【マーケット情報/11月12日】欧米原油下落、需給緩和観が台頭

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、米国原油を代表するWTI先物と、北海原油の指標となるブレント先物が下落。需給緩和観の台頭を反映した。

OPECは、今年の需要予測を下方修正。原油の価格高騰が、消費を抑えると予測した。また、米国では、エネルギーおよびガソリン価格の10月指標が、それぞれ前年比30%と50%上昇。インフレ抑制に向けて、米政府が原油の戦略備蓄を放出するとの期待が高まった。加えて、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内の石油掘削リグの稼働数は、前週から4基増加して454基となった。

一方、中東原油を代表するドバイ現物は、前週比で上昇。OPEC+の12月増産が日量40万バレルに留まったことで、品薄感が根強い。また、米議会が1兆ドルのインフラ投資法案を可決。経済が活性化し、石油需要が強まるとの予想が広がった。さらに、中国は、江蘇省の新規製油所が年末に稼働を開始すると公表。同国の輸入増加の見通しが、ドバイ現物を支えた。

【11月12日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=80.79ドル(前週比0.48ドル安)、ブレント先物(ICE)82.17ドル(前週比0.57ドル)、オマーン先物(DME)=81.79ドル(前週比2.04ドル高)、ドバイ現物(Argus)=81.38ドル(前週比2.25ドル高)

【コラム/11月15日】第49回総選挙雑感

福島 伸享/衆議院議員

 10月31日投開票で行われた第49回衆議院議員選挙は、自公の与党が絶対安定多数の議席を取り、岸田政権が政権基盤を強化して継続する結果となった。私もこの選挙に無所属で立候補をし、比例復活の道を捨てた背水の陣で戦い、何とか3期目の国会に返り咲くことができた。私は、今回の選挙戦では「党より人物」をキャッチフレーズとして掲げ、コロナ禍の下での選挙であるため屋内での集会を一切行わず、夜間の寒風の中屋外で1時間かけて車載の大型モニターに図表を映し出しながら、平成30年間の日本の停滞を示し、この間の政治の意志や決断の不在、政治劣化を論じてきた。何党の政策がどうのという以前の天下国家を、あえて論じ続けてきたつもりだ。

 2ヶ月前に私は、「幸か不幸か、エネルギー政策が政局の争点となった」と題したコラムを掲載したが、今回の総選挙は「幸か不幸か、エネルギー政策が政局の争点と」ならなかった(・・・・・)。一つには、岸田首相と河野太郎氏らが争った自民党総裁選に比べて、<自公政権>対<立憲民主党を筆頭とする野党>の今回の構図は政権交代のリアリティがなく、選挙結果によって政策が大きく変わる兆しがなかったことによるものだろう。また、東海第二原発を抱え、世論調査をすると圧倒的多数が再稼働に反対する私の地元でも、単にスローガンとして唱える「原発ゼロ!」にはもはや多くの有権者は反応しなくなっており、むしろ特定の政治勢力のトレードマークとして忌避すらされている。

 では、センセーショナルなスローガンに振り回されなかった今回の衆院選が「幸か」といえば、そうではないだろう。自民党の公約では「安全が確認された原子力発電所の再稼働や自動車の電動化の推進、蓄電池、水素、SMR(小型モジュール炉)の地下立地、合成燃料等のカーボンリサイクル技術など、クリーン・エネルギーへの投資を積極的に後押しします」とされているが、民間が投資を可能とする環境や制度を整えることこそ政治の役割だ。「後押し」ではなく、政治が先頭になってリスクを低減する環境を整備したり、国と民間の役割分担を確定したり、不確定要素を少なくするための予見可能な制度を構築するなどの「行動」が必要なのである。たとえば、もんじゅが廃炉になる中で、核燃料サイクル路線が今後どのようなものになり、20年後、30年後の原子力産業はどのような姿になっているのか、原子力政策の再構築はほとんど手を付けられていない。これでは、民間企業が原子力分野に投資をすることなどは、難しいだろう。

 残念ながら、これまでの安倍政権・菅政権の9年間には、そのような具体的な「行動」が見られないまま、いたずらに時間を費やしてきた。政治の現場でも、「原発ゼロ」や「カーボン・ニュートラル」といったキャッチフレーズばかりが踊り、目先の具体的な経済活動を促すような政策論議は疎かになっているように感じる。私は、無所属で国会に上がってきた非自民系の5人(吉良州司、北神圭朗、緒方林太郎、仁木博文)と共に新たに「有志の会」という会派を組んだ。いずれも激戦を政党や大きな団体の支援を受けずに勝ち上がり、官庁や商社などでの現場経験のある政策通の猛者ばかりだ。キャッチフレーズやイデオロギーにとらわれない、現実的でしかし本質を突いた政策議論を国会で行うグループでありたいと思っている。与党にとって手ごわい存在となろう。ぜひご注目をいただけると幸いだ。

【プロフィール】東京大学農学部卒。通商産業省(現経産省)入省。調査統計、橋本内閣での行政改革、電力・ガス・原子力政策、バイオ産業政策などに携わり、小泉内閣の内閣官房で構造改革特区の実現を果たす。2021年10月の衆院選で当選(3期目)

ナイジェリアの石油開発 深海では進展も陸上は停滞

【ワールドワイド/資源】

ナイジェリアは1971年からOPECに加盟しているアフリカ最大の産油国である。

 2020年の生産量は日量180万バレルだが、近年は同国への石油開発投資は他のアフリカの国への投資と比べ急激に減少している。原油生産能力も急速に低下しており、一般歳入の約5割、総輸出額の約7割を占める原油販売収入の減少が危惧されている。

 深海油ガス田を含むOML118鉱区では、事業者側と国の間で係争があったが、21年5月に係争解決合意書、和解合意書、過去のガス生産に関する合意書、エスクロー勘定合意書、財務などの条件を明確にした新しいPS契約の計五つの合意がなされた。特にこのPS契約は、巨大な深海資産開発のための明確で公正な財務枠組みを構築したことにより、係争を解決した点で大きな価値がある。

 この合意によりシェルはBonga South West Aparo(BSWA)油田に160億ドルを投じ、開発を進めることを決定。BSWA油田が跨がるOML132とOML140の間で共同操業協定の検討がなされている。同国はOML118の生産量増を見込み、今後数年で生産能力を日量300万バレルまで引き上げることを目指す。

 深海油田での開発が停滞した理由は、主に石油産業法案(PIB)改正遅延、深海油田のロイヤルティーに関わる法の改正、油価低迷、事業当事者との契約条件上の係争だ。今後の深海油田開発はOML118の成功事例の波及が期待されることやPIB可決により、以前よりは安定的に進展すると考えられる。一方で石油生産の主力を担う陸上油田は、治安への懸念、温暖化ガス排出削減、油価低迷、係争などで開発が停滞。経済的困難などによる治安悪化への懸念や環境面の観点から、見通しは厳しそうだ。

 今後、最も注目すべきはPIB改正による石油・天然ガス産業への影響だ。2000年の石油・ガス部門改革実行委員会発足以降、PIBは繰り返し審議され、21年8月16日に大統領の承認を得て発効した。外資の意向を受け当初予定よりもロイヤルティーを引き下げたが、開発事業者からはいまだ不十分であるとの意見も多い。

