【電力】原子力の前進 新政権への期待


【業界スクランブル/電力】

8月28日、安倍晋三首相が、健康上の理由から辞任の意向を表明した。7年8カ月に及ぶ憲政史上最長政権の功罪については、さまざま語られているが、政権終了に当たって、世界各国からこれだけ感謝のメッセージが寄せられた政権は筆者の記憶にない。最長政権になったのにはそれなりの理由がある。

9月2日、3日に行われた朝日新聞による世論調査結果が筆者には興味深いものであった。それによると、第2次安倍政権の実績評価について、「大いに」17%、「ある程度」54%を合わせて、71%が「評価する」と答えた。また、評価する政策を選んでもらうと、「外交・安全保障」が30%で最も多かった。

安倍政権の外交・安全保障政策といえば、日米豪印による安全保障ダイヤモンド構想や、特定秘密保護法・安保関連法などの一連の法整備が浮かぶ。前者は画期的な中国包囲網だが、マスコミがまともに報じたのを見たことがない。

後者は、逆に「治安維持法の再来」だの「戦争法」だのとマスコミが散々たたいたもので、法が成立した時点での世論はおそらく反対が上回っていただろう。こうした偏った報道に足を引っ張られながらも、国を守るために必要なことをやってくれたと相当数の国民は評価していて、それが、政権総括の世論調査での高評価となったのだろう。

他方、最長政権でも原子力政策にはほとんど進展がなく、率直に言って失望感がある。後を継いだ菅義偉政権で一歩でも二歩でも前に進めばと願っている。具体的には、北海道寿都町が勇気を持って名乗りを上げてくれた高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査であり、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出であり、現在停止している原子力発電所の再稼働であり、より大きくは今世紀後半に脱炭素社会を実現する上で、原子力技術をどう位置付けるかだ。少なくとも選択肢としてすら維持されないようでは、国の将来は暗い。安倍政権の間に、マスコミのプロパガンダに気付いた国民が少なからずいそうなところが希望だが。(T)

画像からひび割れを自動検知 インフラ点検をAIがアシスト


【東設土木コンサルタント】

道路や橋梁など、社会インフラの老朽化は深刻だ。国土交通省の調べによると、建設後50年経過する道路橋の割合は、73万箇所のうちまだ約25%(2018年時点)にとどまる。しかし23年には約39%、33年には約63%まで急増。トンネル、水門などの河川管理施設も、それぞれ33年には約42%、約62%となるなど、老朽インフラ急増が社会問題化している。

東京電力グループ・東電設計の子会社である東設土木コンサルタントと映像機器メーカーのキヤノンは、これらの問題の解となり得るインフラ点検業務を効率化させる専用AIを共同研究した。

AIによる自動判読で業務効率化を実現する

作業時間を大幅改善 トンネルや発電所にも

東設土木コンサルタントは、橋梁の保守点検時に必要な、微細なひび割れ(クラック)などの変状部位を示した展開図を作成するシステム「CrackDraw21」を販売している。本システムはカメラで撮影した橋梁の床版画像からゆがみなどを補正し、変状部位を見つけ出す作業をアシストする便利な機能を搭載しているが、さらにこれまで人の手で判読していたクラックをAIが自動解析する結果も読み込める機能が追加された。

これは、同社が蓄積するクラック画像をキヤノンに提供し、キヤノンが変状を判読する専用のAIを開発。従来は12時間掛かっていた判読作業を、AIによる作業の自動化により、専門技術者による確認作業を含めて90分まで短縮することに成功。「作業の省力化だけではなく、点検者の技量に左右されない高度な点検を行える」と、同社の島田保之社長はAIのメリットについて説明する。

また国交省は、18年11月に民間企業が持つ道路橋の点検記録の作成支援技術の精度を調査すべく、実際の道路橋を用いた技術試験を実施した。試験には7社が参加しており、同社のクラック判読可能率は7社の中で最も高い「99%」との高い数値を記録。高い精度が評価され、国交省が同月に発表した「点検支援技術の性能カタログ(案)」に同社とキヤノンマーケティングジャパンが共同提供するサービスが掲載された。

他社製品との違いについて事業推進部の野澤英二部長は「クラックなどの変状箇所を判読する技術は多いが、当社のように画像解析から解析後の調書作りまでの一連の業務を含むシステムはほかにない」とアピールする。

既に道路会社などで採用実績もある本システムだが、今後は漏水や剥離も解析できるよう、研究を進めていく。また活用場所もトンネルから火力・水力発電施設など、多くの場所で利用できないかと全国から相談が寄せられているという。点検作業の省力化を果たせる新技術は、今後ますます注目されそうだ。

CO2フリーの水素ステーション FCバスの供給拠点として高稼働


【東京ガス】

一台、また一台と、燃料電池バス(FCバス)がひっきりなしにやって来る。東京ガスが日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)と共同で今年1月に開設した豊洲水素ステーションの稼働が順調だ。

