ファンドの餌食に? 東電再建計画への懸念
悲願だった柏崎刈羽原発の再稼働を果たし、新たな経営再建計画である「第5次総合特別事業計画」を発表した東京電力ホールディングス。この計画の柱に据えた外部との資本提携の話が関係者の間で話題を呼んでいる。
自力での経営再建が事実上不可能に近い状態が続いているだけに、外部との資本提携は切り札的な意味合いを持つと好意的な指摘を受ける一方、東電に関係するX社の関係者からは「ハゲタカファンドの餌食になり得る」と疑問を呈す声も聞こえる。

東電は外部資本提携の募集をすでに始めた。国内外のファンドや事業会社などを念頭に3月末までに具体化する。資本提携では外資企業や株式の非公開化も排除しないという。提案先には福島第一原子力発電所事故の処理費用捻出などの条件を提示している。
すでにファンドでは産業革新投資機構(JIC)の国内勢のほか、外資では米KKRや米ベインキャピタルなどが関心を示しているという。
X社の関係者は「事故処理費用という途方もない借金を背負う企業にどこが提携するのか疑問だ。まず優良企業はない」とばっさり。その上で「正直、半分国営企業である東電のネームバリューを利用しようとするところは目を付けている可能性があるかもしれない。例えば、有名なMファンドや物流のほか多角化著しいS社とか。外資だったらB社やE社なんかもあるかもしれない」と見通す。
提携条件には電力事業の拡大ということも含まれているが、送電網の拡張などこの先巨額な設備投資が重くのしかかるだけに「まともな企業なら尻込みするのが普通」(X社関係者)。再建ではなく崩壊につながらないことを祈るのみだ。
原子力推進へ好機到来 旧安倍派復権の影響度
2月8日に投開票が行われた衆議院選挙で、政権与党の自民党が316議席を得る歴史的な大勝をした。エネルギー問題に熱心な議員も復活、復権したが、世代交代で重鎮がいなくなった。影響はどうなのか。
自民党旧安倍派は、亡くなった安倍晋三元首相をはじめ、リーダーがそろってエネルギー安全保障に関心があったため、エネルギー問題に詳しい議員が多かった。ところが、いわゆる「裏金問題」「統一教会問題」で批判される議員が多く、ここ数年は党の要職から外れる議員、比例立候補を認められず落選する議員が多かった。
ただし旧安倍派の多くが、今回の選挙で復権した。東京のO議員、新潟のT議員、愛知のS議員、兵庫のN議員らだ。「党内で、再稼働をはじめとした原子力推進の動きが一段と高まるのは間違いない。業界側もそれを期待しているだろう」(自民党政策秘書)
その一方で、人が入れ替わった面もある。エネルギー問題の重鎮だったA氏は政界を引退。N議員は衆議院議長になって口を出せない。中堅層で原子力問題に取り組んできた、H議員は東海ブロック、I議員は北関東ブロックで当選した。ただし二人は選挙区公認を得られず、影響力低下は免れないだろう。「若手議員は特定業界にべったりと思われるのを嫌う。かつてのように、熱心に原子力問題に取り組む議員がどのくらいかは何ともいえない」(永田町関係者)との懸念もある。
とはいえ、自民をはじめ、連立を組む日本維新の会のほか、それなりの議席を確保した国民民主党、参政党、チームみらいは、いずれも原子力推進の立場を鮮明にしている。再稼働だけでなく、原発停止の長期化をもたらした最大要因である原子力規制委員会の審査体制の在り方を、政治主導で変えていく絶好の機会が訪れたといえよう。




