 加えて「地域社会への資金支援」への拠出割合に不満を持つ地元過激派組織により、石油関連施設への攻撃がエスカレートするリスクには留意する必要がある。同国連邦内国歳入庁は「PIB改正可決の効果は早くとも23年以降に現れる」と発言しており、同国での石油開発は雌伏の時が続くだろう。

(野口洋佑/石油天然ガス・金属鉱物資源機構調査部)

高速炉は実現不可能? 誤解を与える毎日コラム

【おやおやマスコミ】井川陽次郎/工房YOIKA代表

 原典にあたる。その大切さをネット社会で日々感じる。このコラムの筆者にもお勧めしたい。

毎日10月2日「土記・核のごみ処理、300年?」である。

自民党総裁選での岸田文雄氏の発言に噛み付いた。原子力発電所の使用済み核燃料を再処理して活用する核燃料サイクルについて、岸田氏が討論会で「高レベル核廃棄物の処理期間は再処理すると300年と言われている」と述べたことに「驚いた」という。

「使用済み核燃料は放射能レベルが天然ウラン並みに減衰するまで10万年。それが『300年に短縮できる』という夢のような話は、経済産業省などが再処理の『利点』として示していた」「だが、前提は普通の原発ではなく特殊な高速炉のサイクルを回し続けること。もともと実現性は疑問だったが、高速増殖炉もんじゅが破綻し、まさに見果てぬ夢となった」

見果てぬ夢とは、実現不可能な事柄を指す。高速炉が不可能なのだから岸田氏もおかしい、との主張だろう。だが、政府は高速炉を不可能としていない。2018年に「戦略ロードマップ」をまとめている。ネット検索すれば、すぐに見つかる文書だ。

朝日デジタル9月30日ファクトチェック「岸田氏『使用済み核燃料、再処理すれば期間300年』はミスリード」は、さすがに事実(ファクト)を無視できず、高速炉について、「政府は、運転開始が今世紀半ばごろになるとしている」と書いている。

さらに、「日本原子力学会が2019年にまとめた提言では、岸田氏の言う『300年』の実現について、『今世紀後半から22世紀にかけて技術を確立する』としている」との見解にも触れる。

もちろん、一朝一夕で実現できることではなく、朝日は「誤解を与える余地が大きい」と岸田発言に辛口だが、同様の指摘は冒頭のコラムにも当てはまる。

日経10月4日社説「有害な誤情報の拡散を民主導で防ごう」は、ネット社会のニセ情報に警戒を呼びかけた。「新型コロナウイルスのワクチンなどについてネット上での有害な誤情報の拡散が後を絶たない」と深刻さを訴える。

「米国のワクチン接種は開始こそ早かったものの、伸び悩んでいる。大きな要因が『接種で不妊になる』といった誤情報の流布だ」「日本でも9月の筑波大の調査で20~30歳代の回答者の1割程度が接種を忌避しており、多くがデマに影響されていた」

米ユーチューブは9月29日、新型コロナなどワクチン全般に関するニセ情報の発信を禁じ、反ワクチン派アカウントを停止する厳しい対応「誤った情報に関するポリシー」を発表した。日経社説は、これを受け、対応が手ぬるいネット運営企業には「広告配信を止める」措置も提唱している。既存メディアは違う、と言えるか。

ユーチューブの新ポリシーでは「ワクチンは発病リスクを軽減しないと主張する」「HPVワクチンが麻痺などの慢性的な副作用を引き起こすと主張する」内容の動画も禁じられる。

このHPVワクチンは、子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルスワクチンを指す。日本ではメディアが大々的に副作用を報じ、政府が積極的勧奨を控えたため接種率が他国より低い。

日経10月2日「子宮頸がんワクチン接種、勧奨再開へ議論開始」は、厚生労働省の方針転換を伝えている。この間に多くの命が失われた。メディアの検証も要る。

いかわ・ようじろう(デジタルハリウッド大学大学院修了。元読売新聞論説委員)

【TOKAIHD 鴇田社長】HD制成功の10年を振り返る 築いた基盤でさらなる飛躍目指す

【TOKAIホールディングス/鴇田勝彦 社長】

ときた・かつひこ 1968年東京大学法学部卒、通商産業省(現経済産業省)入省。京都府副知事、防衛庁装備局長、中小企業庁長官、石油公団理事などを歴任。2002年TOKAI顧問、副社長を経て、05年社長に就任。11年から現職。グループ会社の社長・会長を兼任す

TOKAIグループはTOKAIホールディングスを設立して今年で10周年を迎えた。

TLC構想によって築いた経営基盤にDXなど新たな要素を融合させて成長を描く。

 ――コロナ禍でありがなら、4期連続増収、3期連続最高益更新、顧客基盤も拡大するなど好調です。主な要因をお聞かせください。

鴇田 当社グループの収益構造は、リテール向けのサブスク事業が売上高・営業利益ともに約6割を占めており、310万件の継続取引顧客を有することが安定収益の原動力となっています。また、ガスを中心としたエネルギー事業のみならず、情報通信やCATV、アクアなど多岐にわたる事業を行っている点も、他社にない優位性であると言えます。

 これらの事業において、エリア拡大やM&A(合併・買収)などにグループ一体となって積極的に取り組み、事業基盤の拡大を進めたことが好業績につながっているものと捉えています。M&Aについて言えば、2017~20年度の前中期経営計画「Innovation Plan 2020 “JUMP“」で成長戦略の大きな柱に掲げ、4年間で15案件(CATV4件、都市ガス4件、建築設備不動産4件、情報通信2件、海外1件)のM&Aやアライアンスを成立させました。これにより、顧客件数35万件、売上高120億円、営業利益9億4000万円(のれん償却前)が増加し、顧客基盤ならびに収益基盤の拡大が図られました。今後も、引き続き推進していきます。

中期経営計画「Innovation Plan 2024」の位置付け

HD制10年で経営改善 一体となって進めたTLC

―ホールディングス(HD)を設立して10周年を迎えました。振り返ってどのような点に注力し、成果を上げてきたのでしょうか。

鴇田 HD体制以前は、グループ各社がおのおのに資金調達や運用を行っていたため、有利子負債残高は1240億円に膨れ上がり、自己資本比率は7・7%と脆弱な財務状況にありました。これを改善すべく、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入し、グループの資金を一元的に管理することに努めました。その結果、低金利での資金調達が可能になり、余剰資金の削減も図られ、直近の21年3月期末では、有利子負債残高は11年3月期比66%減の421億円まで削減し、自己資本比率は同33・9ポイント増の41・6%に向上しました。HD化による大きな成果の一つと言えます。

 事業面で言えば、HD体制以前は、各社各事業が一定の成長を見せていましたが、ばらばらに事業を行っていたため、非常にもったいないと感じていました。一つの体系を作ってこれらのサービスを束ねれば、攻めにも守りにも、より大きな効果を発揮するのではないかと考え、打ち立てたのが「TLC(トータルライフコンシェルジュ)構想」です。