ディスペンサーを2基備え2台同時の充填が可能だ

通常時で1日約20台への供給を見込んでいたが、「多い日には30台以上を受け入れています」と、東京ガス産業エネルギー事業部水素ソリューショングループの石倉威文マネージャーは稼働状況を説明する。

バスがディスペンサーに横付けされると、係員が慣れた手付きで充塡作業を行う。82MPaで毎時300N㎥の充塡能力を持ち、1時間でFCバス3台程度の充塡が可能だ。充塡を終えたバスは、再び市街地へと走っていく。

FCバスの導入台数は都営バス60台のほか、日立自動車交通や東急バスなど民間企業からの参入も進み、街中で目にする機会も増えてきた。同ステーションのFCバスへの充塡実績は8月中旬時点で累計1764台に上っている。

主要設備を2系統設置 不具合時の運用可能に

この高稼働を支えるのが〝フラッグシップ〟仕様設備の数々だ。商用化初となるダイアフラム式の圧縮機や高耐久かつ軽量化を図った82MPa蓄圧器を採用した。中でも水素の圧縮・蓄圧・充塡に関わる主要設備を2系統で構成した。ディスペンサー(トキコシステムソリューションズ製)も2基設置されており、2台同時の充塡が可能だ。仮に1系統で不具合が発生しても運用を継続できる。また、年1回の法定点検では、通常のステーションで2~3週間となる休業を数日程度に短縮することを想定している。

もう一つの特長が「CO2フリー化」を図っている点だ。同ステーションはオンサイト方式で、都市ガスから水素を製造して供給する。東京ガスは、調達先のシェルグループが保有するCO2クレジットで天然ガスの採掘から燃焼までに発生するCO2を相殺した「カーボンニュートラル都市ガス」を調達し、水素の原料に使用している。さらに、エネットが同ステーションに100%再生可能エネルギーによる電力を供給している。これにより、同ステーションで供給する水素の「CO2フリー」を実現している。

東京ガスは、同社グループの事業活動全体で「CO2ネット・ゼロ」を目標に掲げる。水素への取り組みもその一環として、積極的に進めていく方針だ。

消費者行動からの省エネ対策 生活や暮らし方を見直す機会に


【気候変動・省エネルギー行動会議】

住環境計画研究所が事務局を務める気候変動・省エネルギー行動会議はこのほど、省エネ行動などをテーマとする研究会議「BECC JAPAN2020」を開催した。新型コロナウイルスの感染拡大により、初めてのオンライン開催となる中、エネルギーや住宅・建築をはじめ、メーカーや大学・研究機関、行政など幅広い業界から延べ237人が参加した。

中上英俊所長のあいさつから始まり、続いて京都大学情報学研究科の川上浩司特定教授が基調講演を行った。その後のセッションでは、「HEMS(家庭用エネルギー管理システム)導入世帯のエネルギーの使い方」や「設備・機器の購買の意思決定」、「卒FITやAIによるエネルギー分析」など、多種多様かつ興味深いテーマが発表された。

オンラインによる発表の様子

川上教授は「不便益のススメ」と題し、不便だからこそ得られる価値や効用について講演。不便であることを積極的に活用する事例を紹介した。例えば、山口県のデイサービスセンターでは段差や階段などをあえて設置し、バリアフリーならぬ「バリアアリー」として入居者が体を鍛える機会になっている。

また、ある自動車工場では組み立て作業の分業化を廃止し、複数工程を一人で作業することで社員のモチベーション向上につながっているという。デジタル化や自動化が進む現代において、不便益の発想が行動変容を促すきっかけになることが示された。

実例をもとにした調査報告 具体的な数値を提示

発表セッションでは、東京都市大学大学院環境情報学研究科の吉田一居氏が、全戸にエネファームを設置した分譲マンションでのエネルギー消費を調査した結果を発表した。それによると、夏季に電力使用量がピークになる家庭が8割を占め、12~3月にかけて床暖房の使用頻度が上がり、ガス消費量が多い傾向になるという。

住環境計画研究所の岸田真一主任研究員は、「卒FIT世帯の蓄電・蓄熱設備導入状況に関する調査」について発表。卒FIT家庭では、約4割が家電の使用時間を日中にシフトしていると述べた。また、蓄電池の導入率は約21%、売電先の変更が約18%といった消費者動向の報告が行われた。

いずれも実例をもとにした調査結果による興味深い発表が相次いだ。消費者の行動や暮らし方、意思決定が省エネに及ぼす影響を考える機会となった。

ITで電力の安定供給を守りながら 新規事業など攻めるところは攻める


【中電シーティーアイ/内藤社長】

中電シーティーアイは、今年4月の送配電分離と新たなITの構築をコロナ禍のもと同時並行で対応した。未曽有の事態をどう乗り越えたか。中部電力グループを取り巻くITの現状と今後を内藤雄順社長に聞いた。

