NEWS 01:知多7・8号機を共同開発 JERAと東邦ガスが合意
火力縮小に歯止めがかかる流れにつながるか―。JERAが進めていた知多火力(愛知県知多市)7・8号機建設計画について、昨年末、東邦ガスとの共同開発に合意したと発表した。両者は知多地区でのLNG基地の共同運用などの実績があり、業界の垣根を越えたアライアンスを検討。競争力の高い最新鋭LNG火力建設に関してニーズが合致し、合意に至ったという。
7・8号機の完成予想図
提供:JERA
発電効率世界最高水準の設備を計約132万kW建設。7号機は2029年10月、8号機は30年1月の運開を予定する。合弁会社への出資比率は、JERAが75%、東邦ガスが25%となる。JERAは「電力自由化、市場制度の動向や省エネ法への対応など、電力業界を取り巻く事業環境の変化を踏まえると、共同事業を行うことで、事業リスクの低減と大規模な電源開発による規模の経済のメリットが得られると考えている」。東邦ガスは「JERAの発電事業者としての高いシェアに基づく知見の活用に期待している」とコメントしている。
エネ基では、脱炭素技術の進展があまり進まない場合の「リスクシナリオ」で「40年の天然ガスの一次エネルギー供給量は7400万t」と目安を示した。とはいえ需給や電源構成の内容には幅があり、火力の内訳も示されず。予見可能性が低い中、今回のような事業者連携が今後トレンドとなるのだろうか。
NEWS 02:電力大手4社が参画意向も HVDC事業化に暗雲
北海道・本州間の日本海側の海底に、国内初の大規模高圧直流送電(HVDC)を整備するという一大プロジェクトに、早くも暗雲が垂れ込めている。
昨年末までに、北海道電力ネットワーク(NW)、東北電力NW、東京電力パワーグリッド、電源開発送変電NWの4社連合が、事業実施主体となるべく応募意思を表明した。だが、資機材高騰を背景に資金調達規模が膨らみ、未確定の要素もあることから、実施案提出に向けては「十分な事業性の確立やリスクを見積る必要がある」として、場合によっては「辞退もあり得る」という条件を付けたのだ。
洋上風力の導入が見込まれる北海道、東北エリアと大消費地である東京エリアを結ぶHVDCは、2050年カーボンニュ―トラル社会実現への切り札とされる。だがただでさえ、概算工事費は1・5兆~1・8兆円と試算され莫大。インフレ傾向が続けば、これがさらに膨れ上がる可能性は大きい。いざという時に退路が断たれたままでは、企業の存続にかかわりかねない。
実施主体となれば、SPC(特別目的会社)を組成し送電事業ライセンスを新たに取得する。そして、北海道北部風力送電がそうであるように、再生可能エネルギー事業者などとの相対契約をベースに収益を上げるのが本来の姿だ。にもかかわらず「政府はHVDCがまるで既存の電力網と一体であるかのように低い事業報酬率での実施を求めていて、ビジネスとして成り立つわけがない」(エネルギー業界関係者)。
データセンターや半導体工場など新たな電力需要が再エネ適地で創出されようとしている今は、国が計画策定プロセスの開始を要請した22年7月当時とは状況が全く変わってしまった。実情に合わせ、再考する時だ。
NEWS 03:燃料費補助縮小で消費者困惑 省エネ促進策への転換必要
ガソリンなどの燃料油価格の上昇を抑制する補助金が昨年12月から段階的に縮小されたことを巡り、利用者に困惑が広まっている。1ℓ当たり175円程度で推移していたガソリン平均価格が、補助縮小によって10円程度値上がりしているからだ。
補助金を巡っては、原油価格高騰が国民生活や経済活動に与える影響を最小化する激変緩和措置として、2022年1月に導入され、段階的に縮小されながら延長してきた。経済産業省によると、1月中旬時点で補助がなければ、ガソリン平均価格は197円程度で、効果はおよそ17円。一方で、計上した予算は累計8兆円に達し、財政的な負担が大きい。国が価格を一定水準に抑え込むことは市場機能をゆがめ、脱炭素に逆行するとの批判も根強い。
移動に車が必須な地方在住者ほど、今回の縮小には否定的な意見が目立つ。その代替策となるのが、国民民主党が公約に掲げきたガソリン暫定税率の廃止だ。昨年12月、自民、公明、国民民主の3党が合意したものの、実施時期をはじめ具体策は未定のままで、出口戦略として機能するかは不透明だ。
他方、電気・ガス料金に対する補助金は3月使用分で終了予定だが、夏の需要期を前に参院選が予定されており、三度目の復活も否定できない。
「政府が取り組むべきは、価格補助の延長や復活ではなく、自動車などエネルギー利用機器における省エネ型への買い替え促進策の強化だ。来年度予算にも計上されているが、補正などを通じ、それを一段と手厚くする施策が求められている」(エネルギー関係者)。
選挙対策的な単なる金のバラマキではなく、持続可能な社会づくりに貢献する政策こそが王道だ。
NEWS 04:洋上風力第3弾が結果発表 丸紅と東ガスがようやく落札
ここ数年、年の瀬の恒例行事が洋上風力公募の結果発表だ。クリスマスイブに示された今回の第3ラウンドは、青森県沖日本海(南側)と山形県遊佐町沖が舞台に。FIP基準価格が1kW時当たり3円の「ゼロプレミアム」の鉄則が踏襲され、運開時期も横並びになる中、地域との調整点や事業の実施能力で差が付いた。
第3ラウンドは初落札組が名を連ねた
青森県沖の勝者は、JERAが代表を務め、グリーンパワーインベストメント、東北電力のコンソーシアム。国内調達率を最大限高めた風車モデルをアピールし、事業全体で85%、風車単体で40%(一般は5%以下)を掲げる。風車はシーメンスガメサ製で、同社と国内企業とのマッチング、産業発展などで1・6兆円の経済波及効果、9・5万人の雇用創出を見込む。
一方、山形は丸紅を代表に、関西電力、BP、東京ガス、丸高の連合軍が勝利。こちらも地域共生の取り組みなどが評価され、海面漁業、内水面漁業、地域の多様な領域で振興策を講じる構えだ。3度目の正直で落札に至った丸紅や東ガスは、これで一安心といったところか。ただ、第2ラウンドまでの事業者が苦労するインフレなどに伴う諸課題に、いよいよ直面することとなる。
そして2海域にはそれぞれ、洋上の事業統合を発表したJERAとBPが入った。今後調整が行われるかどうかも注目点だ。(覆面座談会に関連記事)