 当初は、グループ各社共通のデータベースがなかったので、12年8月に「TLCブック」というシステムを構築し、グループ顧客の名寄せを行えるようにしました。また、同年12月より、グループ「TLC会員制度」をスタートしました。その狙いは、お客さまに、当社グループのサービスを一つのみならず、複数ご利用いただくよう働きかけるものであり、利用されるサービスの数に応じてポイントを上積みする仕組みとしました。その結果、現在、会員数は98万件まで増加し、狙いとしていた複数取引率は20%にまで達しています。特に数字が高いのは、静岡県内の都市ガス事業で、その割合は59・7%となっています(静岡県内のCATV事業の複数化率は83・5%で、その多くは放送・通信のセット顧客)。

静岡から世界へ 目指すは五大陸進出

――現中期経営計画「Innovation Plan 2024」で掲げた「LNG戦略の推進」「TLCの進化」について聞かせてください。

鴇田 LNG戦略では、静岡&関東圏(Local)→日本全国(National)→世界(Global)へと事業エリアを着実に広げることを目指します。当社の事業拡大は大きく分けて、M&Aによって基盤拡大するものと、既存事業のエリアを拡大する手法があると考えています。M&Aは、この4年間で多くの情報網やノウハウを得ることができたので、活用してさらに推進していきます。分野としては、重点的に進めてきた都市ガス、CATV、建築設備不動産、情報通信に加え、グループの中核事業であるLPガスも積極的に実行していく考えです。これらによって進出した地域でTLCを普及させ、顧客数を2~3倍に増加させていくことが当社グループの戦略です。

 海外事業では、現在4カ国に進出しています。今後は東南アジアでエネルギー事業を本格化することや、情報通信事業でクラウドビジネス需要の増加が見込まれるアジア地域に進出することなどを視野に入れています。アジアにとどまらず、私の夢である五大陸(ユーラシア、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリア)への進出を早期に実現したいと考えています。

事業エリアを広げていくLNG戦略

孤立深める中国の狙い 透けて見えるCOP26の政治利用

【識者の視点】杉山大志 /キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

10月31日から英国グラスゴーで温暖化防止国際会議・COP26が開催される。

交渉は膠着状態で事実上何の成果もなさそうだが、中国だけは最大の利益を得ることになりそうだ。

今春に米国が開催した気候サミットでは、米国バイデン政権、ドイツ・メルケル政権、フランス・マクロン政権、英国ジョンソン政権、それに日本の菅政権と脱炭素に熱心な政権がたまたま出そろい、G7(先進7カ国)諸国は軒並み「2030年にCO2半減、50年にはゼロ」を宣言した。ただし、中国をはじめ新興国はそのような宣言をしなかった。今度のCOP26では、G7が新興国に同様の宣言を求める構図になっているが、新興国が応じる気配はない。

まあ、G7も言っているだけで実行不可能であるのみならず、欧州では既に無理な再生可能エネルギー依存の政策がたたって、エネルギー価格の高騰が生活費の圧迫やインフレを引き起こしつつあり、政治問題化している。早晩、G7の無謀な目標は問題視され、見直しが入るだろう。そんな中で新興国が経済成長の足かせになるような宣言をすることはばかげている。G7の圧力には説得力も政治力も無く、新興国が譲ることはなさそうだ。よって事実上は何の成果も無い会議になりそうなのだ。

欧米が一変して中国賞賛 石炭火力輸出支援停止のワケ

ところがここで、中国が救い船を出した。習近平国家主席は9月、「海外の石炭火力発電事業への資金提供を止める」と発表した。

この方針で中国は大いに感謝された。COP26の議長であるアロク・シャルマ氏は「習主席が海外での新規石炭プロジェクトの建設を中止すると約束したことを歓迎する。これは私が中国を訪問した際に議論した重要なテーマだった」と述べた。米国のジョン・ケリー気候変動対策特使も「素晴らしい貢献だ」と言い、最近すっかり嫌われ者の中国に最大級の賛辞が送られたわけだ。

だが習氏は実質的にはまだ何も譲歩していない。まず、具体的に「いつ」資金提供を止めるのか言及していない。中国が着手した7000万kW(19年時点)もの石炭火力プロジェクトを止めるとは、一言も言っていないのだ。これは、日本の全石炭火力4800万kWをはるかに超える水準だ。

また「どの」資金提供を止めるかも言っていない。公的なものだけなのか、民間を含めるのか。プロジェクトファイナンスだけを対象にするのか否か、など、実質的に何を止めるのかは不明だ。

その一方、中国国内では現在、世界の石炭消費量の半分を燃やしており、今後ますます増える。日本の20倍以上の10億kWの石炭火力発電所があり、毎年、日本の全石炭火力発電設備容量に匹敵する大量の発電所が建設されている。

それにもかかわらず、欧米の政権はここのところ、温暖化問題に限らず中国に好意的で、中国の体制を非難しない。なぜだろうか。

「中国はCOP26という機会をフル活用しているのだ」と主張する英国貴族院議員のマット・リドレー氏は、次のように指摘する。

「グラスゴーでの協力を中国に求めるために、英国と米国はどのような譲歩をしたのか? それは有益な譲歩なのか?」

「習近平の今般の発表の数週間前に、バイデン政権が、ウイルスが武漢の実験室起源かどうかは『分からない』とした報告書を発表したのは偶然だったのだろうか?」

「米国のバイデン大統領、ハリス副大統領、ケリー特使は、最近の人権に関するスピーチで、中国について言及することを慎重に避けている。なぜか?」

「香港で自由が弾圧されているのに、英国が黙っているのは偶然だろうか?」

「内容不明な『海外石炭事業の停止』宣言によって、事実上何の成果も無いであろう『国連気候会議』が『成功』したと演出してみせることで、中国は数々の譲歩を引き出したのではないか?」

「私は、明白に宥和政策があったと言っているわけではない。だが中国のリップサービスを頼みの綱にしてしまっている英米が、このタイミングにおいて、ほかの案件で中国を厳しく批判できるとは思えない。中国はもちろんこの機会を最大限利用する。こんなゲームをすることは有益なのだろうか」

「いま中国は、かつての英国のお株を奪って『分割統治』を仕掛けている。つまり米国と豪州には敵対する一方で、英国には愛嬌を振りまいている」

「中国共産党の機関紙『環球時報』は先月、米国は『不安定で支配的』であるが、英国は『協力的で従順だ』と書いている」――。

「超限戦」を仕掛ける中国はCOPも利用するのか

COPは「超限戦」の道具 G7との駆け引きはいかに

中国はこの美味しい構図を継続させようとするだろう。もしCOP26で「グラスゴーアクションプラン」が合意され「継続的に中国と協議する」などとなったら、今後何年間も同じような譲歩を続けることになるのだろうか。人権は、パンデミック対策は、どうなるのか。G7は見事中国の術中にはまってしまうのだろうか。

いま中国は、人権、領土、貿易、技術などを巡って、国際的に孤立気味である。そこで、これらの重要な外交問題についてG7を分裂させ、譲歩させるために、気候変動への協力を装っている。