ないとう・かつゆき 1978年早稲田大学大学院修了、中部電力入社。系統運用部長、岡崎支店長、監査役、東海コンクリート工業社長を経て、2017年6月より現職。

―今年4月に送配電分離が実施され、中部電力、中部電力パワーグリッド、中部電力ミライズ、JERAの4社に機能分離しました。システム改修を手掛けた貴社の取り組みについてお聞かせください。

内藤 一連の電力システム改革は、「電力ITインフラ改革」でもあります。中部電力と一体となって、既存システムの大規模な開発・改修と新たなITの構築を同時並行で、しかもコロナ禍のもとで進めたため、大きな困難を伴いました。

分社化に合わせ大規模な三つの基幹システムに加え、連係する約150に及ぶシステムを機能分離し、規制・競争分野の行為規制・情報遮断などへの対応を行い、さらに各事業会社間の取引や事業計画策定から財務諸表作成までの個社対応なども行いました。

複数のシステムを同時並行で開発・改修したため、全体のマネジメントに腐心しました。

―新型コロナウイルスの感染拡大の影響はありましたか。

内藤 相当なプレッシャーでした。クラスター感染が発生すると、業務が停止します。とにかく、中部電力グループ、ビジネスパートナーを含めてウェブ会議・リモートワーク環境の増強を急ぎました。感染防止に細心の注意を払い、運用開始にたどりつきました。半年が経過しますが、大きなトラブルもなく、胸をなでおろしています。

再エネ設備も損壊 記録的暴風がもたらした被害


9月6〜7日にかけて、非常に強い勢力で沖縄から九州に接近した台風10号。当初予想された「特別警報級」の巨大台風とはならなかったものの、各地で大規模な停電や土砂崩れ、家屋の倒壊、樹木の倒壊による道路の寸断に見舞われるなど、大きなつめ跡を残した。

羽根を折られた風力発電機
提供:朝日新聞

台風の接近とともに、広く暴風が吹き荒れ、沖縄県南大東島で51.6m、鹿児島県十島村中之島で46.5m、長崎県長崎市野母崎で59.4m、対馬市鰐浦で48.9mなど観測史上最大瞬間風速を記録。これには、電力設備も無傷ではいられなかった。

鹿児島県内では、南さつま市と枕崎市で風力発電施設の羽根が折れていることが確認された。テレビやSNSには、メガソーラーのパネルが剥がれたり、民家の屋根置き太陽光設備が吹き飛ばされ隣家の車を損壊させたりといった映像が流れ、風雨被害のすさまじさを物語った。

配電設備の損壊で、九州全域で最大約47万件という大規模停電が発生した。だが、予想よりも台風の規模が小さかったこと、九州全域が暴風域に入る予報を受け、九州電力が早期に全社を挙げて非常災害体制を敷き備えたこともあり、9日夕までには全面復旧した。

山下産技局長が環境省に注文 地域循環共生圏の具体化を


地域での分散型エネルギーの実装に向けた、経済産業省と環境省の連携チーム発足から早1年半。この間、大臣や役人の人事があっても、良好な関係が維持されている。7月に着任した山下隆一・経産省産業技術環境局長も、本誌などのインタビューで、環境省との連携の重要性を認識していると強調した。ただ、同省が提唱する「地域循環共生圏」については、そろそろ具体化のステップに移すよう注文を付けた。

昨年来「2050年ゼロカーボンシティ」を表明する自治体が拡大し、小泉進次郎環境相のトップセールスもあって、その数は153に上る(9月16日時点)。これに対して山下氏は「自治体のコミットを需要にまで落とし込み、具体的な形にしてほしい」と強調。例えば公用車を電動車にする、再エネはFITを利用せず地域内で回す、といった取り組みを環境省が後押しすべきだとした。

環境省サイドも、地域循環共生圏を次のステップに移す必要性は認識しており、和田篤也・総合環境政策統括官は着任時の会見で「リアリティーあるプロジェクトとして展開したい」と語った。

新たな布陣の下、地域循環共生圏がビジョン先行の取り組みから脱却できるのか、注目される。

地域循環共生圏の具体化を訴える山下氏

AI搭載のスマートリモコン 好みの温度にエアコンを自動制御


【中部電力ミライズ】

中部電力ミライズは、2018年から提供している家電用のスマートリモコン「ここリモ」に、AI機能を追加した。エアコンの設定温度を利用者の好みに合わせて自動でコントロールする。

AI機能は、データやルールからパターンを見つける機械学習によるもの。機械学習を活用したAI機能を搭載するスマートリモコンは、国内初となる。

ここリモはサービス料無料でスマートホームを実現できる

ここリモは、スマートフォンと連動させて自宅の家電を遠隔操作でき、家電を買い替えることなく手軽にスマートホームを実現するサービス。本体は直径80㎜高さ40㎜の丸みのある円柱形で、360度方向に赤外線を飛ばすため、設置場所の自由度が高い。

