「日本が方針転換を決めた歴史的瞬間に立ち会うことができた」――。
メガソーラーや大規模風力発電設置に伴う環境破壊に反対するネットワーク「全国再エネ問題連絡会」は24日、自民党の古屋圭司政調会長代行と面談し、その後、都内で記者会見を行った。上記の発言は、共同代表の山口雅之氏が面談の感想を問われたときのものだ。全国から集まった嘆願書を受け取った古屋政調会長代行は「責任与党として取り組む。国土を守るために行動する」と悪質事業者の規制に前向きな姿勢を見せたという。山口氏は「われわれが指摘するより前に、古屋議員はいろいろご存じだった。これから抜本的な法改正の成立が進むことを期待したい」と喜びをあらわにした。
同連絡会は全国40団体約3万人が参加し、全国各地で起きる悪質事業者のずさんな開発や土砂災害リスクへの対策支援を行っている。事業者の中には、住民側の十分な理解を得ないままコスト最優先での手抜き工事を行ったり、固定価格買い取り制度(FIT)の認定IDを転売したり、産業廃棄物事業の隠れ蓑として太陽光事業に乗り出したりするケースが少なくない。現場では違法性を認識していながら、行政指導が入ると「施工を担当した孫請け企業の問題」と責任を逃れようとするケースも相次いでおり、地元の住民を悩ませている。

悪質事業者の問題は、昨年9月に開かれた第15回内閣府再エネ総点検タスクフォースの会合でも取り上げられたが、当時の規制改革担当大臣だった河野太郎氏は「再エネの導入が進む中で一部の病理的な事象」と規制強化に消極的だった。このため、今回の古屋政調会長代行の動きは「予想していた以上で、大変ありがたいこと。いろんな議員に(問題認識を)共有していただいた」(山口氏)と好意的に受け止められている。
再エネ利権に絡む反社会的勢力とは?
一方で再エネ事業を巡っては、反社会的勢力のフロント企業が絡み、暴力団関係者の資金獲得活動(シノギ)として使われる、という深刻な問題が散見されている。
山口氏の調査によると、不動産開発業者の「ブルーキャピタルマネジメント」が山梨県甲斐市菖蒲沢のメガソーラー事業に参加。2020年から工事を手掛けてきたが、調整池や太陽光パネル設置でずさん工事や欠陥が相次いで発覚した。その他全国各地で住民側とのトラブルを引き起こしているブルー社について、「反社会的勢力のフロント企業の可能性がある」というのだ。問題点を指摘した山口氏自身も、脅迫まがいの電話や不審な車に追い回されるなどの被害を受けており、再エネ問題連絡会の森山まりこ共同代表は「一般の人は反社会的勢力からの脅迫行為に泣き寝入りしている現状がある」と肩を落とす。
今回の古屋政調会長代行との面談でも、この問題について話し合われた。山口氏は「古屋議員は元国家公安委員長で警察にも太いパイプがある。反社撲滅に向け資金源封殺に取り組むと話してくれた」と再エネ事業からの反社勢力排除に期待感を示した。今後は、建設業界を取りまとめる国交省や反社勢力の排除を担う警察庁が経産省と連携し、行政一丸となって問題解決に動いてほしいとしている。「われわれの電気料金に上乗せされる形で自動的に徴収されている再エネ賦課金が、いずれの形にせよ反社勢力の一部に流れているとしたら、許されざることだ。クリーンエネルギー政策に名を借りた国民への背任行為にほかならない」(環境NGO関係者)
再エネの最大限・最優先の導入政策の下、これまで乱開発規制に及び腰だった政府・与党だが、山口氏ら住民団体の粘り強い陳情にようやく重い腰を上げた格好だ。22日には多くの問題が指摘されてきた埼玉県小川町のメガソーラー事業に関して、萩生田光一経産相が事業者に対し抜本的事業見直しを求める異例の勧告を行うなど、これまでの「再エネ事業の請け逃げ」を許さない政府の姿勢が目立ち始めている。今後の展望について、山口氏は「関連法に『遵守事項』の規定を盛り込んでもらうことが今後の目標。違反した業者はFIT認定IDを取り消す仕組みが必要だ」と話す。再エネ利権に群がる悪質事業者の一掃に、政府がどこまで本気で取り組むか、要注目だ。