「超限戦」という言葉がある。中国の軍人たちが1999年に発表した概念だ。いまや戦争に平時と戦時の区別なく、技術に軍事と民事の区別なく、武器にリアルとバーチャルの区別は無い。あらゆる境界を越えて、国家は常に自らを強め敵を弱める。恒常的な戦争状態にあるという考え方だ。

超限戦が目指すのは、習氏が掲げる「中国の夢」である中華民族の偉大な復興の実現だ。気候変動はその最も便利な道具だ。

ちなみにCOP26の正式な交渉議題は国際的な排出権取引のルールなどだが、全ての国が数値目標を持つ今、国際的な排出権取引が大々的に活用できるようになる可能性はほぼゼロだ。他にも議題はいくつかあるが、どれも細かくてあまり重要ではない。重要なのは中国などが正式な交渉議題と別に何を宣言するかと、その広範な外交関係への影響である。中国が仕掛ける超限戦としてのCOP26で、G7がどう対処するのか。大きな構図にこそ注目しよう。

すぎやま・たいし 1991年東京大学理学部卒。93年同大学院工学研究科物理工学修了後、電力中央研究所入所。電中研上席研究員などを経て、2017年キヤノングローバル戦略研究所入所。19年から現職。

Fパワー新スポンサー決定 外資の力で再建目指す

電力小売り事業者初の会社更生法の適用を受け、経営再建を進めているFパワー(東京都港区)の新スポンサーが決まった。

それによると、Fパワーがスポンサー契約を結んだのは、シンガポール系の投資ファンド、日本GLP(東京都港区、帖佐義之社長)。Fパワーは来年4月1日付で日本GLPか同社の指定する受け皿会社に、電力小売り事業を移管する計画だ。

冬場の卸電力市場高騰の影響で約460億円の負債を抱え、事実上経営破たんしたFパワー。会社更生手続きによる新スポンサーの選定に当たってはこれまで2回の入札を行い、大手エネルギー会社や中堅新電力などの札入れが取りざたされたものの、いずれも不調に終わっていた。

今回の新スポンサー決定により、Fパワーの経営再建は大きく前進することになる。関係者によると、同社は収益力を強化すべく、ビジネスモデルの転換を推進中だ。ただここにきて化石燃料価格の上昇から、卸電力市場が再び騰勢を強めている感も。電力小売り全体で収益への悪影響を懸念する向きが広まっている。

炭素大量排出の宿命に挑む CNに本腰入れるセメント業界

【業界紙の目】佐藤大蔵/セメント新聞社 編集部記者

主要製造工程で多くのCO2を排出するという宿命に立ち向かうセメント業界。

カーボンニュートラル(CN)という「未来」に向けた業界の取り組みは奏功するだろうか。

 これまでもCO2排出削減に向けた取り組みはセメント産業を挙げて進められてきたが、2020年10月の所信表明演説で当時の菅義偉首相が表明した「2050年カーボンニュートラル」宣言を受ける形で、産業全体、また個社としてさらに取り組みを加速させ、カーボンニュートラルの達成を目指す取り組みを打ち出している。

セメントは、主要製造過程でCO2が大量に発生し、プロセス由来の排出量が全体の約6割を占めるという、「宿命的」な特徴を有しているが、現状では実装段階にあるCO2を大幅削減する技術はない。一方で、これまでセメント産業は主に省エネルギーを通じてエネルギー由来のCO2排出削減を図ってきた。省エネ設備の導入やエネルギー代替廃棄物の使用拡大といった対策を進めており、着実に進ちょくしている状況にある。またセメント産業では、さらなる省エネを推進するため、毎年売上高の約1%を省エネ設備に投資している。19年度は、関連の取り組みの合計額で144億円の設備投資を実施。10~19年度の合計投資額は、731億円にも上る。

またセメント工場では、日本の年間廃棄物総量の5%にあたる約2800万t(17年度)をセメント製造に活用しており、その量は循環利用量の約12%に相当し、循環型社会形成に大きく貢献していることをアピールしている。セメント産業が廃棄物・副産物を受入処理している現状での産業廃棄物の最終処分場の残余年数は、環境省発表で17・0年になると見込まれている。セメント産業が全ての廃棄物・副産物の受け入れをやめた場合、残余年数は5・5年になるとの試算が出ている。

政府宣言の前に策定 産業長期ビジョン実施へ

セメント会社17社で構成する業界団体のセメント協会は、20年3月に「脱炭素社会を目指すセメント産業の長期ビジョン」を策定した。同ビジョンは、セメント産業が国の長期戦略の実現に貢献するため、果たすべき役割、50年とその先の将来を展望した目指すべき方向性を示した。セメント産業は、これまで社会インフラや防災インフラなどの整備を進める上で必須の役割を担う基礎素材の供給者としての役割を担ってきた。また地域経済や災害廃棄物処理への貢献も果たしてきた。同ビジョンでは50年以降もその役割を果たし続けるべきであると強調した。

目指すべき方向性に向けた対策の多くは克服すべき困難な課題を抱えており、その実現には「非連続なイノベーション」が不可欠となる。また建設業界などステークホルダーの理解や協力も必要となる。主な対策として、クリンカ(セメント原料の焼塊)比率の低減や投入減量の低炭素化、鉱化剤使用による焼成温度低減などを進める。さらに供用中の構造物や解体コンクリートによるCO2の固定化、コンクリート舗装の推進による重量車の燃費向上に伴うCO2低減などを推進する。なお同ビジョンは政府のカーボンニュートラル宣言の前に策定されたものであり、政府宣言を踏まえ改定が図られる方向だ。

世界の潮流と軌を一に 個社でも技術開発に積極姿勢

同協会は、今年3月に開かれた総合資源エネルギー調査会省エネルギー小委員会(委員長=田辺新一・早稲田大学理工学術院教授)で、経済産業省のヒアリングに応じている。ヒアリングにおいては、セメント産業における課題を説明。さらに国に望む要望事項を提示し、今後のさらなる省エネ設備の導入には多額の費用を要するため、引き続きの政府の支援を求めた。また、CO2の回収では、最適な分離・回収や有効利用方法の検討を進めるものの回収したCO2の貯留や有効利用が社会実装されるよう政府のけん引を要望。需要の最適化に向けては、再生可能エネルギーを最大限活用できるよう契約電力を柔軟に調整できる仕組みや、安価な電力料金の設定などインセンティブの付与の必要性を示した。

個社でも積極的にカーボンニュートラルに向けた施策に取り組んでいる。同協会会員社では、太平洋セメント、住友大阪セメント、宇部興産、三菱マテリアル、デンカ、トクヤマが長期ビジョンを公表している。

これらビジョンは、大きく分けてエネルギー由来CO2の削減、プロセス由来CO2の削減、新たな技術開発に取り組むことなどがあげられている。エネルギー由来CO2の削減のために、さらなる省エネ設備の導入やエネルギー代替廃棄物の使用量増加、エネルギー転換などの対策を実施する。プロセス由来CO2の削減に向けては、カルシウム含有廃棄物の利用増や、低CO2セメントの開発などを推進。新たな技術開発として、CO2回収・利用技術の確立などを図る。