専用のスマホアプリをダウンロードしてリモコン登録などの初期設定を行い、スマホからここリモを介してエアコン、テレビ、照明の操作ができる仕組みだ。

従来の主な機能は、①外出先から家電をコントロールする遠隔操作機能、②指定した時刻に家電を操作するスケジュール機能、③エアウィーヴ社と共同で開発し、快適な睡眠のためのエアコンの設定温度を自動でコントロールする快眠コントロール機能、④エアコンの電気代を予測する機能―などがある。

例えば、防犯対策として外出先から照明をオンにするほか、出勤時刻に合わせて登録した家電を一括でオフにできる。朝の慌ただしい時間に照明やエアコンを切り忘れて出掛ける心配がなくなる。

また、快眠コントロール機能では、寝入り時の室温を下げ、最初のノンレム睡眠を深い眠りに誘導し、起床時まで快眠できるよう自動で温度を調整する。

AIが快適空間を実現 20分ごとに自動で操作

AI機能を活用するには、約20時間程度、専用アプリからエアコンの設定温度をこまめに変更し、好みの温度を学習させる。学習後は、AIが20分ごとに好みに合わせて設定温度を自動で調整する。

日常ではエアコンの設定温度を手動で変更するのは面倒だと感じ、快適な温度でなくても我慢しがちだが、AI機能により、リモコンやアプリを操作することなく常に快適な温度が実現する。

既にここリモを購入している利用者は、スマホアプリのバージョンアップでAI機能を利用できる。

そのほか、音声コントロール対応の家電でないと利用できないスマートスピーカーも、ここリモと連携させれば音声コントロールが可能になるといった特長も持つ。

同社は今後も、ICTやIoTを活用し、安心で快適な暮らしに貢献できるサービスを提供する考えだ。

里山をぶち壊すメガソーラー FIT制度の欠陥が顕在化


日本三大稲荷や陶器の町として知られる茨城県笠間市。関東北部の市内に広がる四季折々の美しい里山風景がいま、自然破壊を誘引する開発プロジェクトの脅威にさらされていることはあまり知られていない。

ドローンで空撮した笠間市本戸・来栖地区のメガソーラー

「まさか太陽光発電所の建設工事で、山が丸裸になるとは……」。同市の本戸・来栖地区の山間で進むメガソーラーの造成工事を目の当たりにし、ある地元住民は絶句した。切り崩された山林斜面の岩盤をダイナマイトが粉砕、その跡地をショベルカーやブルドーザーが行き交う―。「太陽光発電といえば、空き地にパネルが立ち並んでいるイメージ。それが何だ、このありさまは」

遠目には採石場かと思いたくなるような光景だ。しかし、林地開発許可を記す現場の立て看板にはしっかりと、こう書かれてある。

『開発行為の目的=太陽光発電事業』『許可を受けた者=CS茨城来栖合同会社』『現場管理者=カナディアン・ソーラー・プロジェクト株式会社』―。本誌の調べによると、この事業は2016年3月にFIT認定を受けており、発電規模は1万kW。許可されたCS茨城来栖合同会社とは、カナディアン・ソーラー(CS)の関係会社であり、いずれも代表は同じジェフ・ロイ氏が務めている。

CS社は名の通りカナダに本社があるものの、創業者のショーン・クー会長は中国出身。パネル生産工場も中国にあり、実質的には中国系と言っていい。こうした事情から、地元の一部では「中国企業がソーラー開発の名の下に自然を破壊しまくっている」とのうわさも流れているのだ。

強行された発電所建設 崩壊現場は放置状態

ちなみに、この山では反対側の斜面でも別の中国系企業によってメガソーラーが運営されている。こちらは、急峻な斜面を縫うように太陽光パネルが敷き詰められているのが特徴。「山一帯の地権者のうち売却に応じた3人の土地のみに太陽光発電をつくったことで、実に奇妙な形状になっている」。地権者の一人はこう打ち明ける。「こんなところに発電所をつくるのか」。建設にあたっては周辺住民による反対運動が巻き起こったが、強行された。道路にはいまも「建設反対」の看板が立つ。確かに山崩れでも起きたらどうなるのか、想像もつかない。

そんな不安が現実になった太陽光開発現場が笠間市内にある。やはり山の斜面に建てられた太陽光発電の敷地で昨年、大型台風などの影響によってがけ崩れが発生。流出した土砂は近隣の田んぼを埋め尽くし、周辺の道路にも押し寄せた。しかし、同地の開発業者はその後倒産。責任者不在の中、地元の造園業者によって応急措置が講じられたものの、大半は1年たった現在も放置されたままだ。

