第7次エネ基でフロントの政策はアップデートされたが、バックエンドは足踏みが続く。エネルギー問題に関心を持つ若い世代は原子燃料サイクル政策の現状をどう捉えているのか。
【インタビュー:富澤 新太郎/元第76回日米学生会議実行委員環境経済とエネルギー安全保障分科会代表】

2003年生まれ。東京都出身。現在、東京大学医学部医学科に在籍。ロシア・ウクライナ戦争を機にエネルギー問題に関心を持つ。24年、第76回日米学生会議実行委員会・環境経済とエネルギー安全保障分科会代表を務めた。
――東日本大震災以降の日本の原子力政策をどう評価しますか。
富澤 第7次エネルギー基本計画で原子力を最大限活用するとし、政策が正常化された点は評価しています。自由化された市場の中で、新規制基準に対応するための巨額の工事費用を回収するには再稼働が必要であり、またリプレースに向けても進展がありました。
他方、中部電力の浜岡3・4号機の再稼働審査を巡る不正のようなことはあってはなりません。政策的には原子力にゴーサインが出ているのだから、むしろ旧一般電気事業者にはより責任ある対応が求められ、そのために国がどうバックアップするかも今後の課題でしょう。
――原子燃料サイクル政策についてはどう捉えていますか。
富澤 フロント事業と異なり、サイクルは想定との乖離があり、原子力政策のアキレス腱だと受け止めています。政策を強力に進める経済的なインセンティブが薄い状況ですが、日本が一定程度のプルトニウムを保有している以上、国際公約であるプルサーマル計画を放棄することはできず、建前でもこの方針は堅持すべきです。また、再処理前提の最終処分場の選定でも大変なのに、それより有害度の高い直接処分の最終処分場を国内で見つけることは至難の業であることも理解しています。
歩み遅くとも安全重視で トラブル報道の見直しを
富澤 中間貯蔵施設は比較的運用しやすく施設を拡張する可能性があり、MOX燃料の活用も広がっています。リスクをとって急いで再処理する必要性が低い中、歩みは遅くとも安全性を重視する現状方針の維持がベターでしょう。再処理工場の完成が27回も先送りされたことからも分かるように、資源を再利用する閉鎖系の運用は開放系より難易度が高く、扱いの難しい放射性物質の管理にはより高度なシビアアクシデント対策が求められます。もんじゅのように、運開してすぐ止めるという事態になっては困ります。
ただ、いつまでもこのままで良いというわけには行きません。例えば10~20年といった期間を設け、その間に実現のめどが立たないのであれば、直接処分や海外委託といった飛び道具を含め、「プランB」を示す必要もあるのではないでしょうか。
――原子力報道に思うことは?
富澤 稼働すれば小さなトラブルは何かしら起こるものですが、メディアは大小の区別なく一律に報じがちです。福島事故の教訓は、トラブルが起きた際に可能な限り被害を低レベルに抑えるための危機管理が重要だということ。報道もその教訓を踏まえ、トラブルをゼロイチで捉えてすぐに待ったをかける報道ではなく、グラデーションを付けて説明し、国民に正確な情報を提供する姿勢が求められます。