関連製品含めたバリューチェーン全体でCNを目指す

長期ビジョンの実現に向けて、各社は具体的な取り組みを進める。業界最大手の太平洋セメントは、長期ビジョンの実現には、既存技術の応用や発展に加え、革新的技術を開発し、コストも含めて実用可能なレベルに高めることが必須になるとの認識の下、セメントを製造するキルン(回転窯)の排ガスからの最適なCO2回収技術の開発・実証と、回収したCO2をセメント原料や建設資材として再利用するカーボンリサイクル技術の開発を進めている。この技術開発を実現するため、今年3月に「カーボンニュートラル技術開発プロジェクトチーム」を新設し、開発を強力に推進している。

さらに8月には、セメント袋の中間層にバイオマスプラスチックを導入する取り組みを打ち出した。これは、セメントの出荷形態のひとつである袋製品(袋セメント)の中間層で、これまで使用していた化石資源由来のプラスチックに代えて植物由来現状のバイオマスプラスチックフィルムを使用するというもの。セメント業界では初の取り組みとなる。

世界的な潮流や国の動きと軌を一にするように、セメント産業では省エネやCO2削減に向けた機運が高まっている。今後、業界を挙げてのさらなる取り組みと成果が期待されるところだ。

〈セメント新聞〉〇1949年2月創刊〇発行部数:週刊2万部〇読者層:セメント業界、生コンクリート業界、コンクリート製品業界、建設業界など

エネオスが再エネ強化へ 憶測呼ぶ巨額買収の真意

石油元売り大手のエネオスが、再生可能エネルギー事業者のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)を買収すると発表した。来年1月にも、米ゴールドマン・サックス(GS)などからJREの全株式を取得する予定で、石油需要の先細りが予想される中で、次の成長事業としての再エネ事業強化につなげたい考えだ。

買収額は約2000億円。JREは、太陽光や陸上風力、バイオマス発電など幅広く再エネ設備を保有し、洋上風力の開発にも力を入れている。とはいえ年間売上高は40億円に満たず、「巨額を投じる価値があるのか」と、首をかしげる業界関係者も多い。

実際GSは、トヨタや東京ガスなどほかの数社にも打診していたようだが、「3000億~400

0億円」という提示額にいずれも合意には至らなかったという。一方、一部報道では、エネオスはGSの協力で道路舗装大手NIPPOを非上場化することで17

00億円を手にするため、ほとんど懐は痛まないとも言われている。

有識者の一人は、「再エネに積極的に取り組むという株式市場への強いメッセージになる」と語り、収益への寄与以上の効果を得られるとの見方もある。

菅政権が踏み出した脱炭素 岸田首相に委ねられた具体策

【論説室の窓】吉田博紀/朝日新聞 論説委員

9年弱にわたった安倍・菅体制が幕を閉じ、首相官邸はひとまず、新しい主を迎えた。

政治に刷新が期待される一方、変えてはいけない政策もある。「脱炭素」はその一つだ。

 9月の自民党総裁選には、菅義偉首相の突然の退任表明を受けて4人が名乗りを上げ、活発な政策論争を繰り広げた。新型コロナウイルス対策や経済政策、年金問題、外交・安全保障などと並んで、エネルギー・原子力分野でも各候補がどんな内容を訴えるか、注目された。

時折しも、次期エネルギー基本計画の案に対するパブリックコメントの期間と重なり、エネルギー政策の議論が活発化していたこともある。それ以上に大きかったのはやはり、候補者に河野太郎氏が加わったことだろう。原発の新増設・リプレースを認めずに将来は原発をゼロにし、核燃料サイクルも「手じまい」すると、政策の大転換を明言したためだ。

結果は、エネルギー・原発政策では党の従来路線を踏襲する姿勢を示した岸田文雄氏が、河野氏との決選投票を制して勝利した。10月4日に新首相にも選出された岸田氏は、総裁選で訴えたさまざまな政策を前提に、衆議院選挙で国民の審判を受けることになる。本稿を書いている時点では予想もつかないが、選挙結果によって行方が左右されるテーマもあるに違いない。

120カ国以上が宣言 無視できぬ世界の潮流

では、菅政権が打ち出した「2050年カーボンニュートラル」という目標はどうか。考えるに当たって忘れてはならないのは、世界120カ国以上がカーボンニュートラルを宣言しているという事実だ。

その顔ぶれは米欧にとどまらず、中東のイエメン、アフリカのブルキナファソなど、地域も国情もまさにさまざま。先進諸国と足並みの違いが深まる中国も、60年までと10年遅れながら、脱炭素を表明した。対立が目立ちがちな昨今の国際情勢でも、世界的な潮流になっている。

そこから日本が離脱すれば、待っているのは孤立への道だ。世界を舞台にする日本の製造業にとっても、大半の市場を失いかねない選択肢であり、到底、採ることはできない。

ただ、このようなコンセンサスがずっと前から国内に定着していたわけではない。「50年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す」とした地球温暖化対策計画が閣議決定された16年時点でも、日本の経済界では「現実的でない」「経済に大きな負荷をかける」などと否定的な意見が根強かった。

風向きが明らかに変わったのは昨年10月、菅政権が50年カーボンニュートラルを宣言して以降だ。そこから半年を経た今年5~6月には、朝日新聞が国内の主要100社を対象に実施した景気アンケートで、50年の実質ゼロという目標に対し、83社が支持を表明するまでに至った。

「官邸主導」で政策を進めた安倍・菅政権の手法に対しては時に、独善的との批判も起きた。実際、次期エネ基を審議する総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会では、エネルギーミックスの議論の最中に温室効果ガスの30年削減目標を決めた政府のやり方に対して「順番が逆だ」との苦言が呈された。

とはいうものの、ことカーボンニュートラルに関しては、菅政権の決断を前向きに評価すべきなのかもしれない。いま実現が見通せる対策を積み上げる「ボトムアップ」では考えられなかったブームを「トップダウン」で醸成することに成功したと言えるからだ。

もちろん脱炭素は、宣言するだけで達成が約束されるような甘い話ではない。いろいろな策を一つひとつ吟味し、実現可能性が高いものを積み上げて達成を図ることが不可欠だ。菅氏はその道半ばで、政権を投げ出してしまった。新政権には、前政権が打ち出した方向性を肉付けする地道な作業が求められる。

欧米などを見れば、これから起きるであろう「グリーン革命」で市場環境が一変することを見越し、優位に立つための産業育成を同時に進めようとの流れが既に強まっている。脱炭素が不十分と判断できる国や地域の企業には事実上の関税を課そうという「炭素国境調整措置」などを通じ、域内の産業を守ろうとの動きさえ見え隠れする。そのような状況を座視するなら、日本が国際競争から置いてけぼりを食わされることになるだけだ。

そのような「守り」の観点に加え、「攻め」の姿勢も欠かせない。日本の強みはどこにあるのかを見極め、その新分野で世界をリードできるように仕向ける、息長い政策が必要になる。