「高額な買い取り価格、環境アセス不要、コスト優先の手抜き工事など、欠陥FIT制度のツケが今になって顕在化してきている」(経済産業省OB)

メガソーラー乱開発問題の実態を、本誌の独自調査で浮き彫りにする。(34頁の調査報道で詳報)

豪雪と向き合い続けて60年 地域に貢献し続ける奥只見発電所


【Jパワー】

三島由紀夫が「超絶的な自然」と評した秘境で、60年前に産声を上げた奥只見発電所。電気の安定供給と地域との共生を続けてきたJパワーの挑戦はこれからも続く。

総貯水量6億100万㎥、堤体高さ157m、使用したコンクリート量163万㎥―。日本最大の重力式コンクリートダム「奥只見発電所」が60周年を迎えた。

60周年を迎えた奥只見発電所

ダムは福島・新潟県にまたがる奥只見湖を形成し、発電所は尾瀬湿原や越後山脈の豊かな雪解け水を力の源として、関東・東北地方に電力を供給し続けている。明治時代から只見川のポテンシャルに関心を寄せる事業者は多かったというが、実際に計画が動き出したのは昭和に入り戦後のこと。建設で最大の障壁となったのが、小出や浦佐といった市街地ですら2m、ダム周辺では3~5mも積もる豪雪。発電所の歴史は、雪と向き合ってきた歴史と言っても過言ではない。

「超絶的な自然」―。奥只見地域の大自然を文豪・三島由紀夫は小説の中でこう評した。市街地の小出地区から建設現場まで、発電所建設前に大量の資材を運ぶルートを築かなければならず、その急峻な山をいくつも越える必要があった。はじめの一歩は資材を搬入する道路工事から始まった。

現場へのルートは、冬季も通行できるよう道路の総延長22㎞のうちトンネル部が18㎞を占めるという独特な構造。この難工事は1954年12月から始まったが、わずか3年弱で完成。現在は新潟県に移譲し、奥只見シルバーラインと名前を変え、ダムや観光地に向かう貴重な交通路として重宝されている。

道路整備後の58年9月より発電所の本工事がスタートし、完成までには延べ数百万人もの労働者が携わった。復興と経済成長の中で早急な電力供給が求められていたため、雪が降りしきる12月中も、コンクリートの凍結を防ぐべく躯体表面に蒸気を当てながら工事を続けた。

こうした努力の甲斐もあり、本工事は約3年で終了。60年12月より、3基36万kWのうち24万kWが運転を開始し、翌年7月より全基が稼働。電力不足を解消し、戦後の経済成長を支えてきた。

冬季はヘリコプターも活用 環境と共生した施工管理

2003年には、出力20万kWの4号機と、河川水量を維持するための放流水を利用して発電する維持流量発電機を増設したため、総出力は56万2800kWにアップ。揚水式を除いた一般水力では日本一の出力規模を誇っている。

深山の同地はイヌワシの生息地であり、貴重な昆虫や植物も生息していて、地元からは釣りの名所として生態系保全の要請も強かった。このため、増設工事の際には、建設工事で日本初のISO14001認証による環境管理を行いながら施工するなど、先進的な環境対策も実施。現在も、景観を崩さないように機材の塗り替えを行い、猛禽類の専門家を招いてイヌワシの生息状況を確認するなど、地域の環境保全にも力を入れ続けている。

観光の中心地の奥只見湖には遊覧船も

そんな日本有数の規模を誇る奥只見発電所周囲には、大津岐、大鳥、田子倉や、信濃川水系の黒又川、破間川などの発電所もある。これらは、埼玉県川越市にある東地域制御所で遠隔制御されている。

とはいえ日常の保守・点検については、JR上越線の小出駅近くにある事務所から各発電所に赴かなければならない。さらに、積雪期においては、奥只見発電所までは冬季閉鎖されるシルバーラインを自社で除雪して移動できるものの、さらに奥地にある大津岐発電所などへは車で移動することすらできない。

そのため、冬季になると同社ではヘリコプターとエンジニアを常駐させ、空路で現地まで赴く。しかし、山の天気は変わりやすいだけに、天候の影響で予定通り点検に行けないケースや、現地に到着してから天候の変化が起きた場合、現地にとどまり休憩施設で朝を迎えることもある。技術が進歩した現在でも、奥只見の冬は過酷だ。

上限価格で落札の異常 容量市場巡り波乱不可避


今年7月に開設された容量市場の初のオークションの落札結果が、9月14日に公表された。当初の想定よりも大幅に高い約定価格で落札されたことで、容量拠出金を支払うことになる新電力に驚きと衝撃が広がるとともに、業界内からはあらためて容量市場の意義を問う声が噴出している。

