに傾かせているのかもしれない。

