岸田新首相の脱炭素戦略は
提供:首相官邸ウェブサイト

産業政策と組み合わせ 攻めのエネルギー政策を

中でも、日本の主力産業である自動車が脱炭素とどう向き合うかは、今後の日本経済を左右する分かれ道になるだろう。世界に先駆けて確立した低燃費技術であるハイブリッド車で時間を稼ぎつつ、化石燃料を使うエンジン車への依存から将来的に脱する道を、官民一体になって至急、探らねばならない。

日本メーカーは1960年代に深刻化した大気汚染や、石油危機を契機に強化された燃費規制に対応することで、世界市場での存在感を高めた経験を持つ。やり方を間違えなければ十分、対応できる能力があるはずだ。

脱炭素社会実現の主役である再生可能エネルギー関連の産業にも期待がかかる。特に国内で今後、導入が本格化する洋上風力発電は、国内のみならずアジアの市場を獲得しうるチャンスが見えている。

岸田新首相が脱炭素戦略でどんな考えを持っているのか、まだ見えてこない。10月8日に衆参両院であった初の所信表明演説では「2050年カーボンニュートラルの実現に向け、温暖化対策を成長につなげる、クリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進いたします」と述べつつも、具体策には触れなかった。

国民生活を支えるエネルギー政策と、世界で稼ぐための産業政策を最適に組み合わせるポリシーミックスの重要性が、今以上に高まっている時期はない。新政権はもちろん、与野党を超えてそんな問題意識を共有すべき秋である。

埋設物の地震リスクを数値化 ガス・通信・水道にも適用可能

【東電設計】

 発電所、都市ガス導管網、製油所といった生活を支える各種エネルギーインフラには、取水管や導水路、導管など、地下にはさまざまな埋設物が設けられている。

当然のことながら、これら埋設物は経年が進めば改修しなければならない。事業者は限られた予算で効率よく設備改修を行うために、優先順位をどうやって決めるのか頭を悩ませている。

優先順位を決める上で、大きな判断基準になるのが、災害時に対象物がどれだけの損傷が受けるのかを表すPML(予想最大損失率)という概念だ。

PMLとは、災害が発生した際に、対象となる建築物がどれだけの損傷が発生するのかを確率論的に数値化した指標。これまでビルや発電所などでは建物ごとにPMLを算出して建物のリスク評価をしてきたが、地中で広範囲に張り巡らされた埋設物のリスク評価の算出は難しかったという。

そこで東電設計は、地震発生時の埋設物で生じる損傷リスクを数値化するサービスを、東京電力ホールディングスの委託を受けて開発した。サービスでは埋設物を1~3m程度に区分けして各部位のPMLを算出、さらにその総和を求めることで埋設物全体の地震リスクを評価する。

東電設計のサービスは埋設物の地震リスクを数値化する

部位ごとのリスクを数値化 ガス・水道・通信にも適用

サービスを利用することで、設備全体のPML値を比較し、被害リスクを数値化することができるようになる。つまり設備が複数ある場合、各設備がどれだけのリスクを抱えているのかを具体化することで、どれを優先して更新するのか判断材料として役に立つ。

また、埋設物を1~3m程度に区分けしてPMLを算出することから、埋設物全体の地震リスクに加え、部位ごとの地震リスクも数値化する。そのため修繕工事計画を立案する際に、特にリスクが高い部位から優先的に工事を進めることも可能になる。

土木本部技術開発部の栗田哲史氏は「地中には電力、石油、ガスなどエネルギー業界に留まらず、水道、通信などさまざまな業種の埋設物がある。今後、インフラの経年はどの業界でも大きな問題となるため、設備更新の際に本手法を多くの事業者に使ってもらいたい」と話す。今後は地震に伴う機械の損傷や、津波や土石流など広域災害も踏まえたリスク評価手法の開発も進めたい考えだ。

設備更新はインフラを運用する事業者にとって離れられない課題。東電設計のサービスはこの問題を解消するツールになりそうだ。

公取委がまたも立ち入り 電力ガス独禁法違反の疑い

公益事業制度に基づく地域独占体制に慣れ親しんできた電力・都市ガス会社の経営体質は、一朝一夕に変わらないのか。

10月5日、公正取引委員会がまたも電力・ガス会社への立ち入り調査を行った。今回は中部電力、中部電力ミライズ、東邦ガスの3社。大口顧客向けの電力・ガス販売でカルテルを結んでいた独占禁止法違反の疑いだ。

去る4月には中部電、中部電ミライズ、関西電力、中国電力4社が大口向けで、また中部電、中部電ミライズ、東邦ガス3社が家庭向けで、それぞれカルテル容疑で立ち入り調査。また7月には関電、中国電、九州電力、九電みらいエナジー4社が、大口向けのカルテル容疑で調査を受けている。

関係者によれば、2016年の小売り全面自由化を契機に、東京電力の販売子会社が西日本地域で安売り攻勢を仕掛けた。これが談合疑惑の引き金になった可能性があるという。「安定供給体制を堅持するためにも消耗戦は避けたい」。そんな独占時代の名残りが競争回避へと向かわせたのか。調査結果が出るまでには、しばらく時間がかかりそうだ。

【コラム/11月8日】昨今の電力需給等の議論をみて思い起こすこと

加藤真一/エネルギーアンドシステムプランニング副社長

 本コラムでは毎回、電気事業制度の振り返りをしているが、前回のコラムから3か月、相変わらず審議会等の動きは活発である。

 8~10月でざっと90本近い審議会等が開かれており、エネルギー・環境に関する各分野について幅広く議論が展開されている。夏から秋にかけては、審議の取りまとめや、それに伴うパブリックコメントも多く出されている。例えば、エネルギー基本計画や地球温暖化対策計画等が閣議決定され、カーボンプライシングは年内の一定の方向性取りまとめに向けた中間整理が、非化石証書取引については、FIT、非FITそれぞれ制度設計の見直しがなされている。

審議会等をみていて、とりわけ多く時間が割かれているのが、今冬及び来年度の電力需給状況を踏まえた対策である。昨冬(21年1月)の発電用LNG燃料の在庫下振れに伴うkWh不足は記憶に新しいが、1年経たずして、再度、厳しい冬が待ち受けることになった。

私の20年ばかりの社会人生活を振り返ると、電力需給の話題が節目で必ず出てくるなと最近よく思い起こすことがあり、少しだけ振り返ってみることとした。

電源調達が厳しかった当初の電力小売部分自由化

 私の社会人生活は、20年程前に東京電力に入社したことから始まったが、入社翌年には、電力小売部分自由化として特別高圧分野の小売自由化が開始された。当初は、今のように新規参入が700者を超えるようなことはなく、事業参入した事業者(PPS)は数える程度であった。

 大手電力からの離脱は民間企業を中心に行われてきたが、公共施設にも入札という形で切替えが促進されてきた。日本で初めての電力入札は2000年の通産省本省であったが、この時、応札に参加しようとしたPPSの1社が大手電力に部分供給を求め、その価格設定等の条件協議が難航したとの話があった。当時は、卸電力取引所もなく、実需同時同量や託送料金のパンケーキ問題、厳しいインバランス料金設定等、新規参入には厳しいハードルが多く、その中で、販売に十分な電源の調達も非常に難しかった時代であった。今は市場もでき、計画値同時同量で比較的、新規参入がしやすい制度となったが、当時から参入している事業者は創意工夫や努力を重ねて供給力確保や需給運用をしていたのである。