電力広域的運営推進機関が発表したのは、2024年度を実需給年度とする容量市場のメインオークションの結果。全国の約定総容量は、1億6769万kW(目標調達量は1億7747万kW)、約定価格は全エリアで1万4137円と上限に近い価格となった。全体の8割近くが0円で応札したものの、石油火力やLNGを中心に929万kWが1万4000円以上で応札したためだ。

容量市場を巡る混迷は続きそうだ

これについて日本エネルギー経済研究所の小笠原潤一研究理事は、

「逆数入札を認めたことで、石油火力などが落札対象となった場合、上限価格になることは十分あり得た。応札量が目標調達量を下回ることは異常事態であり、そこに価格高騰の要因がある」と指摘。まずは、なぜ応札量が少なかったのかを明らかにするべきだと語る。

一方で、容量市場に期待される電源投資の予見性確保や将来の価格高騰リスクの回避といった役割を疑問視する声も。発電事業関係者の一人は、「容量価格がいくらであろうと、現状では電源投資計画は経営会議を通らない。新電力にとっては何の意味もないコストアップ要因であり、大手電力を利するだけの制度だ」と断じる。

いずれにしても、先行する海外の容量市場で上限価格に達した例はなく、次回オークションに向けて仕組みの見直し作業に迫られることは間違いない。

「反原発」新党に決別 国民民主党に支持集まるか


菅政権の発足と時を同じくして、野党に二つの政党、「立憲民主党」と「国民民主党」が誕生した。民主党という同じルーツを持つこの二つの政党、自公連立政権に対抗する野党として、本来は一つの政党として発足を目指していた。だが、政策の点で旧国民民主党の一部議員の間に、合流には越えられない大きな壁があった。

国民民主党には前原誠司・元民主党代表(左端)も参加した
提供:朝日新聞社

「どうしても譲れない点があった」。合流を拒み、玉木雄一郎衆議院議員を代表とする新たな国民民主党に参画した小林正夫参議院議員はこう話す。具体的には、①中道改革路線の方針が示されなかった、②エネルギー政策が現実的でなかった、③提案型の国会対策の方針がなかった―などだ。

中でも電力総連出身の小林氏にとって、合流新党が選択した原子力政策は容認できなかった。新たな立憲民主党は、党の綱領で「原発ゼロを一日も早く実現する」と明記している。「綱領は党の憲法のようなもの。原発の現場で働いている人たちや、立地自治体の関係者のことを考えると、綱領への原発ゼロの記載を受け入れるわけにはいかなかった」(小林氏)

新たな国民民主党には、衆参の国会議員15人が参加。連合の産業別労働組合の出身者では、小林氏のほかに浜野喜史参院議員(電力総連)、矢田稚子参院議員(電機連合)、浅野哲衆院議員(同)が加わっている。

立憲民主党は、共産党などと共同提出した原発ゼロ基本法案の成立を目指している。原子力を巡り「水と油」の両党が将来、再び合流を模索する可能性は低い。とはいえ、国民民主党も支持率は低迷気味。現実路線の改革政党として、どう国民にアピールしていくかが問われている。

仕事師揃いの菅内閣が発足 電力は携帯値下げ騒動を注視


菅義偉内閣が9月16日発足した。閣僚の顔ぶれを見ると、麻生太郎財務相、梶山弘志経済産業相、小泉進次郎環境相、西村康稔経済財政担当相ら8人が再任されたほか、加藤勝信官房長官、河野太郎行政改革担当相、平井卓也デジタル改革担当相ら8人が新任。岸信夫防衛相、井上信治万博担当相ら4人が初入閣となった。

国民の高い期待を背負う菅内閣

「安定感、経験重視の人選」(エネルギー関係者)、「選挙に強く、国会答弁能力の高い仕事師内閣」(経産官僚)など、総じて評判が良い。大手メディアの世論調査を見ると、菅内閣の支持率は7割前後で、国民の期待の高さを裏付ける。それは逆に、「敵に回したら、かなり手強い政権」(金融関係者)ということでもある。

「国民の財産である電波の提供を受け、携帯電話の大手3社が9割の寡占状態を長年にわたり維持して、世界でも高い料金で20%もの営業利益を上げ続けている事実。他にもこのような当たり前でない、いろいろなことがある。それらを見逃さず、現場の声に耳を傾けて、何が当たり前なのか、そこをしっかりと見極めた上で、大胆に実行する。これが私の信念だ」

菅首相は16日の就任会見で、既得権益の打破に向けた規制改革の必要性を声高に強調した。これを見た大手電力会社の元幹部は、こう漏らした。「今の携帯料金の騒動が、電気・ガス料金に波及しなければいいけどな。政治はどんな矢を飛ばしてくるか分からない」