自家発電サービスから見えた課題

 入社から3年程経ち、東電が新規事業として設立したオンサイトエネルギーサービスを行う会社に出向となった。電力小売部分自由化で東電は当時の売上の約1割である5,000億円の離脱を想定し、その補完として新規事業に乗り出したのである。いまや、ベンチャー企業やファンド投資、エネルギー事業以外の新規事業を大手電力会社が当然のごとく行っているが、そのルーツは20年程前にあったのである。

 このオンサイトエネルギーサービス会社では、ディーゼル発電機やガスエンジン・ガスタービン発電機といった自家発電システムを企業の敷地に設置し、運用まで一括で行う事業を行っていた。設計から設置・電気工事、設備所有、燃料調達、O&M、撤去までの一貫したサービスを初期費用無料、月額サービス料をいただく形で提供しており、いまや自家消費太陽光や蓄電システムで採用されている第三者所有モデルの走りであった。

 当時は原油価格が安価で推移しA重油を使ったディーゼル発電機のコストメリットを十分に享受できる状況であったこと、電力会社の季時別メニューの特徴を活かし、昼間は発電機を、夜間は安い系統の電力をハイブリッドで使うことで企業の電力コスト削減が図れることができた。

 また、生産ライン等の増強で増設をしたい企業の特高化回避や、落雷や電力系統事故による停電時に製造ラインを停止したくない工場への自立運転機能による電力供給等、自家発電が電力需給に果たす役割は相応に存在感があった。

 発電機の設置当初は、よくトラブルで停止し、その都度、電力会社の自家発補給電力を使わせてもらった。電力会社への申請・発電データ提出、お客さま説明等の対応も多くあった。自家発は系統連系しており発電機が止まっても電力は通常どおり供給されるため、お客さまに影響はなかったが、この自家発補給電力を使用した際のペナルティ分は事業者負担となっていたので、かなりの痛手になったことは苦い記憶である。

 ちなみに、自家発を設置しているから停電でも大丈夫というわけではなく、自立運転機能等の切替え機能が備わっていない自家発は系統停電時には解列し停止してしまうので、お客さま提案時の説明には留意していた。

 以上のような自家発の使い方は日常使いの常用発電機としての役割であるが、短期間に必要な供給力を賄う仮設方式も当時の会社では事業の柱として行っていた。2002年に開催されたサッカーの日韓ワールドカップでは放送用の電源として英国アグレコ社と共同で全国10会場に電源設置・運用を行い、大会を支えた。世界的なビッグイベントであるワールドカップの世界への中継を途切れさせることなく、そのための電力を送り届ける役割である。系統電力の場合、落雷等で瞬低が発生するおそれもあり、そうした影響を受けにくい仮設発電機での対応が、こうした世界的なイベントには多く採用されている。この現場を預かった当時の先輩の話をよく聞くことがあったが、設置から運用・撤去に至るまで、体力的にも精神的にも非常にタフな現場でよい経験になったとの話だった。別の意味での電力の安定供給の姿をみたものである。

 この経験を活かし、様々なイベントで仮設電源のレンタルサービスも展開した。スポーツ大会をはじめとしたイベントでは運営に必要な電力がないこともあり電力会社の臨時電力を敷設するケースが多いが、コストや申請の手間等を考えると、仮設電源での供給に分があった現場もあった。この時も常用同様に一括サービスとして提供することでお客さまの手間を極力減らしたことが功を奏したこともあった。

 そして、こうした地道な取り組みが活きたのが、2002年に東京電力の原子力発電所の自主点検記録改ざん問題に端を発した原発運転停止による翌2003年夏季の電力需給がひっ迫懸念への対応である。多くの企業から夏の電力供給への心配の声が届き、仮設電源レンタルへの問い合わせが多く入り、複数の企業に仮設電源を設置し、非常時に備える体制を整えた。実際に、2003年夏は冷夏であったことや老朽火力の立ち上げ等で事なきを得たが、電力会社に入社して初めて電気が足りなくなるとの不安を感じた場面でもあった。

 この会社は2004年頃からの原油価格高騰の煽りを受け、2006年に事業撤退をすることとなった。この動きは他のオンサイトエネルギーサービス会社も同様で、当時の最大手であったエネサーブ社も事業撤退せざるを得ない状況になった。この際に、問題となったのは、事業撤退とともに、それまで自家発電で賄っていた供給が系統側に戻るということであった。特高回避目的で導入した企業では特高受変電設備の新設が必要になり、電力会社の送配電部門では、幹線の増強や変電所の容量増加等の工事が必要になったところもある。撤退した事業者は電力会社と調整のうえ、一気に自家発停止・撤去するのでなく、順次、行うことで系統側の負荷を軽減するよう協力したものである。今も多くの自家発電が企業に設置・運用されているが、ここ数年でサービス契約が終了する案件も多いと想定され、送配電会社側が停止・撤去はされないと高を括ってしまうと同じような事態に陥る危険性はある。実際に私の知っている企業ではピークカット用で使っていた重油焚きの発電機をこの数年内に撤去することを決定している。

 これと前後する形で、今度はガスコージェネレーションが台頭し始めた。ディーゼル発電の総量規制を条例で定める自治体の出現や、環境面への配慮等も背景に、とりわけ都市ガス会社がこの分野でリードし、電力会社が追従する形となった。特に排熱の活用があるため、蒸気や温水・冷水をプロセスで使う工場で多く採用された。発電機は排熱回収ボイラ等との組み合わせにより電力だけでなく熱も供給する存在となった。

 上述の通り事業撤退はしたものの、一部のお客さまについては、東電の別の子会社に譲渡し、契約満了まで対応をしてもらうこととした。そこに、引継ぎの役目もあり、出向となったのが2007年。

そして、その7月に新潟中越沖地震があり、柏崎刈羽原子力発電所が停止するに至った。大型電源の停止により周波数が一気に低下し、関東地方で運転していた自家発で一斉に周波数低下のアラートが鳴り、発電機が解列する事象も発生した。

その年の夏は比較的暑く、原発停止により電力需給も厳しさを増し、東京電力は大口顧客に需給調整やピーク調整の契約を発動することもあった。自家発を預かる立場として夏の点検の端境期への移行やトラブルへの細心の注意をしていた矢先、それも8月の最大需要電力発生日に、契約先に設置した発電機がトラブルを起こし、発電機を停止して点検せざるを得ない事態が発生してしまった。当日の関東の電力需給が厳しい中で、お客さまも生産調整をして協力をしてくれた。このように2007年は電力供給に気を使った年になった。

東日本大震災時の話

 話はそれから4年経ち、2011年3月11日。東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故、多くの火力発電の損傷が発生した。