携帯料金騒動の波及懸念 経過措置解除に暗雲か

新型コロナ禍における在宅時間の増加などで、一般家庭の光熱費は軒並み上昇している。2016年以降、電力・都市ガス事業では小売り全面自由化によって新規参入や相互乗り入れが進んだことで、サービス競争は活性化しているものの、利用者が実感できるレベルで劇的な値下げが起きているとは言い難い。逆に、電気料金に導入されたFIT賦課金の影響で、家計に占める光熱費の実質的な負担感が増している傾向もある。

「電気・都市ガスと、携帯では事業構造が全く違うし、利幅も携帯ほど大きくはない。政治的な要請があったところで、そもそも値下げの余地はほとんどないのが実情だ。まあ、プロパンガス料金は別かもしれないが……」

大手電力会社の関係者はこうけん制をした上で、一つの懸念に言及した。「大手事業者の料金については経過措置の名目で依然規制が残っており、都市ガスではこの措置の解除を巡り議論が巻き起こりそうな様相を見せている(32頁のフォーラムレポートで詳報)。事業者としては当然、経過措置を早く撤廃してほしいが、携帯料金問題によって、にわかに情勢は悪くなってきた。壊し屋の任を受けた河野行革相あたりが、外野から殴り込んでくる可能性もある」

所管の経産省では、エネルギー政策に精通する梶山大臣が再任された。今のところ菅政権が主軸に据える規制改革にエネルギーは入っていないが、万一、政治的な思惑で料金がやり玉に上がるような事態になったとしても、そこは筋の通った対応が求められる。

ガス料金規制解除で波乱の様相 経産省内で現行ルールに疑問の声


都市ガス小売り競争の激化で、大手3社も含めた経過措置料金規制解除に向けた機運が高まっている。しかし、電気の料金規制への飛び火を憂慮する経済産業省内では、これを阻止しようとする動きもあるようだ。

経済産業省は今秋にも、一部の都市ガス会社に課している経過措置料金規制の解除に向けた議論に着手する。焦点は、大都市圏の電力・ガス市場で熾烈な競争を繰り広げている大手都市ガス会社の規制撤廃が実現するかどうかだ。

2017年の都市ガス小売り全面自由化と同時に、地方都市ガス会社のほとんどで規制料金が撤廃されたが、経産省は東京、大阪、東邦の大手3社を含む12社を経過措置の対象に指定し、規制を継続した。LPガスやオール電化といった他燃料を含めた競争が十分ではなく、独占性が高いため、これらのエリアでは競争なき値上げが起こりかねないとの判断からだった。

全面自由化から3年半が経過した今、既に仙南ガス、浜田ガス、エコアの3社が基準を満たしたとして指定から除外。関係筋によれば、大手の中でも大阪ガスは既に指定解除の基準を満たし、東京ガスや東邦ガスもそれに近い状況に迫っているという。

一度解除のためのルールを設けたからには、企業規模の大小にかかわらず、電力・ガス取引監視等委員会で審議し条件を満たしていることが確認されれば、規制はなくすのが道理。それが、エネルギー自由化が大きく進展したことを象徴することにもなる。

ただ、資源エネルギー庁ガス市場整備室の下堀友数室長は、「基準をクリアしたかどうかは十分条件ではなく、状況を総合的に判断して決定することになる」と慎重姿勢だ。ほかの都市ガス事業者の参入がない地方エリアで、他燃料との競争状況を規制解除の指標としてきたこれまでとは違い、大手については大都市圏における都市ガス同士の競争状況を踏まえて判断する初めてのケースになる。それだけに、エネ庁としても大きな判断を迫られるわけだ。

査定権限の維持画策 経産省の裏の意図

しかし、大手都市ガス3社の規制解除が一筋縄ではいきそうにないのは、それだけが理由ではないようだ。大手3社の規制を撤廃するとなれば、当然、競合する大手電力会社の規制料金をどうするのかという問題にも波及する。それを何とか避けたいという経産省側の思惑が見え隠れしている。前出の関係筋はこう話す。

「大手都市ガス会社の料金規制が外れれば、競合相手の大手電力会社の規制も外さなければならなくなる。大手電力会社に対し、総括原価の査定権限を維持したい経産省としては電力料金規制の撤廃だけは絶対にしたくない。そのためにも、大手ガス会社の規制解除などとんでもないというのが、経産省側の本音だ」

そもそも、全面自由化では後追いだった都市ガスが電力に先駆けて料金規制撤廃に至ったのは、それが地方ガス会社に全面自由化を納得させるための取引材料だったからにほかならない。地域の都市ガス利用率や、それを踏まえた他燃料事業者による需要家獲得件数―などといった複雑な指標を作ることで、多くを指定外とした。

経過措置料金規制が課された事業者一覧

規制改革のアメとして地方ガスの料金規制を撤廃する―。そんな思惑で作られたルールには相当の無理があることは明白。そもそもルール策定時、大手の部類に入る西部ガスが対象から外れたことがエネ庁内で問題となり、幹部間で「こんな変なルールは納得できない」と騒動になった経緯もある。