 会社が復旧や計画停電等の対応をしている中で、海外から仮設電源を提供するとの話が出てきた。そんな矢先、オンサイトエネルギーの子会社で一緒に出向していた火力部門の方から、「仮設電源設置に関するデータや書類がほしい」との依頼がきた。子会社は撤退して清算したが、私が戻った部署でデータを保存したサーバを預かっていた。そのサーバを渡したのだが、なにせ5年以上の会社のデータである。必要なデータを探すのに時間がかかると言うのだ。そこで、色々と社内の伝手を手繰っていたところ、当時のデータを持っている方があらわれた。私は、その方からデータの入ったCD-ROMを借りて、そのデータを火力部門に渡して活用してもらうことになった。その後、火力発電所の敷地内に多くの仮設電源が設置され、一時の供給力として活用された。後で聞いた話だが、そこで活躍したのは、当時、あの子会社に出向して東電に戻ってきたメンバーが多かったとのことだった。大電源を動かすことに長けている人材は電力会社にも多くいるが、緊急時に野戦病院的に対応できる人材は、案外、子会社等に出されて第一線で実務に取り組んだところにいるのだろう。

 このように設置された緊急設置電源は一定期間、供給力としての役目を果たし、一部は北海道電力へ移設され、大半は撤去された。東電を辞めた後に移った会社で、他電力が設置した緊急設置電源を常用でコンバインドサイクル化して使えないかとの相談があり、少し関わらせてもらったこともあったが、巡り合わせというものもあるものだと感じたものである。

時は令和となり

 それから電力システム改革を経て、時代はカーボンニュートラルへの移りつつある。「S+3E」を大前提に再エネを主力電源として活用し、他の脱炭素電源と組み合わせてエネルギーミックスの目標が立てられた。

 その間には、2018年の北海道胆振東部地震による道内ブラックアウトや、大型台風による関東での停電長期化等、最近は、激しさを増す自然災害への対応が必然的となっている。

そして、2021年1月には発電用LNGの在庫下振れによりLNG火力を燃料制約で出力低下せざるを得なくなり、kWhが不足するという事態が発生した。卸電力取引所への売り札が減り、新電力をはじめとして小売電気事業者は供給力確保義務のもと、高値の札を出してまでして市場買いを行った結果、市場価格は高騰、連動しているインバランス料金も上昇するという結果を招いた。

こうした反省を教訓に、今後の電力需給については短期、中長期で対策を検討し、一部の施策は既に実行し始めている。それでも休廃止予定の電源は多く、今年の冬、来年の夏・冬も供給予備率が厳しい状況であるとの見通しが発表されている。

電気事業制度を毎月追っていると、多くの議論が並行して行われており、そのスピードに付いていくだけでも大変な状況である。次から次への新たな課題が出てくる中で、「柔軟に見直し」や「ファインチューニング」「不断の見直し」といった言葉が躍ることが多い。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではなく、まずは足元で緊急的に止血をしつつ、並行して恒久的な予防・治療対策をと議論し、一体何が最適な電力システムなのか、今一度、しっかり見直していくことが重要だろう。

【プロフィール】1999年東京電力入社。オンサイト発電サービス会社に出向、事業立ち上げ期から撤退まで経験。出向後は同社事業開発部にて新事業会社や投資先管理、新規事業開発支援等に従事。その後、丸紅でメガソーラーの開発・運営、風力発電のための送配電網整備実証を、ソフトバンクで電力小売事業における電源調達・卸売や制度調査等を行い、2019年1月より現職。現在は、企業の脱炭素化・エネルギー利用に関するコンサルティングや新電力向けの制度情報配信サービス(制度Tracker)、動画配信(エネinチャンネル)を手掛けている。

【マーケット情報/11月5日】原油続落、供給増見通し強まる

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続落。供給増加の予測がさらに広がり、売りが一段と優勢になった。

米国の10月29日までの一週間における週間原油在庫は、市場の想定以上に増加。生産増が背景にある。また、同国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが先週発表した国内の石油掘削リグの稼働数は6基増加し、450基となった。さらに、Shell社は、ハリケーン「アイダ」の影響で停止していたメキシコ湾の一部プラットフォームにおける生産を再開。供給増加の見込みが、需給を緩めた。

加えて、米国とイランは、米国の対イラン経済制裁解除と、イランの核合意復帰に向けた会合を、今月29日に開催予定。イラン産原油の供給増加へ、期待が高まった。

一方、OPEC+は、12月の生産予定を、日量40万バレルの増産のみで合意。新型コロナウイルスの感染再拡大や、中国経済の停滞による需要後退などを懸念材料に挙げ、追加増産を拒否した。

【11月5日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=81.27ドル(前週比2.30ドル安)、ブレント先物(ICE)=82.74(前週比1.64ドル)、オマーン先物(DME)=79.75ドル(前週比2.59ドル安)、ドバイ現物(Argus)=79.13ドル(前週比3.42ドル安)

ローカル5Gの検証スタート 次世代サービスの商用化も視野

【中部電力/中部テレコミュニケーション】

 高速大容量、低遅延、同時多数接続の特長を持つ、次世代通信規格「5G」。携帯電話事業者を中心に全国的にネットワークの整備が進むと同時に、自社施設や工場敷地内など、限られたエリア内で独自に5G通信網を構築する「ローカル5G」整備に乗り出す事業者が増えている。

中部電力もそうした事業者の一つで、同社はグループ会社の中部テレコミュニケーション(ctc)と共に、中電グループが運用する変電所と社員寮でローカル5G網を構築する共同検証を行っている。共同検証では、名古屋市西区にある中部電力の小田井寮(中電不動産所有)の敷地内に基地局を設置。寮施設と寮に隣接する枇杷島変電所で、実環境下での電波伝搬特性や通信性能、基地局の設置や運用など、実用化を見据えた各種検証を行う。

検証の実施イメージ

ローカル5Gを整備することで、これまで利用されてきた4G回線やLPWA(低消費電力長距離無線通信)以上の応答性能と高速大容量通信を活用した高度なIoT化やDX化が図れるのではと期待されている。また独立した通信網ということで、携帯電話事業者の通信障害や、基地局の被災の影響を受けにくいなどの特長がある。

ラストワンマイルに活用 新サービス商用化も視野

通信設備は一般的に利用されている5G設備を4G設備と連携させて通信を行うノン・スタンドアローン方式(NSA方式)ではなく、スタンドアローン方式(SA方式)を採用した。SA方式は5G設備のみ利用して5G通信を行う方式のため、NSA方式の5G通信と比べて設置や運用コストを抑えられるメリットがある。

インターネット・電話・テレビなどの通信サービス「コミュファ光」ブランドを提供するctcは、今回の検証を基に光ファイバーの幹線から契約者宅までのラストワンマイルを、ローカル5Gで無線化することで高速大容量の通信サービスの提供や、光ファイバー工事の工期短縮効果をもたらすと期待を寄せる。さらにローカル5Gによるインターネット接続の実用化に向けた評価を行い、商用化の検討を進める。

中部電力は遠隔監視、映像伝送、画像解析などによる災害時の設備復旧の迅速化、日常的な巡視点検の効率化などに向け、携帯電話事業者の5Gとローカル5Gの比較を行い、それぞれの特性を把握し、高度な自社通信ネットワークの構築に努めていく。

グループ全体で5Gの実用化を進めることで、新サービスの商用化および自社設備の高度化を図る方針だ。