「この自ら作ったルールの破綻を逆手に取って、大手都市ガス会社の規制解除を何とか阻止しようとするのはいかがなものか」と語るのは、ガス業界の関係者。いかなる理由があろうとも既にルールとして認定し運用している現状があることから、規制当局の勝手な思惑でそれをねじ曲げてしまっては行政機関としての筋が通らない。

この関係者は、「もし、どうしても料金規制を解除したくないのであれば、ルール自体を見直さざるを得ない。そのためには、審議会を早急に開く必要がある。もちろん、経産省側はルール見直しの合理的な理由について説明しなくてはならない。当時の議論が間違いでしたなどと言えるのだろうか」とやゆ交じりに語る。

不当な値上げは皆無 問われる料金規制の意味

もし解除ルールを見直すとなっても難しい問題がある。その一つが、既に解除してしまった都市ガス会社に対し、再び規制を課すことができるのかということだ。

自由化の当初から、消費者団体を中心に需要家保護を最優先に考えるのであれば、競争の起きづらい地方にこそ料金規制を残すべきだとの主張はあった。「規制なき独占」が起こりやすいのは、新規参入が進む大都市圏よりも地方であることは、プロパンガス料金の事例を見ても明らかだからだ。ルール見直しをきっかけに、消費者団体などは再規制を求めてくるだろうが、地方ガス側からしてみれば到底納得がいくものではなく、混乱は避けられない。

ただ経産省側の狙いは、あくまで大手に対する規制存続。そのためには、まず電気料金で明確な規制解除のルールを策定し、それをガスにも適用させる方法が考えられる。が、大手電力を巻き込んだ議論に発展するため、そう簡単に結論は出ない。

忘れてはならないのは、多くの都市ガス事業者で料金規制が撤廃されて3年半が経過したが、これまでに消費者団体が危惧するような不当な値上げなどは確認されていないということだ。

とすると、まして競争の激しい大都市圏で事業を展開する大手ガス会社が、規制撤廃によって値上げするとは考えづらい。これは電気料金についても同じことが言えるだろう。同業者間の競争、新規参入者との競争、競合エネとの競争―。料金規制自体がもはや無意味といっても過言ではない。 現行ルールを継続するにしても、抜本的に見直すにしても、経産省にとって前途は多難。自由化を急ぐあまりできの悪い指標を作ってしまったツケが、今まさに回ってきている。

【エネ庁長官 保坂伸氏】脱炭素化に挑むエネ行政 次期エネ基の青写真とは


世界的な脱炭素化の機運の中、安定供給と環境をいかに両立するか。保坂伸エネ庁新長官に考えを聞いた。

ほさか・しん
1987年東京大学経済学部卒、通商産業省(現経済産業省)入省。2013年秘書課長、19年貿易経済協力局長などを経て20年7月から現職。

―新内閣の下、エネルギー基本計画の見直しに着手することになります。

保坂 東日本大震災から10年が経過しようとしていますが、この間、エネルギー政策を巡り紆余曲折の議論がありました。これまでの議論を踏襲し、3E+Sをきっちり意識しながら政策を進めていくことが重要だと考えています。近年は国内外で環境への意識が高まっています。脱炭素という大きな流れの中で3E+Sをどのように実現するのかが、来年スタートすることになる次期エネルギー基本計画のポイントになります。

2050年にCO2排出量80%削減を掲げているため、次期エネ基議論のターゲットも50年になるでしょう。その時には、CO2排出を伴う発電そのものが許されなくなるかもしれない。かといって、再エネでこの国の電力を100%賄うことができるかといえばそれも難しい。さまざまな制約がある中でどのような電源構成が可能なのか検討することになります。

―電源ごとの見直しの方向性についてうかがいます。まずは原子力についてはいかがでしょうか。

保坂 世界最高水準の規制を敷く規制委の許可を経た設備から順次、稼働していくという基本方針が変わることはありません。特定重大事項等対処施設があるので休止している設備もありますが、PWR(加圧水型原子炉)9基が許可を得ていますし、BWR(沸騰水型原子炉)の中にも設置変更許可を得ているところがあります。今後も、地道に再稼働を進めていくしかありません。私がエネ庁総務課長を務めていた12年当時と比べれば、遅い歩みではありますが一歩一歩前進しています。

新増設は国民理解が前提 既存原発の再稼働に注力

―脱炭素社会を目指す以上は、再稼働だけではなく新増設にも踏み込む必要があると考えられます。

保坂 それは、国民の理解を得られるかどうかです。脱炭素を目指す中でどのような社会にするのかというコンセンサスを図る中で語られるべきであり、数字合わせであってはなりません。とにかく、今は再稼働の可能性があるものについて集中しつつ、技術の維持はもちろん、SMR(小型原子炉モジュール)などの新たな技術にもアプローチしていきます。